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後悔しない住まいづくりのために高気密・高断熱住宅の基礎知識

開催日:11月7日(水)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

住宅の省エネルギーを考えるセミナー「後悔しない住まいづくりのために 高気密・高断熱住宅の基礎知識」が11月7日、毎日メディアカフェで開催されました。
 講師は一般社団法人日本エネルギーパス協会広報室長で、住まいるハウジング株式会社代表取締役の高橋彰さんです。高橋さんは神奈川県生まれ。株式会社リクルート、株式会社三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)、日本ERI株式会社省エネ企画推進部などを経て、高気密・高断熱の住まいづくりをサポートする、住まいるハウジング株式会社を起業しました。一般社団法人ZEH推進協議会運営委員、一般社団法人クラブヴォーバン企画室長も務めており、住宅の省エネルギーに最も詳しい人の一人です。
 高橋さんは建築物省エネ法の制度設計、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス=1年間で消費する住宅のエネルギー量がネットでゼロ以下になる住宅)などにかかわってきた経験を述べ、「日本の住宅の省エネルギー性能は先進国の中でだんとつに低い。あまり知られていないことです。少しは上がっていますが、性能を上げるとコストが高くなるので、消費者は買わない、ハウスメーカーもつくらないので、事業として成り立たない。日本の住宅を何とかしていきたいと思います。住まいづくりは一生に何回もないのですから、後悔しないようにしないための知識を、消費者に知ってほしい」と挨拶しました。
 高橋さんは講演で、「暖かい性能を確保するには、断熱、気密がセットです。断熱性能は上がってきていますが、気密性能は上がっていない。家を建てる人は間取り、耐震性能を重視しています。室内温熱環境、省エネ性能はあまり重視していない。ところが、実際に住んでみると、室内温熱環境、省エネ性能の満足度が低いという結果になっています」と指摘し、水道の蛇口から穴の空いたバケツに水を注いでいるイラストを見せました。
 「水位を上げるために何をしますか。もっと水を注ぐ、バケツの穴を塞ぐ、のどちらを選びますか?(参加者は皆バケツの穴を塞ぐに手を上げると)バケツの穴を塞ぐのが正解だと誰でも分かるのに、家を建てるときは設備で省エネをする。これは、もっと水を注ぐのと同じです。バケツの穴をふさぐことを考えなければなりません。住宅の省エネルギー化の順番を考えることが必要です」
 次に、日本と主要先進国の住宅性能の比較を論じました。「日本は省エネ先進国と思われるがそうではない。日本は温室効果ガスを2030年に対2013年比で26%削減することを目標に掲げています。削減の比率が高いのはビルなどの業務その他部門と家庭部門です。住宅部門の省エネが遅れているから、削減の余地が大きいのです。日本は省エネ基準が先進国で最低水準です。省エネ基準を満たしていなくても新築できる。欧米の多くの国は省エネ基準への適合義務がありますが、日本では省エネ基準は努力目標なのです」
 「窓の断熱性能は熱の通しにくさであるU値で表示されます。窓の断熱基準はドイツがU値1.3以下、米国北部地区は1.7以下、これに対し東京は4.65以下、最高等級の地域でも最高等級でも2.33以下です。サッシ性能はドイツと日本を比べると大きく違う。日本のアルミサッシは結露が起こることが当然です。雪が降る先進国でアルミサッシを使うのは日本だけです。建築物エネルギー消費性能基準は18年前の水準のまま。2020年の省エネ基準適合義務化が閣議決定されましたが、ドイツに比べて30年遅れていると言えます」
 次に、「断熱性能と健康とのかかわり」について説明しました。「日本の省エネ基準は、暖房を切って、部屋の温度が翌朝9℃以下にならないということですが、寝室が氷点下になる家がたくさんある。米国の最低室温規定はニューヨーク州だと13℃以上です。他の州はもっと高い。外壁断熱材の厚さはドイツが30cm以上あるのに対し、日本は5~10cmです。日本とドイツの冬の寒さは違わない。日本人は我慢の生活をしてきたのです」
 「月別死亡率は12~2月が多い。溺死者数は冬が夏よりも多い。それは家庭のお風呂で溺死するからです。ヒートショックは家の中の室温差で起こります。急激な温度変化で血圧が変動し、気を失って風呂で溺死する人が多くいます。1万4000人以上とも言われます。交通事故死者よりも多いのです。近畿大学の岩前篤教授の研究によると、高断熱住宅に転居した人は、アレルギー、気管支喘息が改善され、健康状態が良くなるとの結果が出ています。アレルギーや喘息の原因になるカビやダニは表面結露が大好きです」
 「気密・断熱性能と快適性を見てみましょう。コールドドラフトというのは、冷たい下降気流により足元が寒くなることです。人の体感温度は室温と壁面温度の平均値です。室温が30℃、壁温度が10℃だと体感温度は20℃。室温、壁温度がともに20℃だと体感温度も20℃です。室温が低くても体感温度は同じです。暖房の設定温度を低くしても暖かいのです。高気密が息苦しいという誤解があります。風通しと漏気、換気は分けて考えましょう。風通しは窓を開けて風を通すことで、高気密でも窓を開ければよいだけです。高気密の家=漏気の少ない家です」
 「高気密化が必要な理由」として、高橋さんは4点をあげました。
① 快適性の向上(すきま風防止、室温の均質化)
② 省エネルギー・冷暖房効率の向上
③ 壁内結露の防止(住宅の長寿命化)
④ 計画換気の性能保持(空気の鮮度維持)
 「目指すべき性能の目安」としては次のように説明しました、断熱性能はUA値で示され、省エネ基準はUA値0.87です。高断熱住宅は0.6以下。欧州基準レベルは0.3~0.4で、「できれば0.4以下にしたい」と述べました。
 日本の住宅の39%は無断熱、日本の住宅の省エネ基準適合は6%程度です。高橋さんは「窓の断熱が最重要」だと指摘しました。サッシの断熱性能の指標U値は高断熱住宅ならU値2.33以下、できれば1.3以下が望ましいとしました。機密性能の指標であるC値(相当隙間面積)は省エネ基準には規定がないそうです。「気密測定をしている住宅会社は少ない。設計図では分からないので、できてから測定します。C値1.0以下が高気密住宅の目安です。鉄骨造の住宅は特に気密性能が良くない」
 「住宅の燃費性能を表示するのがヨーロッパでは一般的です。不動産広告にも表示されます。これにより、イニシャルコストとランニングコストのバランスから仕様の決定が可能になります。建築費2000万円で年間光熱費35万円の家と、建築費2300万円で年間光熱費10万円の家を比較すると、長い目で見ると後者を選ぶほうが得です。イニシャルコスト重視=安普請の住宅から脱却できます。」
 ZEHについては、「太陽光発電などの設備は十数年で終わりますが、躯体性能は30~60年もちます。躯体性能を重視すべきです」と指摘しました。また、日射遮蔽と日射取得について、冬は積極的に日射を取得、夏は徹底的に日射を遮蔽するパッシブデザインを説明しました。
 最後に、高断熱・高気密住宅の欠点と対応策として、「欠点には冬の過乾燥があります。調室効果のある内装材の採用、洗濯物の室内干しエリアを想定するなどの対応策があります。遮音性が高く、家の中の音が響くという欠点もあります。トイレの配置に留意するなどの対応が必要です」と話しました。
 この後、参加者との活発な質疑応答がありました。



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