
アサヒグループホールディングス株式会社

アサヒグループとして目指すもの

- まどか:
- アサヒグループさんは、酒類・飲料・食品を広く扱っていらっしゃり、身近に感じる商品が多いですね。グループとして、どのような理念を持っていらっしゃるのですか。
- 松香氏:
- 経営理念では「アサヒグループは、最高の品質と心のこもった行動を通じて、お客様の満足を追求し、世界の人々の健康で豊かな社会の実現に貢献します。」とうたっています。事業を通じて社会的課題の解決に貢献することで、「健康で豊かな社会」を目指していきたいという考え方です。

- まどか:
- 事業活動を展開する上では、やはり持続可能な社会の実現への取り組みが重要になってくるのでしょうか。
- 松香氏:
- その通りです。そのために「食と健康」「環境」「人と社会」という3つの活動領域とそれぞれの重点テーマを定めて取り組みを進めています。
- まどか:
- いずれの領域も、アサヒグループさんの事業と密接にかかわる分野ですね。
- 松香氏:
- そうですね。やはり、「健康で豊かな社会」に必要とされる企業グループとして評価されるためには、事業活動を通じて社会的価値を生み出していくことが重要と考えています。

より実効的な活動に向け、マテリアリティの特定を実施

- まどか:
- 2016年にマテリアリティの特定として、重点テーマの見直しをされていますね。このタイミングでの見直しというのは、何か理由があったのでしょうか。
- 松香氏:
- 2015年は、国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」や、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)の「パリ協定」など、社会的課題に関する新たな国際的な目標が相次いで設定された年でした。そこでアサヒグループとしても、こういった社会の動きを踏まえてマテリアリティを見直すべきと考えたのです。
- まどか:
- とても重要な見直しですが、どのようなプロセスで行われたのでしょうか。
- 松香氏:
- まずは、課題の抽出です。GRIガイドラインなどを参考にしながら、アサヒグループの課題を従来の重点テーマと照合しながら抽出しました。そしてステークホルダーの視点をきちんと取り入れるために、取締役5名と外部有識者によるダイアログを実施しました。

- まどか:
- ステークホルダーからの期待や要請に考慮するという点で、外部の有識者の方を招いたダイアログというのは素晴らしいですね。
- 松香氏:
- 2016年から第6次中期経営方針がスタートし、その中で「持続的成長を目指した“企業価値向上経営”の進化」を掲げているのですが、出席した役員から「企業価値の向上に関わる様々なテーマについて議論できる貴重な場だ」というコメントもありました。中期経営方針のスタートにあたり、経営陣が有識者との対話を通じて共通認識を持つ機会となったという意味でも、意義のあるダイアログだったのではないかと思います。
- まどか:
- 経営陣がそれだけ深い議論をしたということが、具体的な施策を検討する上でどう影響したのでしょうか。
- 松香氏:
- 社会的課題を経営課題と捉え、どの分野がアサヒグループにとって重要なのかという議論を経営陣が行ったことにより、具体的な施策を立案し、グループ横断で取り組む体制を強化することができました。現在は「グループCSR推進会議」を通じたワーキンググループによって具体的な取り組みを進めています。
- まどか:
- 次の活動へのステップにもなったというわけですね。

「食と健康」に関わる様々な啓発活動

- まどか:
- 長期ビジョンにも「食の感動(おいしさ・喜び・新しさ)を通じて世界で信用される企業グループを目指す」とありますが、アサヒグループさんの事業活動といえばやはり「食」がキーワードですよね。
- 松香氏:
- そうですね。重点テーマの一つが「食と健康」なのですが、事業活動を通じて消費者の皆さまにさまざまな啓発活動を行っています。
- まどか:
- 具体的にどのような活動があるのでしょうか。
- 松香氏:
- 例えば、アサヒ飲料では、社員自らが講師となって小学校で授業を行う「『カルピス』こども乳酸菌研究所」を行っています。2015年までに約3,000名もの小学生に参加して頂きました。五感をフルに使い学ぶこのプログラムは、乳酸菌に関する知識を深めるとともに、「食」への関心を高めてほしいという思いのもと実施しています。

- まどか:
- 毎日メディアカフェで実施した時も、大人気でしたね。講師として社長も参加されると伺い、驚きました。
- 松香氏:
- そうなんです。この取り組みは、担当部署だけではなく社長から新入社員まで参加する、全社活動として取り組んでいます。参加対象も、アサヒ飲料以外のグループ会社に少しずつ広げており、私も今年講師として参加する予定です。
- まどか:
- グループ・部署横断でできるのは、素晴らしいですね。他の様々な啓発活動はフォーカスページで詳しく紹介させて頂きます。
- 松香氏:
- これからも、事業活動を通じた取り組みなど、アサヒグループらしい活動を広げていきたいと思っています。
- まどか:
- まさに世界的なリード企業であるアサヒグループさんの活動に、これからも注目しています。

アサヒグループホールディングス株式会社
本社所在地: 東京都墨田区吾妻橋1-23-1

今回はアサヒグループホールディングスさんのマテリアリティ(重要課題)への考え方を伺いました。「健康で豊かな社会」を目指すという、食品メーカーの責任を伺うことができました。
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