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Zoomセミナー「“コロナ後”のオトナの学びを考える」

開催日:7月8日(水)19:30~21:30 イベントのカテゴリー:オンラインイベント

毎日メディアカフェのオンラインセミナー「“コロナ後”のオトナの学びを考える」が7月8日、オンライン会議システム「Zoom」を利用して開催されました。

 企画したのは有識者で構成する近未来研究会。コロナ禍は企業の経営やそこで働く人たちの仕事をはじめ、人々の付き合い方、日常生活のスタイルにまで大きな影響を与えています。オンライン教育の推進などが課題になっている中、若い社会人から高齢層までのオトナにとっての学びを考えようとの趣旨です。近未来研究会代表で教育・研修・学習の潮流とデジタルトランスフォーメーション(DX)に造詣の深い岸田徹・ネットラーニンググループ代表が話しました。進行役は同研究会の石原昇・名古屋商科大学経営学部客員教授が務めました。

 岸田さんは1974年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。出版社、セコム新事業開発室長、セコムラインズ社長などを経て1998年、株式会社ネットラーニングを設立、代表取締役に就任。2010年に株式会社ネットラーニングホールディングスを設立し、国内外にグループ企業5社、中国に合弁会社を有する。一般社団法人日本IMS協会副理事長、一般社団法人e-Learning Initiative Japan理事長。一般財団法人オープンバッジ・ネットワーク理事長。「教育研修のデジタルトランスフォーメーション」をテーマに国内外で講演活動を展開している。現在八丈島在住。八丈島熱中小学校校長として、教育・学習を通じた地方創生にも尽力しています。

 はじめに、岸田さんが「コロナ後 AIと100歳時代の生涯学習」と題して話しました。岸田さんは八丈島に住んでいます。八丈島の紹介の後、次のように語りました。

 「学びが変わった。学習革命と言ってよい大変化が起こっています。今日は学ぶ力をどう獲得するか、学ぶ習慣をどう身につけるかを話したい。ビジネスも生活も根こそぎ変わってきています。コロナが時計の針をさらに推し進めたと思います。世界経済の中心はアジアにシフトし、構造が大きく変わっています。少子高齢化、人生100歳時代になり、格差が拡大しています。AIで仕事が変わります。世界的には人口爆発、食糧危機が大きな問題です。日本ではいま600万人以上が休業中です。1割が仕事をしていない状態であり、これが長期化すれば、深刻なことになります」

 「ビジネスが変わるということでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)があります。DXはデジタル化とは全く違います。フィルムのカメラがデジタルカメラになるのはデジタル化です。DXはスマホのカメラを持ち、SNSなどを駆使して写真が使われるようになるということです。もう一つ例をあげると、レコードがCDになるのはデジタル化で、DXはストリーミング(ネットに接続しての再生)になる。全く違う世界が始まっています。自動車の世界では電気自動車、自動運転、シェアリングが進行しています。車の価格は5分の1、都市での台数は10分の1になると言われています。あらゆる産業でDXが進行し始めている。ビジネスや産業の構造、流通が全く違うものになる。デジタルとネット、AIが一緒になっている。身近で、個別的で、豊富な選択があり、いつでも利用できて、無料、または定額払いなどが特徴です。そういう大きな転換の中にいます。全ての企業がネット、デジタル化から逃れることができない。今までのビジネスモデルは無力で、新たなビジネスモデルをつくりださなければならない。境界の垣根が消え、新しい企業間競争が発生します。企業の研修や学びもDX化が起き始めています」

 「工業の時代は終わりました。『中流』は工業中心の社会で生まれました。中流が消え、格差社会が進みます。ビジネスが変わると、働き方が変わります。トヨタの採用の半数は中途採用です。即戦力を求めています。他の業種でも中途採用が増えています。終身雇用、年功序列がなくなっていきます。非正規雇用が40%近くあり、フリーの人が10%、正規社員は約50%です。正規社員もふたつに分かれつつある。『ジョブ型正社員』が増えています。給料のピークは50歳過ぎですが、企業側は45歳以上の社員は要らないという事業構造になりつつあります。今後10年間で52%の仕事が消えるという予測があります」

 「変化はチャンスです。アンドリュー・グローブ(米の実業家、元インテル社長・会長)は『競争上の優位は、唯一時間だけである』と言っています。スピードにかけなければならないということです。変化は全ての人に同じチャンスを与えます。このチャンスを生かすのが学びです」

 「次はグローバル化の流れです。この10年で世界経済の中心はアジアに移ると予測されています。OECDは2060年までに中国・インド、インドネシアの経済力が世界の半分を占めると予測しています。東南アジアの平均年齢は26歳、日本は46歳です。若い国々のパワーが新しい時代を開こうとしています。日本は生産性が低く、賃金はこの20年間、増えていない。韓国は同期間に40%近く増えました。日本はどんどん貧しくなっている。そんな日本が新しい未来を開くとき、学びこそがかぎになると思います」

 「もうひとつは、人口減少、人生100歳時代です。昨年生まれた子どもの半数は109歳まで生きると予想されています。そんな時代の人生設計をどうするのか。日本企業の“平均寿命”は23.9年です。働く期間は(大卒、65歳定年として)43年。平均的には1人が2社を経験する。誰もが転職する時代です。そんな中で、ジョブ型正社員という新しい流れが一気に主流になります。スキルの意味が変わってきました。スキルは急速に陳腐化する。今持っているスキルは長持ちしない。スキルが多様化している。即戦力スキルが求められています。絶えず、学び続けることが必要です。一律研修の時代は終わりました。一人一人の力、個性が大切な時代です。必要なスキルをいかに社員に身につけさせるか。主体を変えるしかない。研修担当者は時代に遅れています。若い社員が自分でテーマを選び、自らが学ぶ。社員に主体が移る。企業はどんな学びの環境を提供するかという時代になっています」

 「そういう時代にeラーニングが登場しました。学びと教育は違います。教育は先生が教える。学びは主体的なもので、意思がなければ成立しない。個別的で無限の可能性があります。AIは学び始めたときに、一気に力を持ちました。囲碁ソフトが棋士に勝てるようになったのは、人間が教えたからではない。AI同士が対戦して強くなった、学びの力です。その学びがネット学習で根本的に変わりました。長く働く社会になりました。大学教育の蓄積だけで、60歳定年を迎えることができた『教育・仕事・引退』モデルは崩れました。何歳まで働くかのアンケートで、60歳以上が4人に3人、70歳以上が37%もいます。学習しなおしが必要な時代です」

 「2000年にeラーニングのサービスを開始したとき、ほかのeラーニングの会社はeラーニングの価値を『いつもで、どこでも』と答えました。場所と時間の制約がなくなることがeラーニングの価値だと言いました。それは重要な価値ではあります。しかし、本当の価値はそこにはない。もっと大切な価値がある。それは学習履歴をとることができて、それが学びを根本的に変えることです。Eラーニングは学習革命です。ブラックボックスだった学びを記録できる、プロセスが見えるようになった。履歴を生かして個人別の最適学習を生成できるようになった。学びを設計、深化させられるようになりました。学びは主体的で、個別的です。変化の時代こそ、学びが力になります。コロナ禍により、一気にオンライン教育、研修が進みましたが、単に教室から配信しているだけ。初歩的な状況です。講義、ワークショップの内容を変える。SNSと一体になった仕組みが必要になりますが、ライブの力を注目すべきだと思います」

 「これからは学歴ではなく、学習履歴が大事になります。オープンバッジ(資格・スキル・能力などを示すデジタル認証)は2018年に米国で2400万件発行されました。爆発的に活用されています。日本でもオープンバッジ・ネットワーク財団が設立されました。無料で学習できるJMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)では、MITの授業など世界のトップレベルの授業を聞けます」

 最後に、岸田さんは「学ぶ 交流する はじめる」という八丈島熱中小学校のコンセプトを紹介して話を締めくくりました。

 この後、石原さんが進行役となり、近未来研究会メンバーや一般参加者との議論に入りました。オープンバッジが日本で普及するかとの質問に、岸田さんは「普及のスピードが爆発的です。あの先生が認めたバッジというのが価値になる。日本では『バスに乗り遅れるな』という文化があり、あっという間に広がる可能性があります」と述べました。

 元日経新聞記者で、電子版創設に携わった坪田知己さんは「学びは企業が求める人材育成ではない。人生の目標、何のために生きているのかが明確でないといけないと思う。その点で、熱中小学校の取り組みはすごい。学ぶこと自体に面白さを見つけている。学びの中に充実感、達成感があるのが本物だと思う」との考えを語り、岸田さんは「学びは本質的に反体制的であり、次の時代を切り開く人材を育てなければならない。生きる力と学ぶ力は重なるところがあります」と応じました。


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