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CSRセミナー毎日Do!コラボ「2020年からの学校支援を考える」

開催日:1月21日(月)16:30~18:00 イベントのカテゴリー:CSRセミナー

CSRセミナー毎日Do!コラボ「2020年からの学校支援を考える」が1月21日、毎日メディアカフェで開催されました。
 文部科学省はこれからの時代に求められる教育の実現のため、学校が社会と連携する「社会に開かれた学校」というテーマを掲げました。これを盛り込んだ新しい学習指導要領は小学校では2020年から、中学校は2021年から全面実施されます。企業の出前授業や職場体験、もの作り体験などの活動が、正式なカリキュラムとして認められる可能性が高くなっています。そこで、教育現場を熟知している福分堂代表取締役の村岡明さんに、新学習指導要領改訂による学校支援のあり方を話してもらいました。
 村岡さんは光村図書出版で国語科、生活科の教科書などの編集を担当した後、ジャストシステムで幼児教育ソフト開発などに携わりました。現在は福分堂を創業し、教職ネットマガジン(https://kyo-shoku.net/)の発行、小学館の総合教育技術誌での記事執筆などをしています。
 村岡さんは①新学習指導要領と学校支援との関係②出前授業についての学校の意識と課題③学校と企業の「互いに幸せな支援」のあり方を考える――の3テーマについて語りました。
 まず、「新学習指導要領と学校支援との関係」です。学習指導要領とは何か。村岡さんは文部科学省の定義を紹介しました。
 全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。これを「学習指導要領」といいます。「学習指導要領」では、小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容を定めています。また、これとは別に、学校教育法施行規則で、例えば小・中学校の教科等の年間の標準授業時数等が定められています。各学校では、この「学習指導要領」や年間の標準授業時数等を踏まえ、地域や学校の実態に応じて、教育課程(カリキュラム)を編成しています。
 以上が文科省の説明です。
 村岡さんは次のように話しました。「学校では指導要領に基づいた教育をしなければならないのですが、どの程度の中身かがあいまいです。寺脇研氏が初等教育局の課長をしていたときに、指導要領は『最低基準』だと述べ、それが今も文科省の見解になっています。新学習指導要領は中身が詳しくなっています。中身の記述に加え、教え方も記述しています。教え方を要領に入れることについて、日本教職員組合は『教育権の侵害だ』と批判してきましたが、それが入っています。新学習指導要領の狙いは何か。世界の教育はデジタル化しているのに、日本ではタブレットを使っている学校が少ない。学習指導要領に基づいて授業しなければならないので、要領にICT教育と書くと、それをせざるをえない。ICTの整備が一番の眼目かと思います。ほぼ10年に1回、近年は9年に1回の間隔で改訂されています。国語は何を言っているかよく分かりませんが、数学はしっかり何を教えるかが書かれています。社会は歴史で教えるべき人物の名前まで載っています。教科書にはそれらの人物名が入っていないといけなくなります。学校行事、修学旅行は課外授業です。宿泊を伴う旅行をしていない学校はありません。2014年11月に改訂に着手し、中央教育審議会で議論され、2016年12月に中教審答申が出ました。2018年3月、新学習指導要領決定。4月に幼稚園では即時実施されました。旧指導要領で学んだ子どもが、新指導要領になると学んでいないことが起こるので、小中高は移行期間が必要です。例えば、漢字は現行では小学校で1006字ですが、2020年からは1026字に増えます。小学校での本格実施は2020年、中学校は2021年、高校は2022年から本格実施されます」
 「新学習指導要領は、資質・能力(キーコンピテンシー)という学力観です。これまでは記憶が中心でした。『社会に開かれた教育課程』が打ち出されました。今までは社会に対し閉ざされていたのです。体験学習の重視、カリキュラム・マネジメントという考え方の導入が図られました。企業などの出前授業を公式に国として認める、単位として認めるのです。話題になっていた『アクティブラーニング』という言葉は入らなかったのですが、その代わりに『主体的・対話的で深い学び』という学習法が提示されました。情報活用能力の育成、外国語学習の充実、子どもたちの特性に基づいた発達の支援なども盛り込まれました。企業の社会貢献との関係ですが、指導要領は『生活科の創設→総合的な学習の時間の創設→社会に開かれた教育課程』へと、変わってきました。子どもたちの資質・能力の育成は、企業との連携なしには達成が困難であると考えます」
 次は「出前授業についての学校の意識と課題」です。村岡さんは知人の校長にメールでアンケートを送り、20人から回答を得ました。それによると、「出前授業を利用したことがありますか」の問いに、15人が「ある」と回答しました。「回答してくれたのはリテラシーの高い校長というバイアスがかかっているにしても、出前授業を望む声はかなり多いと思われます。新学習指導要領を見て、校長は出前授業をやらざるをえないと感じています」と村岡さんは指摘しました。
 「出前授業について、どこで情報を得ているか」と質問には、10人が「知人の紹介などの人間関係」と答えました。サイト検索はわずか2人でした。一方、出前授業を利用したことがない理由は「特に必要性を感じないから」「情報がないから」「以前依頼してメリットがなかったから」などでした。「出前授業の意義」では、「授業内容のほか、魅力ある大人に出会わせるキャリア教育としての意義がある」「教員にとっても、貴重な情報と指導のノウハウを得る機会になる」などがあげられました。また、「授業の成否は担当者の資質に依存する場合が多い」「学校の事情に寄り添って授業を設定してくれると、子ども、教員の満足度が高い」との意見もありました。「理想の出前授業」にてついは、「教育課程に位置づけ計画的に実施するため、事前の打ち合わせが必要」「授業の振り返りも実施したい」「継続的なかかわりが重要」などの回答がありました。
 村岡さんは「問題の所在」として、以下の点を指摘しました。
・学校への情報提供が弱い
・教育課程にフィットしない
・単発に終わることが多い
・学校事情への無理解
・担当者の資質
「幸せな学校支援とは、どんなものでしょうか。企業が学校に寄り添うことが必要です。学校には常に大量の文書が送られているため、文書による情報提供は限定的であるべきです。FAX送信は今はまだ有効ですが、苦情のもとになります。学校にはとにかく時間がない、臨機応変な授業がしにくい、教育課程がきつきつで計画外のことが非常にやりにくい、継続的なかかわりを望んでいる、ファシリテーション型の授業が増えてきている――といった学校での事情を理解してほしい。顧客理解はマーケティングの基本です。担当者の資質も重要です。学校に寄り添う姿勢はあるか、社会貢献の意義を理解しているかが問われます。中には、上から目線の講師もいます。学校では、仕事の専門家である講師が喜ばれます。現役プログラマーによるプログラミング授業、研究者による理科実験、現役選手によるタグラグビーの授業などは好評です」
 村岡さんは望ましい授業例として、味の素の事例を紹介しました。「授業内容と申し込み方法が分かりやすいWebサイトがあり、講師によって授業内容が変わらないよう、しっかりした教育体制を構築しています。リッチで分かりやすい教材を東京都の教師と連携して開発しました。実験型授業で子どもたちも集中しています。その授業の後、家庭科授業への取り組みが変わったという学校の評価を得ています」
 もう一つ、製薬会社MSDの事例です。「ユネスコと連携して授業先を決定し、授業内容はカリキュラム開発会社に委託しました。ワセリンに食紅を溶かし、本物の容器に入れ、子どもたちが持ち帰ります。薬の開発に携わる社員が講師、地域の営業社員が授業の補助員を務めます。授業の本物感がすばらしい」
 村岡さんは「成功のポイント」として、以下を提示しました。
・学校のことをよく知る
・情報発信の体制を整える
・教育課程に組み込めるコンテンツを考える
・コンテンツの授業化(どう教えるか、教材をどうするか)
・国語の授業が多いので、国語の時間がお勧め
・講師の教育体制を作る
 講演の最後に、「Companyを『社会』の逆の『会社』と訳した明治の人は、企業のあり方をよく考えていると思います。学校支援は会社の役目です。有効な支援を一緒に考えましょう」と結びました。
 続いて、毎日メディアカフェ事務局の市瀬慎太郎イーソリューション代表取締役の司会で、質疑応答、議論がありました。「企業として無償で出る場合、宣伝的なことはできるのか。線引きはどこにあるのか」の質問に、村岡さんは「会社名を背負って来るということですでに宣伝です。うまみ調味料の授業は、味の素の宣伝になりますが、子どもたちがよく学んでいる姿に先生が感動して、宣伝かどうかは問題になりません。教育課程にはまる授業であれば、問題ないです」と答えました。
 クラシエホールディングスの大上夏子さんは同社の知育菓子「ねるねるねるね」を使った出前授業について紹介しました。「小学校1~3年を対象に、総合の時間などで出前授業をしています。理科に興味を持つことが生活する力になると考えています。商品は金儲けのために作っているのではなく、子どもたちがお菓子を作る楽しさや、ものの性質、面白さなどに気づいてもらうために作っています。学校の先生と一緒に授業を開発しました。学校に宣伝だと思われることはなく、継続で呼んでいただいている学校、教育委員会が多い」
 参加した教育関係者からは「1月中に次年度の年間計画を立て、2月末には教育委員会に提出します。1月中に出前授業のことを決めてしまうことが望ましい。総合の時間が使いやすいと思います。工場見学をさせてくれる企業が減っているので、それを結びつけるといいでしょう」とのアドバイスがありました。
 「中学校ではどの時間が使えますか」の問いに、村岡さんは「中学校でも国語の時間は狙い目です。小学校ほどではありませんが、作文の時間があります。中学生に作文を書かせるにはそれなりのレベルが必要なので、授業内容のハードルは高くなります。技術科、家庭科にすっぽりはまる授業を提供すれば、歓迎されるでしょう」と答えました。



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毎日新聞東京本社1階にある「MOTTAINAI STATION」を毎日メディアカフェとして午前11時から午後6時(イベント開催日は午後8時30分)まで開放しています。新聞や雑誌を読んだり、タブレット端末で毎日新聞ニュースサイトなどを検索したりできます。イベントは全て無料で参加できます(予約制、申し込み順)。

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