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データでニュースを読みとく「データジャーナリズム」って何?

開催日:12月5日(水)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

トークイベント「データでニュースを読みとく『データジャーナリズム』って何?」が12月5日、毎日メディアカフェで開催されました。
 『データサイエンス「超」入門 噓をウソと見抜けなければ、データを扱うのは難しい』(毎日新聞出版)の刊行を記念したイベントです。著者は気鋭のデータサイエンティストとして、株式会社デコムでデータを活用したインサイトマーケティングを担当する松本健太郎さんです。元日銀マンのエコノミスト、鈴木卓実さんを特別ゲストに迎えました。
 はじめに、松本さんが話しました。「データサイエンスと聞くと、分析って難しそう、数学は苦手だから分からない、要はAIとかそんな感じ?と思うかもしれませんが、全くの誤解です。本当に必要な能力は、データを読む力です。データサイエンティストのビジネスプロセスは、目的、収集、集計、分析です。何を知りたいのか、課題を解決したいのかという目的ありきです。目的に沿ったデータを収集し、精緻なデータかどうかを確認したり、使えないデータを除去する。集計、チェックをして分析します。この一連のプロセスがデータサイエンスのビジネスです。目的に沿ったきれいなデータはなかなか揃わないというのが頭の痛い点です」
 最初に出した事例は「温暖化」です。気象庁のデータ「平均大阪日最高気温」「平均大阪日最低気温」の経年変化のグラフを示しました。「1960年代までは地球寒冷化が言われていた。その後、二酸化炭素の温室効果による温暖化の論文が相次いで出され、温暖化に警鐘が鳴らされるようになりました。平均大阪平均気温のグラフを見ると、温暖化しているように見えますが、ヒートアイランドの影響などがあるかもしれない。平均気温が適切な指標なのかどうかも疑問です。そこで、最高気温と最低気温を見てみました。回帰分析をすると、最高気温は統計的に上がっているとは言えない。最低気温は1940年ごろから上がってきています。『地球は暑くなっているのではなく、寒くなくなっている』のです。都市化の影響の少ない全国15地点の最高気温、最低気温も分析して、同じような結果になりました。データの収集の仕方を変えるだけで、見方が変わるのです」
 次は、若者の傾向についてです。今の若者は「酒を飲まない、たばこを吸わない」「車に乗らない」「海外に行かない」と言われることがよくあります。これは正しいのか。「90年代半ば以降、若い人の数は減っています。しかし、海外旅行に行った割合を見ると、最も海外旅行に行っている年代は20代です。『若者が海外に行かない』という説は怪しい。海外旅行に行った割合が低いのは40代、50代です。1990年代前半の就職氷河期に就職した世代で、平均給与が低く、正社員就業率などが悪い世代です。人口が減っていることに収れんする話はいくつもあります。総数が減っているのだから、割合を見ないといけない」
 さらに、「女性の就業率 初の7割」という女性の就業率と合計特殊出生率のデータを一つの表にしたテレビ局のテロップを示しました。「就業率と出生率との相関関係はなく、コメンテーターは『出生率を増やすために、女性が働きやすいように支援するとか、そういうのは関係ないですよね』とのことでした。それは学者の論文などで否定されている論です」。そう指摘して、出生率の縦軸のスケールを修正したグラフを示しました。「就業率と出生率には正の相関関係が見られます。出生率が上がると就業率が上がるのか、就業率が上がると出生率が上げるか、どちらが先なのか、因果関係は分かりませんが、子どもを産みやすい環境は女性が働きやすい環境だと言えます」
 「GDPは全ての経済活動を計測しているのではなく、はみ出た部分がある」とも指摘しました。
 こうした例を踏まえ、松本さんは「本の題名はデータサイエンスではなく、本当はデータジャーナリズムとしたかった。データジャーナリズムの基本は『当たり前を疑え』です。人手不足なのになぜ給料が上がらないのか。アベノミクスの効果で有効求人倍率が上昇しているとされますが、企業がカラ求人を出したとすると、求人数が増えるから有効求人倍率が増えます。メディアの人にはカラ求人のことを調べてほしい。データジャーナリズムはデータを読む力です。データの意味を調べて分析する。当たり前と思っていることが当たり前ではないことを知ってほしい」と呼びかけました。
 第2部は鈴木卓実さんとのトークです。鈴木さんは元日本銀行職員。日銀を退職後、「たくみ総合研究所」代表、エコノミスト、睡眠健康指導士として活動しています。日銀では、日銀短観、金融統計などを担当していたそうです。
 GDPについての議論で、鈴木さんは「GDPの算出に税務統計が使われていない。過小評価されている可能性があり、今の数字よりも約30兆円、金額が多いかもしれないという論文が日銀から出ています」と指摘しました。また、消費税については、「消費税の駆け込み需要とその反動があると言われ、対策が考えられていますが、実は駆け込み需要と反動はそんなになかったのではないかとの説もあります。国会で議論されている減税をやるべきなのかどうかという大きな話になります」と説明しました。
松本さんは「中国を訪れる観光客数には台湾、香港、上海人を含むことになっています。フランスは観光大国とされますが、EUの中心地なので、歩いて行ける。フランスに入国する人の半分が徒歩、自転車です。多くて当たり前です。1人当たり落とす額が少ないことが問題になっています。データの数字の裏側を読みないといけない」と話しました。
 鈴木さんは「インターネットによって、統計のリテラシーを高めることができる時代になりました。統計を見る際には、数字の定義を確認する必要があります。例えば、女性の就業率は、1時間だけ働いても、アルバイトでも、育休・産休でも就業していることになります。10年ほど前に統計法が改正されましたが、いま政府機関の統計の職員数が減っていることは問題です」と話しました。
 この後、参加者との質疑応答がありました。



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毎日新聞東京本社1階にある「MOTTAINAI STATION」を毎日メディアカフェとして午前11時から午後6時(イベント開催日は午後8時30分)まで開放しています。新聞や雑誌を読んだり、タブレット端末で毎日新聞ニュースサイトなどを検索したりできます。イベントは全て無料で参加できます(予約制、申し込み順)。

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