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プラスチックごみ問題を考える#2

開催日:3月12日(火)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

「プラスチックごみ問題を考える」連続セミナーの第2回が12日、千代田区一ツ橋1の毎日メディアカフェで開かれ、東京農工大農学部環境資源学科の高田秀重教授と東京都環境局資源循環推進部の古澤康夫専門課長が登壇しました。
 
 東京農工大の高田教授は海に流出したプラスチックが波や紫外線によって細かく砕かれ5ミリ以下となった「マイクロプラスチック」による海洋汚染と解決策をテーマに講演しました。
 世界では年間4億トンのプラスチックが生産されており、石油産出量の8~10%がプラスチックの生産に向けられています。そのうち半分はペットボトルや食品の包装に使われています。そして、ごみの収集・リサイクルなど廃棄物処理から漏れたプラスチックが河川を通して海に流入します。たとえばペットボトルの場合、日本では年間227億本が生産され、回収率は88・8%(2015年)なので、約25億本分が流出することになります。
 マイクロプラスチックの元はいろいろあり、プラスチックの破片のほか、化学繊維や化粧品に含まれるスクラブ(マイクロビーズ)、人工芝、台所のスポンジからも供給されて
います。たとえば1着のフリースの洗濯1回につき、約2000本の細かな化学繊維が放出されるといいます。
 そしてプラスチックは紫外線や波のほか、砂浜では光と熱によっても小片化、微細化が進みます。高田さんは「微細化してもプラスチックであることには変わりません」と話します。
 世界の海では5兆個のプラスチックが海を漂っており、インド周辺や東南アジアはその数が多いホットスポットとなっています。日本も世界の平均に比べ20倍~30倍高いそうです。その理由について高田さんは①日本は1人当たりのプラスチックの容器包装の廃棄量が世界第2位②日本は年間150万トンのプラごみを中国や東南アジアに輸出しているが、処理から漏れたものが黒潮に乗って日本に戻ってきているーーの2点を挙げています。
 海洋に流出したプラスチックはクジラなどの大形海洋生物や魚、海鳥などに摂食され体内に取り込まれます。たとえば混獲された渡り鳥のハシボソミズナギドリの胃の中からは0・6gのプラスチックが見つかったそうです。ハシボソミズナギドリの体重は約500gなので、50㎏の人に換算すると60gのプラスチックを食べていることになります。胃の中に消化できないものが大量に残ることで栄養不足に陥り、中にはペットボトルのふたがのどに詰まったりして死ぬ鳥も多いそうです。東京湾のイワシやムラサキガイ(ムール貝)からもマイクロプラスチックが検出されているそうです。
 高田さんは「マイクロプラスチックは水中の汚染物質を吸着しやすく、プラ製品にも添加剤が含まれており、生物が取り込んだ有害物質の一部は体内に蓄積する」と話します。有害物質の中には内分泌に影響を与える疑いのあるものも含まれるといいます。そして
「食物連鎖によって生態系全体が汚染される可能性がある」と警鐘を鳴らします。
 何も手を打たなければ、海に流入するプラスチックの量は20年後には10倍に増加します。欧州議会は昨年、使い捨てのプラスチックの流通を禁ずる法案を可決しました。またG7サミットでも海洋プラスチック憲章が採択され(米国、日本は未署名)、2030年までにすべてのプラスチックを再利用や回収可能なものにすることなどを目指すとしています。
 高田教授は海洋プラスチック汚染対策として、①ペットボトルを含む使い捨てプラスチックの使用を減らす②バイオマス由来のプラスチックや生分解性プラスチックの利用促進③海岸清掃や市民意識の啓発ーーを挙げました。



 東京都環境局の古澤課長は、プラスチックごみが海洋生物や生態系への影響のほか、「プラスチックの生産・消費・廃棄に伴う二酸化炭素(CO2)の排出が気候変動対策上も問題だ」と指摘しました。
 地球温暖化についての科学的な研究を進めている政府間組織「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の特別報告書によると、パリ協定で目標とした「世界の平均気温の上昇を産業革命以前と比較してプラス1・5度にとどめるには、▽2030年のCO2排出量を2010年比で45%程度削減▽2050年前後に排出減と植林などによって実質ゼロとするーー必要があり、急速で広範囲に及ぶ改革が必要」といいます。
 このため石油由来のプラスチックに代えて、CO2を吸収し酸素(O2)を排出するバ植物由来のバイオマスを使ったプラスチックの開発が進んでいますが、これも原料となる樹木が育つ速度より早く伐採してしまうと、熱帯林の減少や生物多様性の喪失などの原因となるため、「持続可能性に十分配慮することが必要」とのことです。
 次に古澤さんは、日本の廃プラスチックの輸出について述べました。廃棄物処理法は廃棄物の輸出を禁じているのに、なぜ廃プラが輸出できるのかというと、「廃棄物としてではなく、リサイクル用に売れる品物として輸出している」そうです。ところが昨年末、それまで大半の廃プラを受け入れていた中国が輸入規制を始めたため、今年に入ってからは東南アジアへの輸出が増加しています。しかしタイ、ベトナム、マレーシア、台湾も次々と輸入規制措置を取り始めています。途上国での廃プラ処理に関わる若年層や貧困層の劣悪な環境での労働、途上国の環境汚染も批判されています。
 今後の対策として、東京都の廃棄物審議会は今年1月に中間まとめを公表しました。
そこでは①使い捨てプラスチックの削減②再生プラスチックとバイオマスプラスチックの持続可能な利用促進③循環的利用の推進・高度化(容器包装リサイクル法などによるリサイクルの徹底、事業者による効率的な回収の仕組みの構築支援、事業系プラスチックのリサイクルの推進)④散乱防止・清掃活動を通じた海ごみ発生の抑制⑤国際的な連携⑥2020年の東京五輪・パラリンピックでの取り組みーーが挙げられています。古澤さんは「今後、国のプラスチック資源循環戦略も踏まえつつ、具体的な施策の構築に向けてさらに議論を深めていく必要がある」と話しました。
 さらに3月議会で審議中の都の予算案には、使い捨てプラスチック対策として総額24億円を計上したほか、「東京五輪・パラリンピックを契機とした資源循環の推進にも予算を充て、使用済み物品のリユース・リサイクルや大規模イベントにおけるごみ分別の普及などを進める」と述べました。
 国のプラスチック資源循環戦略もマイルストーン(目標)として、「2030年までに使い捨てプラスチックを累積で25%排出抑制する」「2030年までにプラスチックの再生利用を倍増」などを掲げていますが、古澤さんは「結局どこに向かうのか、どういう社会を目指すのかきちんと議論する必要がある」と指摘しました。
 最後に都が食品ロス削減や省資源・省エネルギーを目指して「もったいない」精神を広めようと昨年8月に結成した「チームもつたいない」に触れ、企業やNGO、個人と幅広い都民に参加してもらい、「都民のライフスタイルや消費行動の変化を促したい」と語りました。




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毎日新聞東京本社1階にある「MOTTAINAI STATION」を毎日メディアカフェとして午前11時から午後6時(イベント開催日は午後8時30分)まで開放しています。新聞や雑誌を読んだり、タブレット端末で毎日新聞ニュースサイトなどを検索したりできます。イベントは全て無料で参加できます(予約制、申し込み順)。

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