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毎日映画社秘蔵フィルム上映会第2回「安保で揺れた時代」

開催日:9月9日(水)18:30-20:00 イベントのカテゴリー:特別講演

毎日映画社秘蔵フィルム上映会第2回「安保で揺れた時代」が9月9日、毎日メディアカフェで開かれました。


今年60周年を迎えた毎日映画社には、発足当時からニュースを中心に記録し続けてきたフィルムが残されています。8月3日にそれらのフィルムから10本を選んで上映したイベント「秘蔵フィルムで振り返る昭和の10大ニュース」が好評だったことから、これをシリーズ化することになりました。今回のテーマは「安保」。60~70年代の日米安保条約改定、学生運動に関連するニュースフィルムを上映しました。


講師は毎日新聞東京社会部警視庁担当として「よど号」事件(70年)、浅間山荘事件(72年)を取材したOBの加藤順一さん(元毎日新聞中部本社編集局長)。聞き手は国会で審議中の安保法案をウオッチしているデジタル報道センターの石戸諭記者と、毎日映画社事業開発室の桑野和之さんです。


まず、小川一・毎日新聞社取締役が「毎日映画社が持っているコンテンツを広げていきたい。加藤さんは大先輩で、私の浦和支局駆け出しの時の支局長。公安担当のばりばりの記者でした。その生の声を聞いていただこうと企画しました」と挨拶しました。


続いて、ニュースを上映して、加藤さんがそれを振り返るという形式で進められました。上映したのは1961年の「安保騒動あれから1年」、69年の「70年安保を前に」と「安田講堂攻防戦」、70年「よど号事件」です。


 加藤さんは最初に「60年安保は学生、70年安保は記者で、両方を知っている化石のような人間です。60年安保時代は今と違い、大衆にとげとげしさがあった気がします。僕が入学した早稲田大学は騒然としていました。そこら中にバリケードがあって、入れなかった。雄弁会に顔を出すようになりました。雄弁会の学生は政治に絡んでいる人が多い。自民党青年部に入ったり、社会党に入ったりして、政治闘争をしていた。雄弁会全体としては右派として見られたかもしれない。今日はできるだけ中立的な見方で話したい」と述べました。


 まずは、60年安保。「当時の学生運動の主流派は3派全学連。ブント(共産主義者同盟)です。一方、共産党・民青同盟の学生も全学連と言っていて、全学連が二つあった。6月15日にブントが国会に突入しました」。加藤さんは父親のカメラを手に、国会周辺に行って、写真を撮影しました。その時に撮った写真を参加者に回しました。「樺美智子さんが亡くなった日の写真です。吉本隆明さんもつかまっているのですね。僕は警察につかまらないように逃げました」  加藤さんが毎日新聞社に入社したのは62年(昭和37年)。研修中の5月3日には、国鉄(当時)常磐線三河島駅で列車脱線事故が起こりました。初任地は松本支局。「その年にキューバ危機があり、戦争が起こると思いました。東京に帰してくれと支局長に言って、怒られました。昭和38年にケネディ大統領暗殺がありました。日本で初めて原子力発電所が発電したのもこの年です」。


加藤さんが東京本社に戻ったのは67(昭和42)年。68年10月の新宿騒乱事件は騒乱罪が初めて適用された事件です。「現場で『暴徒と化した学生たち』と書いた原稿を読み上げていると、暴徒とは何だと、周りの学生から怒られた」と思い出を振り返りました。


68年12月10日、加藤さんは電車の車内アナウンスで自分の名前を呼ばれました。駅で降りて会社に電話すると、「2億円とられる事件があった」。3億円事件の発生です。当初は2億数千万円の被害だということで、2億円と言われていたそうです。加藤さんは「実は、その日に都内の大学でブントの内ゲバがあり、赤軍が生まれました」と語りました。


70年安保を前にしたデモの映像では、音楽に合わせて行進するという平穏なデモの様子がうかがわれます。石戸記者は「音楽を流すとか、若者が明るくデモをしている。今に通じているところがありますね」と加藤さんに語りかけました。「ゲバ棒が出てくるのはもう少し後です。最初に強い勢力だったのは、日大全共闘です。機動隊と本格的に戦った。警官が死亡する事件があって、警備が変わりました。機動隊対学生の対決を取材に行くのですが、新聞記者はどちらに逃げるか。学生の側に逃げると催涙弾を浴びる。機動隊の側に逃げると、学生たちの投げた石が飛んでくる。警官は盾で守るのですが、太鼓を打つようにどんどん石が飛んでくる。どちらに逃げるか、いつも迷うわけです。石よけの名人の機動隊の隊長がいて、その人の後ろに隠れていたら、その人が身をかわした時に、石がぶつかって、肋骨にひびが入ったことがありました」。加藤さんは生々しい体験を語ります。


浅間山荘事件は加藤さんにとって、思い出に残る事件でした。「赤軍派に最初に会ったのは、昭和44年の沖縄デーです。東京医科歯科大学に行ったら、出て行けと脅かされました。学生は鉄パイプを背負っている。鉄パイプの異様さに驚きました。重信房子死刑囚が指揮していました。浅間山荘事件の前にあった大菩薩峠事件。赤軍派が山荘に立てこもり、鉄パイプ爆弾の訓練をしていました。高校生に遺書を書かせて、国会に突入させるという計画でした。私も峠に登りました。山梨県警の機動隊が飛び込んだ時、自分も一緒に飛び込んで、機動隊に捕まりました。後で、鉄パイプ爆弾の威力がすごいことが実験でわかりました」。


 「よど号事件」は赤軍派によるハイジャック事件。当時は「スカイジャック」と呼んでいたそうです。「事件発生後、すぐに取材に行けと言われて、どこに行けばよいか分からない。仕方なく羽田に行って、聞き込みをしました。犯行グループは、我々は『あしたのジョーである』という声明を出しました。偉い人か何かかと思ったら、漫画の主人公だった。彼らは『敵の敵は味方だ』という考えで、北朝鮮に行こうとしたのですね。よど号は最初、韓国に着陸したのに、北朝鮮に着いたと見せかけようとした。その作戦を誰が考えたか、いまだにわかりません」。乗客の一人に、現在は聖路加国際病院名誉院長を務める日野原重明さんがいた。「後になって、日野原さんに会いにいったら、そんなことは忘れたと笑っていました。103歳の日野原さんがまだお元気でいるので、僕もまだ生きられるかなと思います(笑)」  加藤さんは一連の事件の後、警視庁担当を離れました。「もうこういうことをしたくないと警視庁担当をやめさせてもらった。深刻でした。人が死ぬのですから」  現在、国会で安保法案が審議されていて、国会周辺では、デモが盛んに繰り広げられています。加藤さんは「集会の計画の中に座り込みが入っていた。警察は座り込みを許さなない。座り込みをどかせるというのは実力行使になります。その時にどんなことが起こるか、心配しています」と懸念しました。 デモ参加者の取材をしている石戸記者は「デモで反対の意思が表現されているというのは、70年安保以来です。今のデモは全学連というよりも、ベ平連的な流れの中にあるのではないか。平和裡にやることによって、民意を得ようとしていると思います」との意見を述べました。


石戸記者の「60~70年当時のデモには、動員があったのですか」という質問に、加藤さんは「学生の動員はなかったと思います。自発的な行動でした」と答えました。  会場には、安保や思想をめぐる分野の著名人も参加していました。


五野井郁夫・高千穂大学准教授は「加藤さんは座り込みが弾圧の対象になるという懸念を述べられましたが。今のデモの座り込みは、国会に突入することを自分たちで抑えるという機能を持っています」と語りました。


政治団体「一水会」最高顧問の鈴木邦男さんは「デモについて、あれはテロだと言う政治家がいるが、『政治的意見があれば、投票すればよい。直接行動するのはおかしい』という発想があるのでしょうね。しかし、それは違う。私は右翼学生でしたから、昔は殴り合いをしましたが、今はそういうことがなく、観念の中で、敵を強大化して、『朝鮮人出て行け』とかになっている」と述べました。


加藤さんは最後に、「今の状況を突破するには、どうするかというビジョンがない。日本人は敗戦でも、安保でも、それが終わるときれいさっぱり忘れがちだと思う。はたして、それでいいのでしょうか」と問いかけました。



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