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イラク・モスルでの新規教育支援事業スタート!

開催日:7月25日(水)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

毎日メディアカフェのセミナー「イラク・モスルでの新規教育支援事業スタート!」が7月25日に開催されました。
 企画したのは世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョン(WV)・ジャパン。昨年設立30周年を迎えた歴史あるNGOです。
 イラク北部にあるモスルでは、2013年に始まった紛争により、学校施設が破壊され、教育環境が著しく悪化しました。武装勢力の支配下にあった2014年以降は多くの子どもたちが教育を受ける機会を奪われました。イラク政府の奪還作戦が始まりましたが、子どもたちは家を失ったり、家族が殺害されるなど深刻なストレスを受けました。2017年7月に武装勢力から解放された後も、地雷や不発弾が残り、危険と隣り合わせの生活を強いられています。
 こうした状況を踏まえ、ワールド・ビジョン・ジャパンは2018年5月、モスルの子どもたちが健やかに成長できるよう、教育支援事業と子どもの保護のための事業を開始しました。支援者からの募金とジャパン・プラットフォームからの助成金による活動です。この事業を担当するスタッフ岩間縁(いわま・ゆかり)さんがイラク駐在を開始する前に、岩間さんがモスルの現状、活動への思いを話す場として、セミナーが企画されました。
 はじめに、ワールド・ビジョン・ジャパン マーケティング第2部サービス開発課の高山時子さんが「WVは1950年にアメリカで設立されました。ボブ・ピアスという宣教師が中国で1人の女の子に出会い、何かをしたいという思いから活動が始まりました。『何もかもはできなくても、何かはきっとできる』という思いです。朝鮮戦争のあと、親を失った子ども、夫を失った女性たちのための活動をしていました。現在、約100カ国で活動し、320万人の子どもたちの支援をしています。日本はかつて支援を受けていましたが、経済成長の後、支援する側にということで、1987年にワールド・ビジョン・ジャパンが設立されました。昨年10月、30周年を迎えました。2002年、認定NPO法人になりました。スタッフ84人、昨年度は30カ国123事業をしました。活動の3本柱は開発支援、緊急人道・復興支援、アドボカシーです。アドボカシーは政策提言、問題の根本的解決のための提言のことです。今回のイラク支援は緊急人道・復興支援の一環です」と説明しました。
 続いて、岩間さんが話しました。岩間さんは東京外語大学卒(ペルシア語専攻)。9・11同時多発テロをきっかけに中東に興味を持ったそうです。卒業後、一般企業に就職しましたが、「ニュースでシリア、イラク情勢を知り、心がもんもんとして、何のために働きたいのかを考えました」。入社5年目の終わりに退職し、英国イースト・アングリア大学大学院教育開発コースで修士号を取得しました。WV入団は2016年9月。それから、ヨルダン・シリア難民支援、WFP食糧支援事業などをしてきました。「民間企業で得たスキルを活かしながら活動できている」と言います。今年5月から始まった
活動を話す前に、岩間さんは「イラククイズ」として3択の問題3題を出しました。「イラクがどこにあるか」「イラクの国旗はどれか」「クルド民族のいる地域はどこか」。どれも正解率はそれほど高いものではありませんでした。
 「イラクのクルディスタン地域は比較的安定した地域で、ほかの地域からの避難民やシリア難民を受け入れている地域です。地域の首都エルビルに、WVエルビル事務所があります。外務省の海外安全ホームページを見ると、イラクのほとんどの地域に退避勧告が出ていて、日本人スタッフは立ち入ることができません。エルビルとその北のドコークという地域のみ入ることができます。現地スタッフとパートナーNGOによる事業がモスルで実施されます。2003年イラク戦争が始まり、フセイン政権が崩壊しました。06年に新政府発足、11年アメリカ軍が撤退しました。12~13年、シリア内戦の影響で治安悪化しました。14~17年、武装勢力がイラク北部を占拠しました。事業地であるモスルも14年8月以降、約3年間、武装勢力の支配下に入りました。17年12月までに政府による掃討作戦が終了しました。避難を余儀なくされたのは590万人(人口の16%)。WVは03~04年、ニナワ県で物資配布、小学校の修復、医薬品提供などの緊急支援をしました。15年以降は、避難民を対象に緊急食糧支援してきました。イラクは途上国ではありません。高中所得国でした。私たちに近い生活をしてきた人たちが厳しい状況に置かれています」
 ここで、BBCの映像が流されました。激しく破壊された様子が分かります。
 岩間さんは続けます。「モスル西部は電気、水道などのインフラが破壊されています。地雷が埋め込まれていて、不発弾も残っている。避難先から戻ってきても、生活するすべがなく、貧困に陥っています。きずなが崩壊し、住民同士が信頼関係を築くことができない。子どもたちの心理的負担は大きく、ストレスによる家庭内暴力が増加しています。学校は破壊され、使える学校が少ない。再開しても、教材がない、人数が多すぎるといった問題があり、学習環境の整備が急務です」
 WVが収録した現地の子どもたちの声が紹介されました。
 岩間さんは「子どもたちの経験は私たちには想像しがたいものです。家が爆破される、武装勢力に家族や知人が殺されたり、暴力を受けたりする。路上に死体がある。そういった経験をしてきました。家庭内暴力、虐待、児童労働、心のケアなどが課題になっています」
 続いて、事業概要です。「実施地域はモスル西側の4コミュニティーが対象です。皆さまからの募金とジャパン・プラットフォームの助成を得て実施します。目指す成果は二つあります。教育へのアクセス向上、子どもが保護される環境の整備です。教育の分野では、四つの活動をします。学習環境の整備、教育関係者の能力強化、地雷・爆発物に関する啓発教育、補習授業の提供です。子どもの保護分野では、子どもの保護委員会(CPC)の設立・運営、緊急の支援を必要とする子どもに対するソーシャルワーカーによる個別支援をするケースマネジメント、リクリエーションやワークショップを取り入れたPSS(心理社会的支援)活動です。WVの強みはコミュニティーに根付いた支援ができることです。その強みを活かして、コミュニティー全体で子どもを保護する体制を強化します。PSSは強いストレスを受けた子どもに対し、放課後にリクリエーションなどをします。長年ソーシャルワーカーをしてきたイラク人スタッフがキャンプで出会った、モスルから避難してきた女の子が書いた絵を紹介します。戦車の絵です。目の前でお父さんを武装勢力に捕まり、叫ぼうとしたらお母さんに口を押さえられたという経験をした子です。避難後も怖い夢を見たり、急に泣いたりする。絵を描かせると、戦車や死体の絵が描かれる。しかし、しばらくケアを受けた結果、木や太陽の絵に変わりました。そのスタッフは『子どもたちが少しずつ未来をつくり始めていることが分かる』と話していました」
 岩間さんは最後に「先週始まった補習授業の写真です。子どもたちの笑顔が少ないと現地スタッフは言っています。皆が生きるのに精一杯です。現地の事業チームは『最も支援を必要としているモスル西側で初めて事業ができるのはうれしい』と、やる気がみなぎっています。子どもたちの苦しみやつらさをどれだけ理解できているか分かりませんが、できるだけ知る努力をして、理解し、寄り添いたいと思っています。事業地には入れず、直接支援できるわけではないですが、チームのために、子どもたちのために自分ができることをしたいと思っています。紛争の絶えなかったイラクで今度こそ平和が訪れるように、皆さまもイラクの未来に関心を持ってほしいと思います」と呼びかけました。
 この後、活発な質疑応答がありました。安全についての質問に、岩間さんは「WV内でも議論がありました。脆弱国と呼ばれる国に行くスタッフは、特別なトレーニングを受けます。現地ではWVのセキュリティーの専門家がいて、毎日情報収集をして、その分析に基づいてその日の行動を決めます。安全に十分配慮したうえでの駐在です」と答えました。
 終了後、ワールド・ビジョン・ジャパン マーケティング第1部コミュニケーション課の與十田喜絵さんが、ワールド・ビジョン・ジャパン30周年フィナーレイベント「つながろう、子どもたちのために」(9月17日、12:00~、東京新宿区、淀橋教会)への参加呼びかけなどをしました。
ワールド・ビジョン・ジャパン
https://www.worldvision.jp/



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