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social action labシンポジウム「子どもをいじめから守るには」

開催日:9月29日(土)13:00~15:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

毎日メディアカフェのイベント「social action labシンポジウム 子どもをいじめから守るには」が9月29日、千代田区の教育会館で開催されました。
 毎日新聞社の特設サイト「social action lab(ソーシャルアクションラボ)」は、「1ミリ、世界をいい方へ」動かすことを目的に開設されました。さまざまな社会課題をとりあげ、みんなで知って、みんなで考えて、みんなで行動することで解決をめざします。最初に取りあげたテーマは“こどもをまもる「いじめ」編”。半年間にわたる取材と意見交換を通じて、徐々に解決への糸口が見えてきました。このシンポジウムは、これまでの動きを踏まえ、いじめ問題解決のため、いますぐ行動に移せるアクションプランを考えようと企画されました。
 司会進行役は澤圭一郎毎日新聞論説委員(教育担当)が務めました。澤論説委員は「いじめは重いテーマです。しかし、私たちは必ず変えられると思い、記事を書き、議論をしてきました。このシンポジウムでは、解決するにはどうすればよいのかを集中的に話したい。解決への道として、これまでの議論から、①いじめを早期に発見する②加害者をなくす③すばやく適切に対処する④いじめを許さない環境づくり⑤いじめが起きない学校に変える――の5点が出てきました。これについて、議論します」と話しました。
 まず、登壇者が紹介されました。
 評論家、編集者の荻上チキさんはNPO法人「ストップいじめ!ナビ」代表理事。ネット上の問題、いじめ、メディア論を専門としています。荻上さんは「NPOでは、いじめの予防、早期発見・早期解決、検証と再発防止などに取り組んでいます。特に予防が重要です。いじめを減らすには、起こりにくい環境をつくる、楽しい場所を提供するといったことが必要です」と話しました。
 小森美登里さんは1998年、一人娘の香澄さんをいじめ自殺で亡くし、2003年に夫の新一郎さんとNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」を川崎市川崎区に設立しました。小森さんは「予防のためには、起きてしまった事例を検証することが必要ですが、被害者や遺族が事実にたどりつくのは難しい現状もあります。いじめは子どもたちの現場で起こっている問題ですが、大人が生み出していると感じます。地域、学校、親がこの問題にしっかり向き合って、同じベクトルを探し出す作業が必要だと思います」と話しました。
 和久田学さんは公益社団法人子どもの発達科学研究所主席研究員。いじめを止めるための具体的な行動を浸透させようと、エビデンスに基づいた予防プログラムを開発しています。和久田さんは「私は子どもの発達障害の研究をしています。いじめ問題の裏側、隣には不登校、暴力、発達障害、貧困、親の虐待などの問題があります。一つの事例で見るのではなく、科学的な視点が必要です。子どもの発達を守る視点からいじめ問題に取り組んでいきたい」と語りました。
 全国生活指導研究協議会代表の笠原昭男さんは「埼玉県で教員をしていました。現場の体験を踏まえ、話したい。大事なのはいじめが起きにくい、起きても早期に解決できる学級や学年、学校をどうつくるかです。風通しのよい平和的で民主的な子どもたちの関係性をどうつくるか。全国生活指導研究協議会は約60年前に設立され、いじめ問題も含めて研究してきました。いじめは完全になくすことは難しいが、起きにくい学校、起こっても早期に解決できる学校は作りうると思います」と話しました。
 毎日新聞の鷲頭彰子記者はsocial action lab記者。小学生の男児2人の母親でもあります。鷲頭記者は「大学の教育学部で学びました。同窓の教員に聞くと、いじめの早期発見はできると言います。問題はどれだけ適切に対処するかだと思います」と話しました。
 論議では、澤論説委員が「ラボは具体的な解決策として、12項目を提案しました。このうちいくつかを議論したい」と述べ、まず「第三の場所をつくる」です。荻上さんは「家庭、学校で過ごす時間は3分の2を超え、そこでの楽しみやストレスは人生の喜びなどを大きく左右します。大人は第三の場所をつくりますが、子どもは第三の場所を自分でつくることは難しい。学校にいづらくて、それを家で打ち明けられない。そうなると、追い詰められ、精神疾患、自傷行為、他害行動に至ることがあります。最近注目されている試みは、子ども食堂や、地域の老人と若者が交流するといった取り組みです。共通しているのは第三の場所の拡充がいろいろな人々の幸福度の上昇につながるということです。日本は学校教育優先で、フリースクール、通信教育などの他のオプションが弱い。いじめを受けたら逃げてもいいんだよと言われても、逃げる場所がない。どんなオプションが用意できるのかが問われています」と指摘しました。小森さんは「第三の場所が必要な対象はいじめを受けた子どもだという発想になると思いますが、子どもが安全な場所に避難している間に、現場を正常にして戻すという作業が大切です。仮に加害者が問題を抱えているようなら、それを解決できる加害者にとっての第三の場所も必要ではないかと思います」と話しました。
 次に、「学校に専門機関を導入する」という提案です。笠原さんは「学校には相談室が設置されています。加害者にとっての第三の場所は教師ではないでしょうか。私の実践で 、荒れた学校に暴力的な子がいました。何か問題が起こると、その子のせいにされた。家庭ストレスが大きく、中学校に入ると荒れました。私は空き教室を開放して、ソファを置いてできるだけいるようにした。エスケープした彼が次第に話すようになり、『小学校で、いつも俺のせいにされた』と言いました。このように教師が居場所になる、くつろげる部屋を学校に用意することが大事だと思います」と話しました。和久田さんは「システムをつくるには、質の担保が必要です。第三の場所は予防の観点からは重要です」と述べました。小森さんは「いじめ対応スキルをしっかり持っている先生は少ない。問題が小さいときに対応していれば解決したいじめはたくさんあったと思います。子どもたちを死に追い詰めたのはスキルのない先生や大人の対応と言っても過言ではない事例があります。スキルを上げるために何をするか。せめて、やってはいけないこと、しなければならないことを共有したいと思います」と語りました。笠原さんは「職員会議は議論の場所ではなく、校長の上意下達の場になっています。指導がマニュアル化され、機械的になっている。若い先生は自分の思いを言うことを学んでいない。問題行動があれば、どうやって管理するということに行ってしまう」と現状を話しました。
 「学級をなくす」という提案についても話し合いました。和久田さんは「学級は多目的集団であり、いろいろな機能がある。学級をなくせばいいというのは短絡的な意見だと思います」と述べました。
 「犯罪行為は警察に通報する」との提案については、笠原さんは「犯罪行為だったら通報せざるをえないが、学校で職員が合意しなければならない。それを保護者や子どもにも伝えることが大事です」と述べました。和久田さんは「加害者が何も問われないのはおかしい。加害者への教育配慮は必要ですが、加害行動の責任ははっきりさせなければならない」と話しました。
 「加害者にこそ親身に寄り添う」という提案に、小森さんは「娘が亡くなったあと、何が起きたかを調べました。加害行為をした子どもたちの背景に関心を持ちました。NPOで少年院の職員から現状を伺いました。多くの子どもたちが虐待を受けていたと教えてくれました。見えないところでの傷が多いそうです。少年院にいる子どもはそこらを歩いている子たちと変わらないように見えました。加害者に寄り添うことができて、加害者が自分のつらさを分かってもらえてうれしいと感じることができたら、自分の行為を振り返ることはできるのではないかと思いました」と話しました。
 会場には、いじめを受け自殺した青森市の中学2年生(当時)、葛西りまさんの両親が参加していました。澤論説委員の紹介で、父親が「いじめの存在は把握していましたが、命を絶つまで苦しんでいたとは知りませんでした。先月、やっと報告書が完成しました。知らないことがたくさんありました。学校が何をしていたのか、初めて知りました。先生にお願いしたいことがひとつあります。基本的なことです。私たちには、学校が何をしたという連絡はありませんでした。学校ではこうだったという連絡が一つでもあれば、救えた命だったのではないか。学校と家庭との情報共有ができていなかった。先生が忙しいことは承知しています。情報共有によって、互いにカバーできる、対応が変わってくると思います。最悪の事態を防ぐ、早期発見・早期対応につながると思います。情報共有を義務づけてほしいと思います。これ以上、私たち、私たちの子のように苦しむ家庭を見たくはありません」と訴えました。
この後、会場からの質問にパネリストが答えました。「いじめの予防で、大人は何ができるか」に、荻上さんは「理不尽さを与えない、子どもの自己決定権が奪われることをしないことです」、笠原さんは「子どもの話をよく聞くことです」と答えました。
 「加害者の家庭に問題があったとして、家庭の状況を変えることは可能か」との質問に、和久田さんは「子どもの行動を変えると、家庭も変えられるという研究があります。家庭が変わらなくても、子どもを変えられるという研究もあります」と紹介しました。小森さんは「虐待を止めることはできないと思いますが、先生や地域の親から、あなたを心配しているというメッセージを伝えることができると思います」と話しました。
 最後に、澤論説委員は「1ミリでは少ないと言われますが、世界が少しでもいい方向にむかうようソーシャルアクションラボを続けます。応援し、参加してほしいと思います」と呼びかけました。



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