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「将棋めし」著者と棋士が語る盤外のドラマ~「いただきます」ウイーク講演第3回

開催日:4月24日(水)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

「将棋めし」著者と棋士が語る盤外のドラマ~「いただきます」ウイーク講演第3回が4月24日、毎日メディアカフェで開催されました。
 対局に挑んでいる最中の心境や棋士の人柄を想像できるとして、一部ファンのひそかな楽しみだった「勝負メシ」。藤井聡太七段の登場とネット中継の広がりで、一気に関心が高まりました。そんなブームの到来を予期していたかのように、漫画家の松本渚さんは2016年から、女性棋士の食事と奮闘を描く漫画「将棋めし」を連載中です。棋士への取材で知った個性豊かなエピソードを執筆に生かしています。
 瀬川晶司六段は、棋士の養成機関「奨励会」からプロ入りする道を一度は断たれながらアマで活躍を続け、35歳だった2005年、特例の試験を突破して棋士になりました。元会社員という異色の経歴で多くのファンを持ち、自伝「泣き虫しょったんの奇跡」は映画化もされています。
今回は松本さんに取材や執筆の裏話を披露してもらったり、瀬川さんに食事中の心境を聞いたりと、クロストークを展開しました。
 松本さんは兵庫県出身。京都精華大学卒業後、漫画家として活動。作品に「盤上の詰みと罰」(棋譜監修:戸辺誠七段、双葉社)、「将棋めし」(棋譜監修:広瀬章人竜王、KADOKAWA『コミックフラッパー』で連載中。単行本①~④発売中)。
 瀬川さんは横浜市出身。奨励会ではプロにあと一歩の三段まで到達したが、26歳の年齢制限で退会。アマ代表として出たプロ棋戦で飛び抜けた実績を残し、特例の試験をクリアして35歳でプロになりました。奨励会以外から棋士になったのは戦後初です。
 最初に、松本さんが話しました。「最初は編集部から、将棋とめしというのはどうかといわれました。将棋をさすのが好きだったのですが、負けると1日へこみます。タイトル戦で出されたごはんのどっちが美味しそうだとかいうのが好きだったので、そういう楽しみ方をするのもいいのではないか、何とか描けるのではないかと思いました。書いてみたら、思った以上に描けて、自分と相性がいいなと思いました。中途半端にやれる題材ではなく、腰を据えて真剣に取り組むべき題材だと分かり、取材もしっかりするようになりました」
 「観る将」(みるしょう)という言葉が使われるようになりました。観る将棋ファンのことです。瀬川さんは「ファン層が増えたと思います。将棋は勝ちと負けしかない。その厳しさがマイナスかなと思っていたので、観て楽しむという人が増えたのはよいと思います。プロ試験を受けていたときには、いろいろな方に声をかけていただきました。『泣き虫しょったんの奇跡』はいい映画ですので、機会があったら、観てください。『将棋指す獣』というコミックの監修もしています。もちろん『将棋めし』は好きで読んでいます」と話しました。
 瀬川さんはどんな将棋めしを食べているのでしょうか。「丼もの、そば、うどんなど手軽なものが多いです。棋士は一つの部屋で食べます。対局相手もいるので、会話もなく、10分ぐらいで食べて出ていく。局面がいいとき、負けが決まっているときは食べ物に集中することもあります。食べるしかないなと。夜は親子丼、カツ丼。今は外出禁止です。朝から夜中までかかるので、小腹がすいたときにはカロリーメイトを食べたりしますね。水はボルビックです。これは誰も知らないでしょうね。安室奈美恵さんのファンで、コンサートに行ったとき、安室さんが飲んでいた水がボルビックのようだったので、僕も飲むしかないなと(笑い)」
 松本さんが取材した棋士で印象に残っている棋士は誰でしょうか。「取材を重ねると、若手棋士の多くは『考えていないです』と答えます。一番は加藤一二三先生、うな重固定ですね。決めておいて、将棋以外のことを考えないようにしようというのは、矢倉、棒銀一筋の加藤先生らしいと思います。あとは森内俊之先生のカレーですね。カレーは外れがないですし、血行を促進するという話もあります。羽生善治先生は『できる限りいろいろなものを注文したいと思います』と言ってくれて、頂点に立つ人は考え方が違うと思いました。叡王戦の挑戦者決定戦で、対局者がそれぞれ、ご飯なしのしょうが焼き、ミックスぞうすいを食べました。高見泰地叡王はその後の対局で、しょうが焼きとミックスぞうすいを食べました。二人のどっちが上がってきても食ってやるぞと、高見先生はめしで気合を表現したのだと感じました」
 棋士の食事には楽しいエピソードがたくさんあります。瀬川さんの体験です。「配達を初めて間もない中華料理店がありました。昼にお腹がすいて、がっつり食べようと思って、たくさん注文しました。普段は残すことはほとんどないのですが、食べきれませんでした。他の棋士も定食にギョーザをつけるとか、同じような失敗をしていました。年配の先生からは「瀬川君、ギョーザはどうだ」と言われて(笑い)。量を読み誤りました。先輩の先生に僕が注文したものを間違って食べられたこともありました。似たようなメニューでしたが、僕が頼んだもののほうが高かった(笑い)。もちろん、違うと言える訳はありません。先輩が間違う分は仕方がない。『すまん、すまん』と言われました」。ちなみに、その日の別の棋士との対局は勝ったそうです。松本さんは「それで負けていたら、恨み骨髄ですね」
 「将棋めし」には、うなぎの「梅」を注文したら、対局相手が「竹」と注文したので、変更して「松」を頼む場面があります。瀬川さんは「チョコを食べる棋士が多いのですが、僕も200円ぐらいのチョコを買って、食べていました。すると、対戦相手もチョコを食べ始めて、それが(高価な)ゴディバのチョコ。あっ、負けたと思って」と笑わせました。
 将棋ブームの火付け役の一人である藤井聡太七段は「きのこ嫌い」で知られています。瀬川さんは藤井さんとの対局の前、師匠の杉本昌隆八段と話す機会があり、「何か勝てる対策がないですか」と尋ねると、杉本八段は「きのこしかないかな」と答えたそうです。「それできのこ嫌いと知ったのですが」と瀬川さんは振り返りました。
 続いて、2人の「記憶に残る勝負めしベスト3」を発表しました。瀬川さんの①ほそ島やの親子丼(上)。「奨励会のころからの歴史ある店です。上でないと、味噌汁が付かない。カツ丼のときもありますが、もう若くもないので揚げ物でないほうがいいかと。以前、公式戦で8連勝したことがあって、最初の勝利の前夜、とんかつ定食を食べていました。げんをかついで、次もその次も、とんかつ定食。さすがに、とんかつを食べたくないなと思い、負けたときは、これでもう食べなくてもすむなと(笑い)」
 ②カマンベールチーズ。「加藤先生との対局で、おやつの時間に出したのがスーパーの袋に入っていたカマンベールチーズ。対局しながら食べていて、30秒ぐらいであっという間に食べてしまいました。読みを忘れて、見入っていました。加藤先生には流行があって、そのころはカマンベールチーズだったようです。忘れられないシーンですね」
 ③やまがそばの他人丼セット。「藤井さんと順位戦で対局したとき、夕食の注文で、親子丼セットを頼みました。藤井さんはメニューを見て、他人丼セットを頼みました。後日、記者さんから『藤井さんは実は親子丼を頼みたかった。瀬川先生が先に頼んだので、失礼だと思って他人丼にした』という話を聞きました。そんな中学生がいるとは」。松本さんが「気遣いがすごいですね」と言うと、瀬川さんは「棋士は勝負が全ての自分勝手な人の集団です。そんな中で気遣いができるのはすごいですね」と同意しました。
 松本さんの①丸山九忠久段のハンバーグ定食。「竜王戦第3局で、おかわりをしました。おかわりを用意していると対局再開に間に合わないので、観戦していた人の定食をいただきました。タイトル戦でおかわりというのは珍しいです」
 ②みろく庵の肉豆腐定食・豚キムチうどん。みろく庵は千駄ヶ谷の将棋会館に近い飲食店で、今年3月に惜しまれながら閉店しました。「小鉢が多くてボリュームがありますが、胃にやさしい感じです」。「じょい豆腐」という謎のメニューがある店でした。「自然薯を使っているのですが、自然薯からどうして、じょいになるかは理解できません」とのこと。
 松本さんの③陣屋(神奈川県秦野市)のカレー。タイトル戦の舞台になることの多い店で、その際にはビーフ、チキンのカレーが振舞われます。「福神漬け、らっきょう、揚げにんにく、揚げたまねぎなどトッピングが豊富です」。
 この後、質疑応答をしました。最後に、松本さんは「(将棋めしの舞台となる棋戦の)玉座戦の豪華な食事を描けたらいいな、(主人公)峠なゆたの活躍を楽しみにしてください」、瀬川さんは「棋士としては将棋で勝つのが一番です。応援いただけたらと思います。漫画を読んでいただくことも含めて、将棋をいろいろな面から楽しんでいただきたいと思います」とまとめました。



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