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サステナブルシーフードで海を守れ!社員食堂への導入でSDGs達成に貢献

開催日:7月19日(木)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:SDGs

毎日メディアカフェのCSRセミナー「サステナブル・シーフードで海を守れ!社員食堂への導入でSDGs達成に貢献」が7月19日、毎日メディアカフェで開かれました。
 講師は公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)シーフード・マーケット・マネージャーの三沢行弘さん、サステナブル・シーフードの代表的認証であるMSC(海洋管理協議会)プログラム・ディレクターの石井幸造さん、日本で初めて社員食堂にサステナブル・シーフードを導入したパナソニック株式会社の喜納厚介さんの3人です。
 最初に、三沢さんが「WWFは3月、パナソニック社員食堂でのサステナブル・シーフード導入をお手伝いしました。パナソニックさんとはパートナーシップを組んで活動しています」と前置きして、サステナブル・シーフードの全体像を語りました。
「海の生物多様性が危機に瀕しています。生態系サービスが供給されるので、安全で健康で豊かな生活がおくれます。生態系サービスの基盤が生物多様性です。国連の持続可能な開発目標SDGsはようやく浸透してきました。SDGsには17のゴールがあります。おおもとの生態系がしっかりしていてこそ、社会、経済のゴールが達成されます。ミレニアム生態系評価では、海洋では生息域の改変、地球温暖化、過剰な資源利用、汚染が進行しています。最近は海洋のプラスチック汚染が問題化しています。漁業について言うと、魚の供給量は1950年に比べて8.5倍に増えています。1970年に世界の1人あたりの水産物の消費量は10kgだったのが、現在は1人あたり20kgです。1970年代には開発余地のある漁業資源は約40%ありましたが、それが約10%に減っています。また、漁業混獲の犠牲になる海鳥の数は72万羽以上、イルカは308000頭、ウミガメは43万頭います。養殖にも問題はあります。養殖マグロはえさを与えなければなりませんが、養殖マグロを1kg増やすには15kgのえさが必要だと言われています。養殖だから持続可能とは言えません。養殖にはほかに、周辺環境の汚染、強制労働の温床になっているケースもあるという問題もあります。人権への配慮も必要です。企業はサプライチェーンを見ないと、責任を問われる時代になっています。違法・無報告・無規制の漁業(IUU)がかなり存在していて、日本が輸入している魚も24~36%がIUUであるとの推計もあります。そこで、サステナブル・シーフードが重要になります」
 サステナブル・シーフードとは、「海の自然や資源、地域社会に十分配慮して生産(漁獲・養殖)されたシーフード」のことです。
・水産資源の持続可能な利用
・生態系への影響低減
・地域社会への配慮
・法令やルールの順守
・管理体制の確立
といったことがしっかりと実施されなければなりません。
 「サステナブル・シーフードを食べるには、専門家が認証した魚を選ぶのが手っ取り早い方法です。MSC認証は天然漁獲水産物の認証制度、ASC認証は養殖水産物の認証制度です。宮城県県産カキの半分は認証を受けています。WWFが協力しています。デマンドチェーンという概念がありますが、消費者として認証のついた魚を選ぶことにより、流通・販売業者は持続可能な魚の調達をするようになり、持続可能な漁業・養殖をして認証を取得する漁業者が増えます。これにより、海の生態系が守られます」
 パナソニック社員食堂へのサステナブル・シーフード導入については、「社員に持続可能な消費の機会を提供できるという意義があります。大事なのは普及・啓蒙活動で、サステナブル・シーフードを知った社員が、外で店に行ったときもサステナブル・シーフードを選んでくれる。社員食堂導入は水産を本業としない企業でもできることで、これが広がれば、日本全体が変わるうねりになります。仮に従業員数1000人以上の企業の社員食堂の3分の1に導入された場合、180万人に伝わります。相当大きなインパクトがあります。ロンドン2012オリンピック・パラリンピックを機に、英国では年間2億食のサステナブル・シーフードが食べられるようになりました。2020東京オリンピック・パラリンピックを機に、日本でも広げていきたい」と話しました。
 三沢さんは海を守るために消費者ができることとして、
1 MSC、ASCのラベルの付いたサステナブル・シーフードを購入する。
2 購入先にサステナブル・シーフードを販売するよう要請する。
3 社員食堂でのサステナブル・シーフードの取り扱いを要請する。
4 所属組織に、海を守る活動を支援するよう要請する。
5 海を守る活動をしている組織に寄付をする。
を挙げ、「WWFは人と自然が共生できる未来を目指しており、専門家として、アドバイスや協力をします」とまとめました。
 続いて、石井さんが話しました。MSC(海洋管理協議会)は1997年に設立されました。日本事務所設立は2005年です。「MSC認証は世界的な水産資源の減少、IUU漁業の横行などを背景に設立されました。漁業認証と、水産物の水揚げ以降のサプライチェーンに対するCoC認証の2種類があります。漁業認証は持続可能な漁業のための3原則に合致する漁業に付与されます。3原則は、水産資源が十分にある、漁業が生態系に与える影響を最小限に抑えている、管理システムがしっかりしている――ということですか。1年から1年半かけて厳正に審査されます。CoCは非認証水産物と混じることなく消費者に届くようにすることを目的とした認証です。最終加工時までに水産物の所有権を持つ全ての企業が取得できます。世界では認証取得358件、審査中74件。世界の漁獲量の1割、約1000万トンは認証された漁業で獲られています。日本では京都のアカガレイ(一時停止中)、北海道ホタテガイ、明豊漁業カツオ・ビンナガマグロ一本釣り漁業が認証を取得、石原水産カツオ・ビンナガマグロ一本釣り漁業が本審査中です。予備審査は14都府県、40魚種で実施されています」
 「CoC認証は2006年、世界最大の流通企業Walmartが認証を取得した水産物に限るの方針を打ち出してから急増しました。日本では2016年からの2年間で2倍に増え、164企業になりました。ドイツでは、国内の半分以上MSCラベル付き商品です。日本ではイオンが2020年までに販売水産物の20%を認証水産物にする、連結小売企業全てでCoC認証取得することを目指しています。日本生活協同組合連合会はラベル付き製品を急激に増やしており、水産部門の商品の17%(金額ベース)に上っています。世界1、2位の水産会社であるマルハニチロ、日本水産もCoC認証を取得しました」
 MSC認証のメリットとして、石井さんは「漁業者にとっては、付加価値による新たな市場・販路の拡大、価格が高くなる可能性があり、漁業の存続につながります。企業にとっては、付加価値による商品の差別化、ブランドイメージの向上、意識の高い客層へのPR、安定的な調達などのメリットがあります。消費者には、環境保全への貢献、トレーサビリティによる食の安全というメリットがあります」と指摘しました。
 最後に、喜納さんが報告しました。まずは、パナソニックの企業市民活動についてです。「パナソニックは今年創業100周年です。『事業を通じて社会の発展に貢献する』を経営理念に掲げ、企業市民活動に力を入れてきました。1960年代には歩道橋などの寄付・寄贈、70年代は障がい者雇用支援、80年代に松下国際財団設立、90年代はアジアから日本への奨学金留学制度の創設、2000年代に入り、NGOとの協働プロジェクトを進め、WWFとの協働が始まりました。企業市民活動中期方針では、共生社会の実現に向けた『貧困の解消』を掲げています」
 社員食堂へのサステナブル・シーフード導入については、次のように話しました。「企業として、SDGs達成への貢献が求められています。30年にわたりオリンピック公式スポンサーになっていて、レガシーの構築・継承活動としての貢献も目指しています。約20年にわたり、WWFジャパンと海の豊かさを守る活動をしてきたという協働の実績があります。こうしたことを踏まえ、社員食堂への導入を通して、サステナブル・シーフードの認知度を高め、消費者としての消費活動を変革し、持続可能な社会作りに貢献しようと考えました。導入に必要なステップが多くたいへんでした。社員食堂を担当する総務部門の理解、食堂業者、流通業者の理解、支援を得ます。食堂業者のエームサービスへの提案後、現状把握、調整、認証取得作業などで半年あまりかかりました。総務部門は『時代のトレンドとして対応しなければならない』と判断してくれました」
 導入後の反響はどうでしょうか。「本社食堂でサステナブル・シーフードのメニューを選んだ率は30%以上と、高い確率でした。社の経営方針発表会で会長が全拠点120カ所での導入を宣言し、秋以降、導入拠点を増やすことになっています。さまざまな業種の企業から、多くの問い合わせがあります。他の給食業者からの依頼も来ています」
 今後の取り組みとしては、月1回のトライアル導入から本格導入へ、導入拠点の拡大、他企業への導入支援、サステナブル・シーフード認知向上推進などを挙げました。
「社員食堂への導入企業の拡大、認知向上は、消費行動の変革、生産者の認証取得促進につながり、持続可能な社会の実現へとつながります」と結びました。
 この後、参加者との活発な質疑応答がありました。
 (写真は左から三沢さん、石井さん、喜納さん)



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