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高校生と“変人”をつなぐ近未来ハイスクールとは?

開催日:9月19日(水)18:30~20:10 イベントのカテゴリー:一般公募イベント


毎日メディアカフェのセミナー「高校生と“変人”をつなぐ近未来ハイスクールとは?」が9月19日に開催されました。
 近未来研究会の企画する連続セミナーの第3回。メーンスピーカーはオプンラボ代表取締役で自称「変人コレクター」の小林利恵子さんです。小林さんは短大卒業後、証券会社、社団法人日本印刷技術協会、Web制作会社などを経て、2010年に独立、企業の魅力を引き出し、ビジネスパーソンの仕事を豊かにしていくオプンラボを設立しました。人やサービス、企業の変わったところを見つけ出し、魅力としてイベントやコンテンツとして伝えることを得意としています。2017年3月、近未来ハイスクール第1回を開催。変人と高校生を中心とした若い世代をつなげるプロジェクトを全国に広げています。
 最初に司会兼パネリストの藤元健太郎D4DR代表取締役が「AIの進展によって47%の仕事がなくなるという予測があります。大学生ではもう遅い。世の中が変わっている状況を高校生に知ってもらい、わくわく感を持ってもらうことが重要だと思います。近未来ハイスクールの取り組みを話してもらい、教育や新しいラーニングをしている方々によるディスカッションで深めたいと思います」と挨拶しました。
 小林さんは次のように話しました。「私は変人コレクターで、エッジの立ったプロフェッショナルが大好きです。皆さんは探偵と話したことはありますか。私は探偵の友人がいて、近未来ハイスクールに呼んでいます。探偵の仕事である『証拠を残すスキル』をいじめ解決に応用することをしています。探偵業界はうさんくさく見られるがちなので、業界のステージをアップさせることになると言っています。都立国立高校の生物教師はアクティブラーニングの先駆者で、年間200人の見学者が来ます。印刷会社の社員の先生もいます。インスタで歌っている映像をアップしたところ、世界で話題になりました。チェ・ゲバラの歌も歌っていたことから、キューバでライブすることになりました。ミュージシャンは若いときからの夢で、それが50歳になってから、かなえ始めている。私はこうした『出る杭』を見せるのが好きです。近未来ハイスクールは出る杭を育てる活動です。高校生が変人と付き合って、出る杭になってほしい。ハイスクールでは、大人が1人か2人入って、高校生と対話します。課題を提供して一緒に考える。例えば、SDGs(国連の持続的開発目標)について考える。職業人の自己紹介から始まり、テーマについて、一緒に考えようという立場で対話します。席替えをして、別の職業の人の話を聞きます。変人とは、変わり続ける、変革を起こす人、真摯な野心がある人のことです」
 続いて、近未来ハイスクール誕生に至る話です。「きっかけは娘の夏休みの宿題でした。2人の大人に職業のインタビューをするということでしたが、私は知人の4人に会わせました。高校教師、新聞記者、建築家、イラストレーターです。娘はクリエイティブなことに興味がある一方、人とコミュニケーションするのが苦手ですが、それは変わっていく、変わる種になるといいと思い、コミュニケーションの必要な職種である教師、新聞記者を入れました。彼女のインタビューを見て、もっと多くの高校生たちとシェアしたいと思いました」
 ハイスクールで生徒たちはどんな変化があるのでしょうか。「高校生からアンケートを取っていますが、働くことのイメージとして、過労死とかブラック、お金のためという答えが出てきます。しかし、私の周囲の大人たちは楽しく仕事をしています。『ふだん電車で見ているのは死んだ魚のような目でスマホを見ている大人たちですが、笑顔の素敵な大人に出会った』という感想がありました。ヤマハ、都立小山台高校(定時制)、徳山高専などでハイスクールを開きました。高校生たちが刺激を受けるのは数年後、社会に出てからと思っていましたが、意外と早く影響が出ています。高3の女子生徒は教育学部に行きたいと言っていましたが、企画に興味を持ち、経営学部に行こうと決めました。先生自身が変化した例もあります。建築家の女性は建築事務所に勤めていたが、高校生からは率直に収入の質問が出て、実はあまり高くない。営業力がある女性で、独立しました。10件の建築設計を手がけ、超忙しいと言いながら楽しそうです」
 ハイスクールの変人の先生はどんな人たちでしょうか。「キャリアも職業もばらばらです。共通するのはわくわくして生きていることです。それに触れて、不安が期待に変わるという生徒がいます。格闘家、農家、お坊さん、マーケタ―、ゲームクリエイター。弁護士など士業の人、サイエンス・コミュニケーターの人もいます。イグノーベル賞を見に行った経験を話してもらおうと思っています。変人データベースを開設し、いつでもどこでも変人に出会うことができる、学びのサードスペースをつくりたい。ネットやVR(仮想現実)を使って参加できるようにしたいと思っています」
小林さんの話に対して、会場からいくつかの質問がありました。収支や活動の持続可能性については、「現在は持ち出しで、持続可能にはなっていません。行政の助成を受けること、コンテンツ化して課金することなどを考えています。思いのある方々とやっていると、道ができていくのかなと楽観的に考えています」と答えました。「変人の掘り起こしはどうしているのか」との質問には、「元々は私のネットワークでしたが、変人の友人は変人なので、紹介してもらって広がります。クオリティーコントロールをしなくても、いい方が多いです」と話しました。
 続いて、パネルディスカッションに入りました。パネリストは武蔵野大学附属千代田高等学院校長、武蔵野大学特任教授の荒木貴之さん、ネットラーニンググループ代表で、八丈島で熱中小学校の校長を務める岸田徹さん、久米繊維工業会長で、「i専門職大学」で変人起業家高校生を募集している久米信行さんです。
 自己紹介で、荒木さんは「四番町にある中高の校長、大学教員をしています。東北大学に通って博士論文を書いている学生でもあります。高校時代はラジオ福島に入り浸りでした。大学では、教員養成系の大学に行きましたが、いったんやめて再入学しました。就職してから、今が10個目の職場です。変な人を学校に招いています。モノポリ(ボードゲーム)のチャンピオンとか、ドローンの授業をしている佐野日大高校の先生などです。つなぐ力が教育を変えると考え、教育連携協定を結んで他校と連携しています」と話しました。
 岸田さんは「八丈島の熱中小学校の校長で、八丈高校と一緒に熱中高校というのもしています。学生時代は(機動隊との攻防のあった)安田講堂の中にいました。大学とは何かを問い詰めようとしていました。今は全てがデジタル化する時代で、教育もビジネスも変わる。高校生には何よりも本を読んでほしい。高校生にはオプションが無限にあると思います」と高校生に呼びかけました。
 久米さんは「家業がTシャツ製造でしたが、ファミコンゲームのデザイナー になりました。ブラックな仕事です(笑い)。僕は学生にブラック企業を勧めます。人がいないから、多くの仕事を任されるからです。株のゲームがヒットして証券会社に入りました。それから家業に呼び戻されました。墨田区の北斎美術館設立のお手伝いなど、いろいろな活動をして、変人枠で呼ばれるようになりました。i専門職大学はライフワークにしたいと思っています」と話しました。
 議論では、藤元さんが「高校は大学に送り出す役目が中心になっているのではないでしょうか」と問題提起しました。荒木さんは「生徒を外部の人に出会わせるためには、先生がまずそうしなければならない。先生方には、『学校の仕事は100%でなくてもいい、50%でいい』と言っています。64歳の生物の先生はクマムシの研究をしていて、新種発見とかのメールを送っています。そういう先生を応援するのが僕の役目だと思っています」と答えました。岸田さんは「戦前は戦争教育、戦後は反戦教育でした。そうではなく、学校の先生には、子どもが自分で考える力を教育してほしい。学びの力を見直すべきだと思います。人間が教えたロボットは人間を超えられません。アルファ碁は自分たちで学んで人間を超えた。学びの力を手に入れることが鍵だと思います。Eラーニングは『いつでもどこでも学べる』と言われますが、それ以上に、学びのプロセスが記録される、学びを共有し、設計することができることが重要です。アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)やハーバード大学などは大学の授業を公開しています」と述べました。
 久米さんは「若いころ、10人の師匠を探せと言われました。今はSNSで発信しているのを見ることができるので、師匠を見つけることが容易です。まねしていくことから学びが始まります。多摩大学で授業をするとき、学生にはどんな質問でも答えると言っています。質問することが大切です。質問するにはその人のことに注目しなければならない。予想外の球が飛んでくるので、知的興奮があります。学びのプロセスが見える化されてくると、学生は自分から積極的にアプローチしなければならない。学生の差が付く時代だと思います」と指摘しました。
 今後の課題の議論では、荒木さんは「学校の価値はどれだけ人が集まって来るかです。うちの学校では、ほかの学校の説明会をしました(笑い)。いい場所にあるので、できるだけ開放しています。無償で使ってもらっています」と話しました。岸田さんは「熱中小学校は内閣府から助成を受け、授業料ももらっています。助成金がなくても持続できる道を探っています。ビジネスの力で変えていく。アスカアカデミーは、授業に日本語の字幕をつけて無料で見られます。300人以上の翻訳ボランティアがいます。ボランティアと企業からの会費収入で黒字でやっています」と語りました。久米さんは「王道は生徒が払うことです。親が払うわけですが。企業がCSRの一環で派遣するという協力もあります」と述べました。
 会場には、高校生3人が参加していました。都立総合芸術高校の女子生徒は「大学に行くか行かないか迷っています。人に伝えること、表現することを学びたいと思い芸術高校に入りまた。大学に行かないと身につかないかなと思いますが、大学で勉強することの意義を知りたい」と質問しました。久米さんは「友人の例です。彫刻家の山田朝彦さんは明治大学柔道部出身です。美術館で彫刻を見て稲妻を受けたという体験があり、就職した後、25歳で絵画教室に行き、再び彫刻に出合い、彫刻家になりました。彼は解説は読むな、習うことは邪魔になるといいます。一方、美大を主席で卒業した女性は、卒業して以降、描けなくなりました。アートは独自の表現が必要だから、大学に行かなければならないわけではない」と答えました。これに対し、岸田さんは「4年間湯水のように時間があるし、友人を得られる。何としても大学に行ったほうがいい」と勧めました。小林さんも「迷うんだったら行くのがよいと思います」と述べました。
 横浜市の女子高校生は「母親が中国人、父親が日本人です。日本に来てから、人とつながりにくくなったと感じます。寂しいなと。もっとつながれたらと思います。どうしたら、つながれますか」と質問しました。久米さんは「下町だと、家に人々が土足で上がってくる感じです。熱中小学校のあるところはそういうところが多い」と答えました。小林さんは「社会に出ると、つながることが少ない人がいる。会社の人としか飲みに行かないとか。自分は変えていく、つながっていくということでいいと思います」とアドバイスしました。
 関東国際高校の男子生徒は「今日は学校では勉強できないことを学べました。僕は自分のやりたいことが見つけられて、それに向けて勉強しています。周りをみると、そうではない。中学生のころからやりたいことを見つけられるといいと思います」と話しました。小林さんは「興味がある中学生には来てもらっています。やりたいことが見つからない高校生が多いと思いますが、大人になっても見つからない人がいますから、あまり気にしないほうがいいと思います」と答えました。
 このあと、会場との活発な意見交換がありました。



 


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