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真山仁&渋谷敦志トークイベント 「ハゲタカ、日本、世界を語る」

開催日:10月3日(水)18:30~20:10 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

毎日メディアカフェのイベント「真山仁&渋谷敦志トークイベント『ハゲタカ、日本、世界を語る』」が10月3日、毎日ホールで開催されました。
 『ハゲタカ』などのヒット作で知られる作家の真山仁さんは同日、初の社会派エッセイ『アディオス!ジャパン~日本はなぜ凋落したのか』を毎日新聞出版から発刊しました。これを記念した企画で、真山さんの対談相手はフォトジャーナリストの渋谷敦志さんです。
 真山さんは1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年に『ハゲタカ』でデビュー。著書に『ベイジン』『コラプティオ』『黙示』『グリード』『そして、星の輝く夜がくる』『売国』『雨に泣いてる』『当確師』『海は見えるか』『標的』『オペレーションZ』『シンドローム』などがあります。代表作『ハゲタカ』は2回ドラマ化されました。今回の『アディオス!ジャパン』は、日本の政治、経済、社会の危機的状況の原因を、現場での観察と独自の視点から明らかにして、日本が生き残る術を提起しています。
 渋谷さんは世界の紛争や貧困、災害の地で生きる人々の姿を写真と言葉で伝えているジャーナリストです。1975年大阪府生まれ。立命館大学産業社会学部、London College of Printing卒業。第三回MSFフォトジャーナリスト賞、日本写真家協会展金賞、視点賞などを受賞。東京を拠点に世界の紛争や貧困、災害の地で生きる人々の姿を写真と言葉で伝えている。写真集に『回帰するブラジル』、著書に『希望のダンス-エイズで親をなくしたウガンダの子どもたち』、『ファインダー越しの3.11』があります。12月に『みんなたいせつ』(岩崎書店)、『まなざしの十字路』(新泉社)を発売予定です。
 最初に、真山さんが渋谷さんとの出会いを話しました。15年前、「国境のない子どもたち」の展示会に行き、写真を展示していた渋谷さんと知り合ったそうです。「渋谷さんは戦場カメラマンで、どこにでも入っていく。中国に一緒に行きました。すごいなと思うのは、彼は気配を消すのです。すると、相手がものすごいいい表情をする。子どもと友達になって、それからお母さんと話すのです」と渋谷さんの仕事ぶりを紹介しました。渋谷さんは「子どもが好きなのでしょうね。距離感をさぐりながら撮っています。僕は小説家がどういう取材をするか、興味津々でした」と振り返りました。
 まず、話題にしたのはテレビ朝日で放映されたドラマ「ハゲタカ」です。渋谷さんは「全部見ましたが、綾野剛さん(主人公の鷲津政彦を演じた)のインパクトが強くて、以前のNHKドラマのときのことを忘れてしまうほどでした。メッセージは変わらず、それは伝わったと思います」と感想を語りました。真山さんはドラマ化の経過、結果を次のように話しました。
 「テレ朝は昨年末に、平成30年を振り返るドラマをやりたいと声をかけてきました。経済がたいへんだったから経済の30年をということで、ハゲタカになりました。最初は、原作通りにやりますと言っていました。それが、平成30年に鷲津がどうしているか知りたいという話になり、罠にはまりました(笑い)。プロットをいただければということになりました。ワンクール8話ですが、第1話を見逃すと、第2話から見ない人が多い。そこで、再放送をするなどして見てもらうようフォローする。さらに、原作を三つの構成に分けて、第2部が新しく始まるというように呼び込み、新しい視聴者を取り込むのです。視聴率が最も低かったのは、アジア大会陸上100mの決勝とぶつかった日でした(笑い)。ファンからは続編は?と聞かれます。皆さんがDVDを買っていただけると(笑い)。NHKは11年前でした。教科書通りのドラマと、はみ出したドラマの両方を同じ原作で見られて幸せでした。ハゲタカはいわば歴史小説として読まれています。バブルがはじけたときに、日本のだめな部分を清算して、経済のありようを変えて再スタートするはずだったのです。ところが、失われた10年、20年、30年となった。何かがリセットできていない。バブル崩壊は1989年ですが、実感されたのは1995年ごろで、98年の山一証券破綻で、がけの上から突き落とされた。これをチャンスにすべきだったのに、それができなかった」
 渋谷さんは「不安や閉塞感がありますね」と同意しました。この後、真山さんはワシントン、辺野古、ソウル、東日本大震災被災地など、「アディオス」で取り上げた問題の現場の写真を紹介しました。初のエッセイを出したことについて、真山さんは「フィクションにしないで訴えること、フィクションでしか書けないことがあります。例えば、原発事故の収拾を描くとき、いくら取材しても本当にそうなのかというウラを取るのが難しい。取材から想像する領域があると、こういうことが起きたに違いないということが描けます。また、フィクションは感情移入しながら読める。能動的に読むので臨場感があります。今、日本はどうなのかという質問をされて小説で描くのは卑怯だと思うのです。幻想を抱いているとき、そうではないと言わなければならない。メディアの役割でもありますが、メディアに対する信用度が落ちてしまった。(自分が)極端なことを言っても、小説家でしょうですむ。エコノミストでの連載は、写真を使って、キャプション(写真説明)のように文章を書いています。写真で説明できることを文字にする必要はない。写真の裏側にあることを書きます」と説明しました。
 続いて、渋谷さんの東日本大震災被災地の写真を映しました。福島県南相馬市の相馬野馬追の写真や、津波の跡など、全てモノクロの写真です。両親と長女、長男を津波で失い、長い間、自力で捜索を続けた上野敬幸さんの写真もありました。「行き着くのは上野さんの眼差しです。そこに心が奪われています」と渋谷さんが話すと、真山さんは「見ているだけでぐっと来ます。写真が語ってくる、これがプロの写真です」と評価しました。福島第1原子力発電所の内部の写真もありました。
 真山さんは「書き手が重要なのは現場で感じた肌感、プラス俯瞰的な視点です。虫の目だけではなく鳥の目を持たなければならない。今は虫の目が多い。一歩下がって見てから文句を言おう。それが日本に欠けていると感じます」と指摘しました。
 2人はいずれも大阪出身。阪神淡路大震災が現在の仕事の出発点になっています。真山さんは「震災時は33歳でした。小説家になる前で、震源から7kmしか離れていない。ひどく揺れました。神を信じていないのですが、ええかげんにせよ、小説家になろうとしているのに、こんなんで殺すなと神様に言いました。神様がごめんねと言って、うちは被害がなかった。神様とけんかして拾った命です。何で生き残ったのかという葛藤が始まるのですが」、渋谷さんは「カメラを出すことさえできませんでした。なぜ今、写真を続けているかは、あのとき写真を撮れなかった後ろめたさがあるような気がします」と振り返りました。
 渋谷さんが沖縄県知事選の結果について評価を聞くと、真山さんは「昨年初めて沖縄に取材に行きました。もめている現場を見に行こうと考えました。沖縄の基地の問題は沖縄だけの問題ではないという認識が沖縄では少ない。沖縄の状態がおかしいと議論しなければならない。国が決めたルールをひっくり返そうと裁判所に提訴しても、訴えは通らない。これが民主主義です。民主主義は多数決です。選挙で選ばれた国会議員が決めたのです。これを変えるには、独立国なのに米軍があることがおかしくないかという議論をしなければならない。なぜ沖縄の問題を共有しないのかを考えなければならない。多くの議員は沖縄のことが1円にもならないから真剣に考えません。知事選挙の結果、いわば、とむらい合戦で玉城デニーさんが勝ちましたが、それによって、これまでと変わるとは思えない。日本の問題であるということを全国行脚して知ってもらうことが第一歩だと思います」との考えを示しました。
 最後に、真山さんは「日本は平和じゃない、と石を投げていますが、なかなか届かない。発信の仕方を工夫しないといけないと思います。死ぬまで文句を言い続けます」と話しました。
 この後、来場者との活発な質疑応答がありました。



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