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前川喜平さん講演会「面従腹背さようなら。」

開催日:7月23日(月)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

 



毎日メディアカフェのイベント「前川喜平さん講演会『面従腹背さようなら。』が7月23日、毎日ホールで開かれました。
 学校法人加計学園の獣医学部の新設問題をめぐり、「総理の意向があった」と記された文書の存在を証言した、前文部科学事務次官の前川さん。初の単著「面従腹背」が6月27日、毎日新聞出版から発売されました。その出版を記念しての講演会です。
 前川さんは1955年奈良県御所市生まれ。東京大学法学部卒。79年文部省(現文部科学省)入省。文部大臣秘書官、官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官を経て、2016年文部科学事務次官に就任。17年1月、同省の天下りあっせん問題の責任を取り、退官しました。現在は自主夜間中学のスタッフとして活動するほか、各地で講演しています。
 前川さんはまず、「多くの人は何らかの組織に属しています。私が文部科学省で38年経験したことを、多くの人が体験していると思います。やりたいことができなかった、やりたくないことをさせられた、やりたいことができたということもあるでしょう。いろいろなところで、面従腹背をしました。それを話したいと思います」と話し始めました。
 「文部省は入りたいと思って入ったというよりも、何となく入りました。金とかものよりも人を対象にする分野がいいということで、教育行政に使命感を持っていたわけではない。仕事をしているうちに、使命感を持っていきました。何だこれはということがたくさんあった。午後6時半頃には部屋で酒を飲み始めた。部屋の中で雀卓を置いて麻雀を始める。毎晩、どの課でもやっていました。私は学生時代にやったことがなかったので断っていましたが、ある晩、メンバーが足りないと言うことで無理矢理入れられ、ひどい目にあったこともあります。1980年代の文部省は沈滞していたと思います。70年代はさまざまな制度改正が行われましたが、それが一段落して、中だるみの時期でした。文部科学白書というのを今は毎年出していましたが、当時は5年に1回でした。先輩からは『仕事が来たら何も考えずに断れ』と言われました。職員は仕事をしないために一所懸命でした。国会開会中は議員の質問の答弁を作る仕事があります。これをどこの課で作るか、毎晩もめるのです。何のためにもなっていないばかばかしいことに時間がかかります。一方、どこもやらない仕事が出てきます。新しい課題はどこもやろうとしない。例えば、外国人に対する日本語教育は大臣官房国際課、生涯学習局、文化庁国語課、初等教育局などが関係します。ものすごく重要な話なのに、うちの仕事ではないという狭間にあり、担当が決まっていません。私は文化庁国語課がやるべきだと思っています。いずれ日本は移民受け入れ政策をとらなければならないと考えています。その入り口は日本語教育で、文科省がやらなければならない。残念ながら、体制を作れないまま辞めることになりました。遅れず、休まず、働かずというのが役人の原則です。そうすれば、大過なく定年を迎えられる。私は大過がありましたが(笑い)。何もしないことがよいわけではないと思わせられたのは、薬害エイズ事件です。担当課長だった厚生省生物製剤課長が刑事責任を問われました。これは不作為の犯罪だと思います。ポストにいた課長が刑事責任を問われた。これは大事なことだと思います。職務をきちんとやらなければならないと痛感した事件でした」
 続いて、「高校専攻科修了者の大学編入学」問題に触れました。高校看護科専攻科修了者は20歳で正看護師になれます。そこで大学に入ってさらに学びたいと思ったとしても、3年からの編入学ができず、1年生に入学しなければなりませんでした。「高校看護科専攻科を卒業した人が大学に行こうとしても編入学資格が閉ざされていた。専攻科を出て正看護師の資格を取った人が1年生から学ばなければならないのはどうみても不合理で、3年生から編入学できるようにすべきです。高等学校を担当する立場(初等中等教育企画課長時代)でそう考えていました。しかし、いちいち法律を変えないとできない。学制改革に伴い制度が変わったのはそれから10年以上後です。ちょっとしたことなのに、時間がかかります」
 政治家との関係については、次のように語りました。「課長以上のポストになると、政治との関係が出てきます。どう間を取るか。憲法上はいずれも公務員です。公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。政治家は本気で憲法順守義務を守っているかどうかあやしい。天皇が最も憲法を守っているのかもしれません。国務大臣、国会議員は怪しい。その他の公務員も怪しい。全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないというのは、クギを刺しているのです。選挙で選ばれる政治家は、一部の奉仕者になりがちだからです。役人は身分保障があり、常に全体を考えていられる立場ではあります。政治的中立性、公平性を考えることができる。官僚にあって、政治家にないものです。官僚はそれぞれの分野について、知識、経験、情報、専門性を持っている。最終的な責任は政治家が負わなければならないのですが。政治家と官僚の関係は政治家が上位にあるべきだと思っています。私が役所に入ったころの役人は、自分が国を動かしているという気分でした。政治主導になってきたのは、民主主義として良かったと思います。『権力は腐敗する』という言葉があります。モリカケ問題は強い権力が続くと、そうなるということを示しています」
 著書のタイトルの「面従腹背」については、こう語りました。「正面切って『できません』と言うと、パージされる。しぶとく生き残るには、面従腹背です。面従腹背と忖度は一見、似ていますが、面従腹背は90度右に行けと言われたら、60度にとどめておく。忖度で文科省が問題を引き起こしたのは、沖縄戦における集団自決の記述についてです。第1次安倍政権のときでした。歴史教科書の記述で、集団自決への軍の関与を記述から消させた。文科省が忖度、迎合したのです。その結果、沖縄県で大反対運動が起こった。沖縄では、八重山教科書問題もありました。教科書採択問題で、共同採択する3市町の教育委員会の方針が合わない。育鵬社は領土問題を詳しく書いている。一方、東京書籍は基地問題を詳しく書いている。石垣市と与那国町は育鵬社、竹富町は東京書籍を選びました。共同採択制度そのものがナンセンスですが、竹富町はいけないという政治の力が働いた。最終的には、郡の中の町村は同じ教科書を使うという郡単位のしばりをなくす法改正がされました。自分自身を保ち続けるには腹背がないといけない」
 今年度から小学校で「道徳科」が本格実施されています。この道徳の教科化にも言及しました。「学習指導要領解説では、これまでと違って、自ら考え議論する道徳への転換を求めています。学習者の主体を大事にしています。ところが、教科書には別のことが書いている。子どもたちを型にはめてしまう。例えば、教科書にこんな話があります。少年野球の試合で、チャンスを迎え、1点入るとサヨナラで勝てる。星野君への監督の指示は送りバント。ところが、星野君は打てそうな気がする、絶好球が来たので打ったら、二塁打になり、試合に勝った。監督は『納得いかないことがある。決まりを守らなかった選手がいる。自分を犠牲にしないといけない』と言って、次の試合には星野君を出場させない。決まりを守りましょうという話です。こんな監督ばかりだと日大アメフト部になってしまう(笑い)。途中まで読ませて議論させるやり方があるかもしれません。絶好球が来たというところで、子どもに議論させる。キャプテンだったらどうするという議論の投げかけ方もあります。正解はない。自ら考えることが大事です」
 前川さんの熱弁は予定時間を超えるほど続きました。最後に、事前に出された質問に答えました。「夜間中学にかかわる前川さんにとって、子どもの学ぶ意義をどう考えますか」との質問です。前川さんは「学ぶことは人間らしい人間になる上で不可欠のものです。人間らしい人間が集まって社会を作る上で不可欠です。社会の礎になるベースは学ぶことです。一つひとつ学ぶことからしか社会は変わらない。学校の先生に願うことは、忖度するなということです。目の前の子どもたちのために何をするのかだけを考えてほしい。名古屋の学校で授業をしたのですが、授業の後、文科省から15項目にわたる質問状が来ました。文科省が政治家の圧力に負けてしまった。不当な支配に負けてしまった。名古屋市教育委員会、校長の対応は立派でした。校長は『主体性のある子どもを育てるには、教師が主体性を持たなければならない』と言っていました。主体性を持つことが何より大切だと思います。高校3年生には有権者がいます。現実の政治についても教材として取り上げてくださいと言っている。ところが、政治的中立性で、教師は自分の意見を言ってはいけないという。私は教師が自分の意見を言ってもいい、違う意見も同じように示せばよいと思っています。批判的な精神を持つ生徒を育てる。大人の言うことをうのみにする生徒にしてはいけない。学ぶということは、迂遠に思えても、そこからしないと、この国は立ち直らないと思います」と結びました。




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