読者とともにつくりだす「毎日メディアカフェ」
毎日メディアカフェでちょっと一息

  • ホーム
  • ニュース
  • 毎日メディアカフェとは
  • イベントカレンダー
  • イベントアーカイブ
  • アクセス

イベントアーカイブ

アラビア文化への誘い ~ 古代アラビアの歴史と文化

開催日:9月13日(木)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:アラビアシリーズ

 毎日メディアカフェのイベント「アラビア文化への誘い~古代アラビアの歴史と文化」が9月13日に開催されました。
 サウジアラビアの国営企業サウジアラムコを親会社に持つアラムコ・アジア・ジャパンが企画する「アラビア文化シリーズ」の第1回です。より多くの人にアラビア文化に親しみを感じてもらうことが目的です。
  最初に、アラムコ・アジア・ジャパン経営企画室で広報を担当する石井陽子さんが挨拶しました。「アラムコ・アジア・ジャパンはサウジアラムコの日本法人です。サウジアラムコの社員は約6万5000人。日本の原油の40%はアラムコから供給されています。アラムコ・アジア・ジャパンは原油販売サポートなどの本業のほか、被災地支援、アラビアと日本の交流、アラビア文化への理解を深めてもらう活動などに取り組んでいます。今年1~5月に国立博物館で開かれた『アラビアの道―サウジアラビアの至宝展』には25万人が来場しました。今回は至宝展を担当した小野塚拓造さんに、『古代アラビアの歴史と文化』について話していただきます」と話し、小野塚さんを紹介しました。
 小野塚さんは1980年埼玉生まれ。慶應義塾大学卒業、筑波大学大学院博士課程単位取得退学。2014年から東京国立博物館特別展室アソシエイトフェロー、2016年同東洋室研究員、2018年同平常展調整室研究員として、館所蔵の西アジア・エジプト考古資料の調査研究、平常展や特別展の企画・運営に従事しています。ライフワークは東地中海世界地域の考古学です。
 小野塚さんは「自分も含めてアラブの研究者はメソポタミアなどエジプトの地域が研究の中心で、アラビア半島はあまり注目されてきませんでした。至宝展は私にとっても勉強になった展覧会でした。皆さんが知っているものを展示するのではなく、あまり知られていないものを展示して見てもらうのが研究員としてはうれしい。アラムコさんはスポンサーとなってこの文化事業を支えてくれました」と前置きして、まず、「アラビア文化とは何か」を説明しました。
 「アラビア文化はアラビア半島の文化だったり、アラブ人の文化だったりします。では、アラブ人って何なのというと難しい。イスラーム教を信仰し、アラビア語を使う人をアラブ人と理解しています。私の専門は考古学です。歴史上にアラブ人が登場したのは紀元前853年。アッシリア帝国がアラビア半島に進出したカルカルの戦いで、アラブ連合軍がアッシリア帝国を倒しました。資料では、誇張があるかもしれませんが、戦車2000両、兵士1万人と書かれています。アラブの首長が参加していて、ラクダ部隊を率いたようです。大英博物館に碑文があります」
 続いて、「アラビア文化の多様性と共通性」についてです。「至宝展では、博物館の外にアラムイスラーム学院の協力でテントを張り、アラビック・コーヒーをふるまいました。コーヒーはアラビアの重要な文化の一つです。至宝展ではコーヒーを焙煎するときに使うヘラや臼、コーヒーポットなどが展示されました。地域によって、コーヒーの味が違います。多様性があります。歴史による違いです。一方、どの地域でも客をもてなす、コーヒーを出すというのは変わらない。もてなすことによって、自分が相手と敵対していないことを示したり、情報を得るのです」
 アラビア半島は地政学的な要所にあります。半島を中心にした地図を見ると、ヨーロッパ、アジア、アフリカの結節点にあることが分かります。「人類がどう拡散したのかの研究で、アラビア半島が注目されています。オルドワン石器というのが100万年以上前、アシュール石器が数十万年前~十数万年前、ムスティエ石器が12万年~5万年前に使われていました。アシュール石器は原人ホモ・エレクトス、ムスティエ石器はネアンデルタール人が使用したと考えられています。ホモ・エレクトスはアフリカからアラビア半島を通って世界に拡散しました。ホモ・サピエンスはエチオピアからアラビア半島南部を通ってイラン、アジアへ広がったと考えられています。サウジアラビアでの調査研究の進展が鍵を握っています」
 続いて、「アラビアの富と交易」の例として、香料の実物を見せながら説明しました。「アラビア半島は乾燥化で過酷な環境になりましたが、香料の交易で再び栄えました。『乳香』や『没薬』を売って富を得たのです。樹液から作る香料です。没薬は防腐剤としても使われます。香料の産地は半島南の山地です。今でも乳香をたいています。紀元前1000年ごろから再び活発化しましたが、それを支えたのはラクダです。ラクダの家畜化がいつ行われたか、いつから荷駄として使われるようになったかはよく分かっていません。絵や文字で表されたラクダ、骨の分析などで調査されています。ラクダの家畜化と荷駄としての利用の解明にはあと20年はかかると思います。ヒツジとヤギも飼われています。これらは子どもの数が少ない家畜です。だから、肉食用ではなく、ミルクを利用します。特別な日には肉を食べます。ですから、メスのほうが長生きしています。羊毛の利用だと、オスも長生きしています」
 最後に、「イスラームの興隆」として、まず聖地メッカ(現地の発音では、マッカのほうが近いそうです)の話をしました。「イスラーム教徒の義務の一つがメッカ巡礼です。メッカまでの距離を示す道しるべが置かれています。現代社会に影響を与えているイスラームがどう生まれたのか。一神教の展開を理解するために、テル・レヘシュでの考古学調査をしています」
 科学研究費補助金「イスラエル国ガリラヤ地方の新出土シナゴーグ資料に基づく一神教の宗教史再構築」(代表:市川裕・東京大学教授)のメンバーとして研究しているそうです。「一般にユダヤ教ができて、その後にキリスト教、イスラーム教ができたと言われています。ユダヤ教は神と契約する、神の啓示法(律法)を生活の規範にするという宗教です。成文律法の旧約聖書と口伝律法の二重の啓示があります。ラビという法学者が指導します。これの用語を変えて、イスラーム教の説明にすると、ほとんど同じになります。突然、イスラーム教ができたのではないことを示しています」
 「テル・レヘシュでの考古学調査では、2017年、最古級のシナゴーグ(教会堂)を発見するといった成果が出ています。1世紀には、決まり事を読むコミュニティができていたのです。サウジアラビアでの調査は難しいですが、今のアラブを見るヒントがあると思います」とまとめ、「テル・レヘシュでの調査を5年ほどで終わらせて、次は沿岸部に近い遺跡を調査地にして、アラビア文化を地中海に伝えた人たちのことを調べたい」と夢を語りました。



毎日メディアカフェでちょっと一息

毎日メディアカフェでちょっと一息

毎日メディアカフェでちょっと一息

毎日新聞東京本社1階にある「MOTTAINAI STATION」を毎日メディアカフェとして午前11時から午後6時(イベント開催日は午後8時30分)まで開放しています。新聞や雑誌を読んだり、タブレット端末で毎日新聞ニュースサイトなどを検索したりできます。イベントは全て無料で参加できます(予約制、申し込み順)。

松田まどかのCSR担当者レポート

松田まどかの団体レポート

学びのフェス2017夏

SAVE the BLUE

         

NPO/NGO活動紹介

自治体による企業との取組

次世代を担う学生の活動紹介

活動レポート

毎日メディアカフェとは

毎日メディアカフェを使ってみませんか

協賛されたい企業の方へ

毎日LIVE

プレシーズ

学びのフェス2017夏

EVENT CALENDAR

2018年9月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  


関連リンク

毎日新聞

小学生新聞

15歳のニュース

15歳のニュース

MOTTAIANAI

毎日新聞 愛読者セット

イーソリューション

プレシーズ

ページtop