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どうなる?どうする?これからの教育~小中学校でのIT活用を念頭に

開催日:2月7日(木)18:30~20:10 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

「どうなる?どうする?これからの教育~小中学校でのIT活用を念頭に」が2月7日、毎日メディアカフェで開催されました。
 テクノロジーの普及により日本の教育は変革を迫られています。海外では教育にAIやブロックチェーンが使われるようになり、先進国ではすでに小学校でプログラミング教育が実施されています。体験型の授業にITを取り入れたり、教科を超えたプロジェクト型の学習を行ったりする事例も増えてきて、教育内容をどんどん更新しています。ところが、日本では教師はそういった授業を受けてこなかったため、対応が追いついていないのが現状です。2020年から小学校でプログラミング教育が必修になります。今、どういった教育にシフトしていけばよいのでしょうか。近未来研究会の企画で、武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部准教授の上松恵理子さん、デンマーク在住で北欧研究所代表の安岡美佳さん、D4DR代表取締役の藤元健太郎さんが討議しました。
 最初に上松さんが報告しました。上松さんは博士(教育学)。東京大学先端科学技術研究センター・国際大学GLOCOM客員研究員、早稲田大学情報教育研究所講師・研究員、東洋大学非常勤講師。超党派による「教育における情報通信(ICT)の利活用促進をめざす議員連盟」有識者アドバイザー。総務省の委員を経て現在、日本や世界各国のICT教育についての研究をしています。
 上松さんは各国のIT教育の現状を次のように紹介しました。
 「ニュージーランド(以下NZ)では、公立小学校の正規の授業にファイナンシャルが入っています。仮想通貨を使った授業です。将来困らないようにということです。マンションを購入するという仮定でローンを組みます。自分の物件がどういう価値があるか、ローンの組み方、災害にあった時の保険の機能などを勉強します。1人1台のiPadを使います。ユーチューブを使ったり、プログラミングで作曲したりします。NZは国家財政が厳しい状況になりました。今は校長が2人いて、1人はファンディングに専念しています。プログラミングはフローチャートの概念を学びます。パソコンにかじりついているのではない授業をしています。先生方が工夫しながらやっています。日本だと小学校の先生は何でも教えますが、NZではコースが分かれています。自分の意思で授業を選ぶのは大事だと思います。オーストラリアも幼稚園の年長組から1人1台のパソコンを持っています。小学校2年生からEメールを使います。提出物が日本のように紙ではなく、動画や写真で提出します。数学などはオンラインテストで、パソコン上でしています。隣のクラスで何をしているかを参照しながら授業しています。自分のパソコンを持ってくるBYODも導入しています。食育の授業で自分がプレゼンするという授業もあります。エストニアは電子政府が有名です。訪れた小学校では、1年生の90%以上がスマートフォンを持っていました。マイナンバーでログインします。イギリスは1995年から幼稚園の年長で情報が教科になっていましたが、2014年に廃止し、コンピューティングが新教科になりました。コンピューターサイエンス、IT、デジタルリテラシーを学びます。非常に高度で、小学3年生でGPSのシステムを学びます。開発理由、社会的な影響なども教えられます。シンガポールは国家予算の割合のトップが教育です。教室にVRルームがあります。フィンランドは2016年から小学校でプログラミングが必修になりました。授業では、どういうゲームを作るかという議論から入り、キャラクターをどう動かすかなどを楽しそうに話していました。スウェーデンは移民が多いので、アントレプレナー(起業)教育をしています。ITの教師教育もしています。デンマークは2014年にBYODを採用しています。訪れた中学校3年生のクラスでSNSを使っていないのは2人だけでした」
 続いて、安岡さんです。安岡さんはコぺンハーゲンIT 大学アシスタントプロフェッサー、デンマーク工科大学リサーチアソシエイツを経て北欧研究所代表。国際大学GLOCOM 客員研究員、JETRO コンサルタント。 近年は、参加型デザイン手法に基づくオープンイノベーションの枠組みリビングラボで日本に貢献することを念頭に、デザイン手法のワークショップ やデザイン関連のコンサルティング、北欧に関する調査・コンサルティング業務に従事しています。
 安岡さんは次のように話しました。
 「私はコンピューターサイエンスを専攻しました。デンマークは本土(グリーンランドを除く)が九州とほぼ同じ面積で、人口は574万人、兵庫県とほぼ同じです。世界電子政府指標1位(2018年)のほか、世界一幸せな国第1位、イノベーションリー第2位などになったこともあります。1人当たりGDPは日本よりも上です。デンマークの教育の目的には、優秀な労働力の確保という視点があります。女性の就業率が高く、女性が働く環境が整えられています。1970年代から取り組まれ、現在はマジョリティーのメンタリティーが変わってきました。トルコからの移民が多く、高度技能技術者を優遇し、ほしい人材を呼び込む政策です。教育は専門教育が充実しており、多くの職業に資格制度が採用されています。極めて高い外国語能力を持っていて、英語をネイティブのように駆使しています。大学のテキストは英語です。社会教育では、平等、オープンディスカッション、コミットメント(主体的な参加)、学校教育では内的モチベーション、コラボレーション、ダイアローグが重視されています。私には小学校と幼稚園の子どもがいますが、じっと座ることができない。日本に来ると、うちの子どもだけ動いています。デンマークはじっとしているのは良くないと教育するからです。基礎の考え方が違うと感じます。デンマークでは、電子政府が進みました。1968年に個人番号制度が導入され、ヘルスケアのデータベースが1977年に整備されました。2014年からは公的組織から市民への連絡が電子化されています。社会的なインフラが整備されています。10~11歳の生徒に、コンピューターが支給されましたが、資金は慈善団体や民間が出しました。コミュニケーションプラットフォームがあり、教師と子ども・保護者がオンラインで結ばれています。こうしたデンマークの取り組みはEUでも高い評価を受けています」
 この後、藤元さんが進行役を務め、討議しました。藤元さんは1967年東京都生まれ。1991年電気通信大学電気通信学部卒。野村総合研究所在職中の1994年からインターネットビジネスのコンサルティングをスタート。多くの大企業のイノベーション、スタートアップ支援をしています。教育分野では、青山学院大学大学院EMBA非常勤講師を8年勤め,現在関東学院大学非常勤講師。VRアカデミー理事。
 藤元さんは日本でもBYODを導入した例と、千葉県柏市にある小学生以上を対象としたクリエイティブ・コミュニティー「VIVITA」について紹介し、「子どもたちの創造性を育てるコミュニティーです。ICTを学ぶのではなく、自分の表現したいことをどう表現するかを考えます。ICT活用を進めると、究極的には『学校は必要なのですか』という議論になります」と問題提起しました。
 議論の中で、上松さんは「ケンブリッジ大学では、学生が授業を受けるために何時間も準備します。知識は家でつけてきて、授業は自分を高める場です。世界は20年前からIT教育を進めてきて、日本は遅れていると言えます。これまでの教育を続けて大丈夫なのかと考えることが大事です」と指摘しました。
 安岡さんは「デンマークの大学で教えていますが、学生は自我がすごく出てきます。イノベイティブなことができる。一方、日本の学生を見ていて、日本の学校の良さも感じます。デンマークの学生は計算の概念を理解しますが、暗算はあまりできない。ショッピングするときには暗算する力が必要かと思います」と述べました。
 教師の役割について、安岡さんは「ファシリテーターに専念する。子どもたちに質問を投げかける。外部とコラボするのも必要で、大学からプログラミングの専門家を連れてきて1週間講義してもらうとかができると思います」、上松さんは「先生が教えるという考え方を変える時期かもしれません。先生は忙しいので、働き方改革とセットでやらないといけない」と話しました。
藤元さんは「高校生が中学生に教える、中学生が小学生に教えるというのは効果があると思います。ソーシャルメディア教育もそうしたらいい」と提案しました。
 ここで、質疑応答、意見交換に移りました。「農耕民族と狩猟民族の違いがあります。狩猟民族は個人の力で協調性をあまり重視しない。タイやインドネシアは日本の教育を学んでいます」との意見に対し、上松さんは「学校で掃除をするのは日本だけです。シンガポールの国立大学では、日本のスタイルに学んでいる。日本の教育制度が悪いというわけではありません。学校に教科書を忘れてきたら宿題ができない状態はおかしい。日本の良さを生かしながら、ITを入れていくと最強になると思います」、安岡さんは「自分のやりたい勉強をサポートするのが学校だと思います。教育についてのグランドデザインがあるかどうか、どういう人を育てたいのかを考えることが必要です」と述べました。
 「創造性はアナログな発想から生じることがあります。アナログなものとのバランスをどう取るべきですか」と問いに、安岡さんは「デンマークのIT授業があるのではなく、ITはツールとして使います。1日外で遊ぶ森の幼稚園がマジョリティーです。音楽教育、アートの教育はアナログ的で、バランス良く教育が行われていると思います」と答えました。
 最後に、2020年からの小学校でのプログラミング教育実施について、上松さんは「プログラミングを公教育でする、全ての子どもが教育を受けることが重要です。そこで好きになったら塾でどんどんやればいい。コンピューターは必須のものだし、将来の役に立つということを教えることが大事だと思います。使って理解することにより、国民のITリテラシーが高まり、社会課題の解決にもつながると思います」、安岡さんは「望ましい方向だと思います。コンピューターがどういう機能で動いているか、ボタンを押すと、どんなことが起こるかを知ることは必要です」と述べました。藤元さんは「僕は楽観的で、子どもたちは自分が夢中になることを見つけると思います。学校以外で見つけるので、義務教育の学校は今後たいへんだなと思います」と話しました。



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