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元村有希子のScience Cafe「宇宙のギモン、なんでも答えます」

開催日:10月26日(金)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

元村有希子のScienceCafé「宇宙のギモン、なんでも答えます」が10月26日、毎日メディアカフェで開かれました。
 元村有希子・毎日新聞科学環境部長が科学者をゲストに迎え、話を聞く連続企画。今回のゲストは宇宙物理学者の須藤靖・東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授です。須藤(すとう)さんは1958年、高知県安芸市生まれ。東京大理学部物理学科、同大学院理学系研究科物理学専攻修了、理学博士。2009年、香川県中野うどん学校卒業。カリフォルニア大バークレー校博士研究員、京都大基礎物理学研究所などを経て現職。専門は観測的宇宙論および太陽系外惑星の理論的・観測的研究。著書に「一般相対論入門」「もう一つの一般相対論入門」(日本評論社)、「人生一般ニ相対論」(東京大学出版会)、「主役はダーク」「宇宙人の見る地球」「情けは宇宙のためならず」(毎日新聞出版)、「この空のかなた」(亜紀書房)などがあります。
 最初に、元村さんは「宇宙をテーマにするサイエンスカフェは1年以上開いていません。これを聞きたいという希望が多いのは宇宙の話ですが、難しいテーマでもあります。今日は何でも質問に答えるということになりました」と話しました。
 須藤さんは「高知県愛がとても強いです。食べ物が美味しいのでぜひいらしてください」と郷土愛を強調した後、本題に入りました。事前に参加者から寄せられた質問に答える形で進めました。
 まず、「系外惑星の検出法」です。「1995年に初めて太陽系外惑星が見つかりました。例えば、太陽の周りを木星が回っている。太陽も本当は動いています。星を片端から見て、我々に対して行ったり来たりしている星があると、その外側に惑星があるだろう。そういうやり方で見つけます。今の技術なら1秒に30cm動く星があると分かります。これがドップラー法です。次はトランジット法(通過法)です。太陽の前を金星が通過するとき、1%ぐらい暗くなる。簡単に見つかります。いったん見つかると、高校の天文部の小さな望遠鏡でも見られます。ハッブル宇宙望遠鏡で最初に見つけた惑星は3.5日に1回ぐらい通過する。木星と同じぐらいの大きさの惑星が太陽の周りをすごい速さで回っている。もう一つは直接見る方法があります。ケプラー探査衛星という専用望遠鏡が10万個ぐらいの星を見ている。3000個ぐらいトランジットのある惑星を見つけています」
 ここで、「初めて見つけた人はノーベル賞をもらうのですか」と元村さんが問いました。スイスの宇宙物理学者、ミシェル・マイヨール・ジュネーブ大学名誉教授です。須藤さんは「ノーベル賞をもらうと私は予測しています。2015年に京都賞を受賞しました」と答えました。
 「太陽に似た星の半数は惑星を持っていると考えられています。惑星を持っているのは当たり前という理解です。地球のような星は1%ぐらい。直接見るのは難しい。太陽系を見ると、木星が一番大きいですが、木星は太陽の10億分の1の暗さです。近くに10億倍明るい星がある。それを見つけるには、真ん中(太陽)を真っ暗にする技術がないと見えない。望遠鏡の中に板を入れて、真っ暗にするのです。発見総数はすごい勢いで増えています。2009年にケプラー衛星が打ち上げられ、2014年から急増しました。今は見つけただけでは論文になりません。TESS探査機が今年打ち上げられ、太陽系から近い順に片端から調べています。すでに数個発表されています。
 次は「宇宙に銀河はどれぐらいあるか」です。「銀河系から一番近いのはアンドロメダ銀河という渦巻き銀河です。約4万光年の広がりがあります。SDSS(スローンデジタルスカイサーベイ)という、天文学のための宇宙グーグルマップづくりが進んでいます。86万個の銀河の3次元地図ができています。今は200~300万個の銀河が見つかっています」
 多くの人の関心事である「宇宙の果てはあるのか」はどうでしょうか。「観測されている宇宙は138億年先まで広がっています。その外に何があるのか。同じような光景があると合意されています。見えている宇宙には果てがありますが、宇宙に果てがあるということとは違います」
 「宇宙はビッグバンから始まった」とよく言われます。点だった宇宙が広がっていく図が示されることがあります。「点から始まったというのは噓です。説明が面倒くさいから点から始まったように言う。誰かが言わないといけない。宇宙には真ん中も端もない。ビッグバンは点の爆発ではなく、ほとんど無限の空間で同時に始まったのです。ほとんど無限の宇宙がインフレーションで大きくなりました。これが終わった時期をビッグバンと言うのです。ビッグバンの時点では宇宙は無限です。点と無限は同等で全てが含まれていなければならない。我々はビッグバンが起こった広大な空間領域の中に存在している。だからこそ、四方八方から次々とビッグバンの名残の光が到達し続けています」。元村さんが「無限大の広がりを持った点ですか」と問うと、「そうそう」とうなずきました。
 「天の川銀河には1000億個の恒星があります。10%の100億個は太陽と似た星で、その10%にはハビタブル惑星、水が液体として存在する可能性のある惑星がある。銀河系だけでも10億個あると考えられます。観測できる宇宙内の銀河は10の11乗個なので、その中のハビタブル惑星の数は10の20乗個になります。生命や高度な知性が存在する惑星がある可能性は高い。地球1個にしかないと断言するほうが傲慢です」
 このほか、「光速は不変か」「SFに出てくるワープは可能か」などの質問に、「光速や物理常数が不変かどうかは分からない」「ワープは禁止されているわけではないが、現実的にはできない」と答えました。
宇宙はいつまで続くのでしょうか。「宇宙は加速膨張しています。すごく速いので、いずれ真っ暗になるでしょう。空間が張り裂ける可能性がありますが、計算では、張り裂けるまでに1400億年以上はかかります。そう聞くと、うれしい気がするでしょう?こういう人にだまされてはだめですよ(笑い)」
 ミクロとマクロの話で、「世界はアナログかデジタルか」との問題も論じ、「すべてのものが粒々でできているとすると、時間と空間は連続ではなく離散的かもしれない」との考えを述べました。また、我々の宇宙と全く同じ宇宙である「クローン宇宙」の存在の可能性にも言及しました。
 最後に、元村さんは須藤さんが「役に立たない科学のどこが悪いねん、おもろければええやん協会」の会長であることを紹介しました。須藤さんは研究について、「天文学は全く役に立ちません。経済の役には立ちません。けれど、我々は何のために生きているか。芸術や文学を楽しむのは生産性がなく、役に立たないかもしれませんが、人生の究極の目標です。天文学は生産性がないけれど、面白いから許してあげよう。そういう価値観を共有してもらえると、世の中が住みやすくなると思います」と話しました。



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