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120年前の農村開拓から国際リゾート地への歩み~北海道赤井川村の夕べ

開催日:1月25日(金)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

「120年前の農村開拓から国際リゾート地への歩み~北海道赤井川村の夕べ」が1月25日、毎日メディアカフェで開催されました。
 札幌市や小樽市と隣り合う北海道赤井川村は四方を山に囲まれたカルデラ盆地という珍しい地形で、「日本で最も美しい村」連合に加盟している村です。1899年に大江村(現在の仁木町)から分村した赤井川村は、今年6月10日に開村120年を迎えます。明治の開拓期から昭和、平成の合併を乗り越え、今では国内でも有数の国際リゾート地へと変遷した赤井川村の村づくりや、環境保全型農業の取り組みについて、26代目村長の赤松宏さんと、村の総務課主幹の髙松重和さんが話しました。
 はじめに、赤松村長が話しました。赤松さんは1946年赤井川村生まれの72歳。北海道立余市高校卒業後、家業である農業に従事。76年赤井川村職員になり、産業課長、振興課長などを経て、92年から教育長、2000年から収入役を務め、04年に退職しました。07年赤井川村長に就任、15年から3期目に入っています。
 「農業をしながら、農業青年の集まりである北海道4Hクラブの会長として北海道の未来を考える活動などをしていました。1976年、家業で食えなくなって、役場に勤めました。村長選に出ろと言われ、戦うのが好きではないのですが、出て当選しました。3期目の任期満了となる4月に引退します」
 「赤井川村の人口は1262人。北海道で人口が3番目に少ない村です(2018年1月)。現在は1282人で、5番目ぐらいかと思います。一方、2017年度中の人口増加率は全国第4位でした。ほとんどの町村が減っている中で、増えているのはありがたいと思います。キロロリゾートと、道の駅あかいがわに、国内外から年間約100万人の観光客が訪れます。道の駅は年間来訪者23万人の計画で建てました。そんなに入らないと、大反対を受けましたが、何かしないと活性化しない。これだけは体を張ってやりますと言って、建てました。最初の年は69万人が訪れました。年間約70万人が入っています。売り上げは1億5000万円。25戸の農家が市場に出せないものなどを出しています。約20人の雇用が生まれました」
 「赤井川の開祖は山口県人(現在の萩市出身)の粟屋貞一です。山県有朋など要人が会いに来たというから、すごい方だったようです。この方がいたから、今の赤井川村がある。教育長のときに萩市に行き、粟屋さんの足跡を訪ねました。明治時代の赤井川村は農業と明治鉱山で隆盛を迎えました。金銀、水銀が出る鉱山でした。昭和18年に閉鎖されるまで、約500人の鉱夫がいて、映画館もあったそうです」
 「赤井川は周囲を山に囲まれたカルデラ盆地です。大正時代に学校の先生がカルデラ盆地だと発表しました。雲海が出る幻想的な風景です。昭和の大合併で、合併の協議はあったが、話がまとまらなかった。昭和40年代に過疎化が進行しました。集団就職で農村の人口が減りました。米だけではだめだということで、イチゴ、メロン、スイカによる農業の発展を図りました。一時は北海道一の生産量になったこともありますが、大きな産地に負けました。当時、人口が少ない村としては、占冠村、大滝村、赤井川村の3村がありました。占冠にはトマムができ、大滝村には高齢者向けの病院ができました。赤井川にも何か必要だということで、リゾート誘致を図り、いくつかの企業と協議しました。最後にヤマハが残りました。ヤマハはスキー板を作っている会社でスキー場を持たない唯一の会社でした。1991年、キロロリゾート・スノーワールドが開業しました。最初の年は90万人が入りました。バブル崩壊後、30万人台になり、ヤマハが撤退しました。現在は台湾の不動産会社が所有しています。10年計画で7棟350戸のコンドミニアムを建設する計画で、これが人口増につながっています。村の外国人登録は181人(14%)。台湾29人、ベトナム17人など、31カ国の外国人が住む国際色豊かな村になっています。キロロはコースの中にバックカントリーができるように許可を受けました。一つのスキー場としては日本一です。伸びしろのあるスキー場ということで宣伝していこうと思います。高級リゾートとして知られているのがありがたいです。日本で最も美しい村連合を赤井川など7町村で始めたのが2005年。みな合併しないでがんばった町村です。美しい村連合は国からお金をもらわないでやっています」
 次に、髙松さんが「環境保全型農業のあゆみ」と題して話しました。髙松さんは1993年赤井川村奉職。保健福祉、農政、総務、地域振興の各部署を経て現職。趣味は子育て、山歩き、乱読、村の歴史調べです。
 髙松さんは「中学生36人中8人がスキーの全国大会に行ったことがあります。村の子どもたちはすごいです」と話した後、村の歴史を概説しました。
 「明治28年の小樽新聞では、赤井川は『地味極めて豊沃にして他に比類無き好望の地』とされ、開墾地払い下げが殺到しました。小作人は、木を伐採し、木炭を売ることから開拓生活が始まりました。昭和初期は開墾以来、数十年の無肥料耕作したため、地力の低下による生産力の疲弊がありました。国立図書館デジタルコレクションの文献によると、相当たいへんだったことが分かります。『聞いて極楽見て地獄と言っても過言ではなかったのであります』という言葉が文献に出ています。地力がなく、荒地続出の状況となって第二次世界大戦終戦を迎えました。過去の歴史からも、地力は重点課題であることが分かります」
 「1976年、小樽市から養豚企業が進出しました。家畜ふん尿を地力増強の資源にする取り組みがされました。産業廃棄物の樹皮+ふん尿=バーク堆肥の製造です。これが有機農業につながるきっかけになりました。赤井川は今で1mぐらいの雪が積もっています。雪を活かした北国の暮らしの知恵として、秋に収穫した野菜を『雪の中』に埋めて保存する『雪室』(ゆきむろ)があります。雪の中の温度は0℃程度で変動がなく、野菜は凍りません。菜は冷たさから命を守るために、デンプン質が糖分に変わり、旨味が増します。赤井川村では、北海道内で先駆的に雪冷熱による農産物貯蔵施設を整備しました。1996年完成の有限会社どさんこ農産センター氷室貯蔵施設です。冬季に降り積もった雪を冷熱源として夏季まで保存し、その冷気や融けてできた冷たい水を、農産物などの冷蔵に使用します。低温、高温貯蔵により、鮮度保持期間の長期化が可能で、電力使用量は電力型貯蔵施設の5分の1ですみます」
 続いて、髙松さんは環境保全型農業について話しました。環境保全型農業とは「農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和などに留意しつつ、土づくり等を通じて化学肥料、農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業」です。「村には販売農家数98戸があり、野菜類の栽培面積は300ha=東京ドーム64個分です。農家戸数33戸が環境保全型農業を実践していて、栽培面積は55haです。農薬や化学肥料を使わない有機JAS認定を受けているのは、37haで、栽培面積の12%を占めています。日本全体では、有機JAS認定の割合は0.2%です。特別栽培農産物というのは、その農産物が生産された地域の慣行レベルに比べて、農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培された農産物です。特別栽培農産物の栽培面積は18ha、農家戸数は16戸です」
さらに、「ふるさと納税」について、説明しました。
 「2016年から、ふるさと納税の制度を活用し、全国47都道府県の方から延べ1万7000件を超える応援をいただきました。赤井川村の魅力発信に取り組み、村のそとに“あかいがわ村”に恋してくれる人が増えてくれればと思っています。応援のメッセージをたくさんいただいています。赤井川村に対する寄附へのお礼の品として、地域で育まれた農産物や特産品をお送りさせていただいています。循環型農業で育まれたバターや、むら野菜の詰め合わせセットです。アスパラガスは化学肥料や農薬を一切使用しない有機JAS認証です。北海道在来種の有機にんにくも、有機JAS認証です。ふるさと納税の寄付を使って、村の中学生は全員、オーストラリアにホームステイしています。目の色が変わって帰ってきます。一回りも二回りも成長してきます」
 この後、地域おこし協力隊で東京から赤井川村に移住した鈴木絵利香さんが登壇して、「赤井川村クイズ」をしました。
①赤井川村の面積は小樽市よりも広い
②赤井川村には赤い川、白い川、青い川がある
③赤井川村の村木は、しらかばである
④かつて赤井川村には小学校が5校あった
⑤ふるさと納税の寄付金は生きた英語を学ぶため、中学校2年生全員のオーストラリアへの国際交流に充てている
⑥赤井川村は今年開村100年を迎える
⑦赤井川村には信号機が5機ある
⑧10年間の時限制度で、新築住宅や民間のアパート整備に1戸あたり100万円を助成している
⑨赤井川村から隣の余市町に向かうバスは1日4便である
⑩道の駅あかいがわは開村115年の平成27(2015)年に、道内115番目の道の駅として開業した
(○は①②③⑤⑨⑩)
 正解が多数だった人に、赤井川村の菓子(マドレーヌ)、豚丼パック、じゃがいもなどがプレゼントされました。
 最後に、赤松さんは「北海道新幹線から桜が見えるように、桜もみじ基金を設け、植樹しています。一瞬だけでも、新幹線から見えるように公園にする計画です。赤井川村を皆さんのふるさとにしたい。私の執念は、美しい村をつくりたいということです。私は退きますが、全員のやる村づくりをしてほしい、みんなが光る村にしてほしいと思います」と話しました。
 終了後、地下1階の飲食店で交流会が開かれ、赤井川村の食材を使った料理が振る舞われました。ご飯(ゆめぴりか)、山中牧場の黒豚肉を使った肉じゃが、冷しゃぶ、フライドポテト、「赤井川美米豚」の豚肉たまねぎ炒め、行者にんにく卵とじ、にんにく醬油漬けスライス(赤松村長手製)、越冬キャベツの浅漬けなどの料理に、参加者はたいへん満足していました。



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