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お寺の終活プロジェクト~多死と孤立社会を生き抜く「とむらいのコミュニティ」とは

開催日:6月19日(水)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

毎日メディアカフェのセミナー「お寺の終活プロジェクト~多死と孤立社会を生き抜く『とむらいのコミュニティ』とは」が6月17日に開催されました。
 セミナーは有識者で組織する近未来研究会が企画しました。ゲストは大阪市天王寺区下寺町にある浄土宗大蓮寺と浄土宗應典院の2寺の住職である秋田光彦さんです。應典院は仏事のない代わりに、年間100以上のイベントを開催し、「日本一若者が集まるお寺」の異名を取ります。秋田さんはかつて映画「狂い咲きサンダーロード」などインディーズ映画ブームを巻き起こした一人。97年に廃寺同然だった應典院をアート系寺院として再建しました。2018年から「お寺の終活プロジェクト」に取り組み、「とむらいのコミュニティ」の拠点として寺院を再生しようとしています。「身じまい自習室」「掃苔記」を連載するなど終活の取材を続ける滝野隆浩記者と語り合いました。
 はじめに、企画者で、近未来研究会コーディネーターの校條諭さんが挨拶しました。校條さんは「秋田さんには、1995年1月17日に東京でシンポジウムに出ていただくお願いをしておりました。阪神大震災が起こった日です。『ちょっと遅れます』と電話をいただいたままになりました。それから23年たってお会いすることができて、非常に感慨深いものがあります」と秘話を語りました。
 続いて、秋田さんが講演しました。秋田さんは1955年大阪市生まれ。明治大学卒業後、情報誌「ぴあ」や映画製作の分野で活躍。97年に劇場型寺院・應典院を再建し、NPO活動やアート活動を支援してきました。2018年に「お寺の終活プロジェクト」を始め、無縁社会における「とむらいのコミュニティづくり」に取り組んでいます。その拠点「ともいき堂」は5月に完成しました。パドマ幼稚園園長、総合幼児教育研究会会長、相愛大学客員教授、アートミーツケア学会理事など教育職も務めています。著書に『葬式をしない寺』(新潮新書)、『今日は泣いて明日は笑いなさい』(メディアファクトリー)などがあります。
 秋田さんはまず、次のように話しました。「大阪は歴史的には宗教都市です。府内に3400のお寺があります。人口6万人の天王寺区に200近いお寺があります。石を投げると坊さんに当たるという状態です(笑い)。しかし、問題を抱えていて、お寺は衰退の一歩です。全国7万5000寺のうち20000は住職がいないという状況です。私は本寺の大蓮寺と小寺の應典院の二つの寺の住職をしています。大蓮寺はお葬式をしていますが、應典院は宗派に関係なく誰もが参加できる『参加型寺院』です。お葬式はしません。年間100以上のイベントをしています。私は創造、表現に関心があります。創造、表現を通して、まちづくちり、人づくりをしようと考えました。表現を通して対話、交流する場です。こうした動きはNPOの発展とリンクしています。お寺とNPOは歴史的に違うが、コンセプトは似ています。経済学者ドラッカーは著書『非営利組織の経営』で、『世界のNPOの原型は日本の東大寺にある』と書いています。学び、癒し、楽しみ、教育、福祉、芸術文化の場はお寺でした」
 「大蓮寺は800坪の広大なお墓があります。今までの檀家さんのみならず、新しく開拓しなければならない。2002年に、生前個人墓『自然』(じねん)を始めました。亡くなってからではなく、自分が元気なうちにお墓のことを決めましょう、お寺とのご縁を作りましょうということです。供養の練習をしてもらう。他人同士が一緒に勉強するうちに血縁を超えた結縁(けちえん)ができてきます。供養の共同体ということです。家墓から永代供養墓への移行が進んでいます。自然では生前契約・戒名・生前交流をします。お寺は昔から、よろず相談の相談先でした。窓口としてお寺に集まった医療、相続税務、介護などの相談を、信頼できる専門の団体につなぎます。NPOの信頼性はばかにできません。終活にかかわる情報の取り次ぎをしています」
 ここから、葬送の現状を話しました。「年間137万人が死亡する多死と孤立の社会になりました。無縁仏は10年で倍増し、30人に1人が無縁仏です。大阪市では9人に1人です。1人暮らしの男性高齢者にはほとんどコミュニケーションがない人が少なくない。埋葬の形態は多様化しています。最近は自治体が合葬墓をどんどんつくっています。誰が埋葬すべきなのか。墓地埋葬法では埋葬できる場所は墓地であると決まっていて、自治体と宗教法人しか墓地を持てません。だから、埋葬責任は自治体と宗教法人にあります。社会貢献としての葬式仏教を考えようという動きがあります。お寺の目に見えない資源を再評価して運用していくのか。行政や専門業者ののりしろになる場所としてお寺が有効だと思います。外部の組織や専門家との連携が重要です」
 昨年開始した終活プロジェクトの活動理念は以下です。
地域に根付いてきたお寺の資源力を活用し、新たな「終活」の理解と普及を推進する、とくに伝統的な宗教的ケアの可能性の掘り起こしと、生涯課題にまつわる実務的ケアの学習・連携、また市民・外部専門家との対話と協議を進める。僧侶を含む人材の質的向上を図りながら、将来的には「とむらいのコミュニティ」創造に貢献する。
 プロジェクトには、3つの方針があります。
1実務的解決だけではく、「宗教的ケア」の観点を持つ
2寺院の「信用」のアップデート
3とむらい・供養を中心としたコミュニティの創造
 「おてら終活祭、月例の『おてら終活カフェ』などを開催しています。寺院の質の向上を図るセミナー、人材教育もしています。医療、介護、相続、葬送などの終活事業者の組織化にも取り組んでいます。クラウド・ファンディングで304万円集まり、『ともいき堂』を建設しました。建坪10坪で、10人未満の家族葬ができます。納骨も可能です」
 「ともいき堂」の3つの活動方針は
1相談
2協働
3市民教育(死生観醸成のための市民教育)
を掲げています。
 秋田さんは超宗派の全国ネットワーク「まいてら」にも参加しています。最後に、「終活プロジェクトや、ともいき堂を時間をかけながら育てていきたい」と話しました。
 この後、滝野記者が話しました。滝野記者は1960年長崎県佐世保市生まれ。防衛大学校卒業後、任官を辞退して、翌年、毎日新聞に入社した。事件、事故から家族・高齢者問題などを取材する社会部に長く在籍。「サンデー毎日」・夕刊編集部、前橋支局長を経て現在、社会部編集委員。自衛隊に関する記事のかたわら、ここ数年は「周死期」のキーワードで、死の前と後――ホスピス、緩和医療、みとりから、死をへて葬儀、火葬、納骨にいたるまで――の出来事を幅広く取材している。現在執筆中の「掃苔記」(毎週金曜日掲載)は「墓石の苔(こけ)」」を「掃除」する、から転じて「墓参り」の意味。著書に「宮崎勤精神鑑定書」(講談社)「自衛隊のリアル」(河出書房新社)など。近著に「これからの『葬儀』の話をしよう」(毎日新聞出版)があります。
 滝野記者は「秋田さんの話は、お寺の問題点が網羅されてきて完璧です」と感想を述べた後、次のように話しました。「平成は葬送が激変した時代です。1989年、新潟と巣鴨で、合葬式共同墓ができました。91年には『葬送の自由をすすめる会』が散骨を実施しました。こんなに早く変わるとは思いませんでした。葬儀は地域が主体だった時期から会社主体に変わり、今は個人(家族)に丸投げになりました。人は死ぬときは一人なので、支える人が必要です。単身世帯の急増を受け、『お互いさま』のネットワークづくりが必要だと思います」
 続いて、秋田さんと滝野さんが討議し、参加者からの質問にも答えました。



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