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熱中小学校の挑戦  地域の学びの場づくりを通じた地方創成とは

開催日:7月17日(火)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

毎日メディアカフェのイベント「熱中小学校の挑戦 地域の学びの場づくりを通じた地方創成とは」が7月17日に開かれました。
 「もういちど7歳の目で世界を・・・」のキャッチフレーズのもと、2015年に山形県高畠町で小学校の廃校を使った「熱中小学校」が誕生してから3年。「熱中小学校」(熱中塾などを含む)は全国11校まで拡大しました。立地地域は大半が人口流出地域で、これまで大人がナマで学ぶ場があまりなかったところに、さまざまな分野の著名人や専門家がノーギャラで来てくれるということで、向学心に燃えた地元民の熱い目に迎えられています。
 近未来研究会が企画したこのセミナーでは、熱中小学校群のプロデューサーである堀田一芙さんが、その取り組みについて語りました。なみへい合同会社代表社員で、なみへい-全国うまいもの交流サロン(神田)オーナーの川野真理子さん、久米繊維工業会長で熱中小学校東京分校用務員の久米信行さんがディスカッションメンバーとして同席しました。進行役を務めたのはメディア研究者で、NPO法人みんなの元気学校代表理事の校條諭さんです。 
 最初に、堀田さんが「人をつなげる熱中小学校」とのタイトルで講演しました。オフィス・コロボックル代表の堀田さんは1969年、慶應義塾大学経済学部卒、日本IBM入社。1976年、米インディアナ大学大学院経営学部修士。日本IBMでPC販売事業部長、ソフトウエア事業部長などを常務取締役として歴任。富士ソフト副会長、内田洋行顧問などを経て、2011年の震災を機にオフィス・コロボックルを東京赤坂に開設し、地方創生のプロジェクトを支援しています。熱中小学校の創始者であり、用務員です。
 「熱中小学校は目標があるわけではなく、成果をあげるためでもなく、やっていくうちに人のつながりで学校が成長しているのが現実です。私は団塊の世代で、今年71歳。会社をやめて10年たちますが、こんなこともあるのだと思っています。震災後、福島県の会津地方で風評被害対策をしていたとき、山形県で廃校を再生してほしいという話がありました。その学校は『熱中時代』というテレビ番組のロケーション場所として使われていた学校でした。その1校の再生の話とは別に、結果として、大人の学校にしようということになりました。いい歳になって自分の表現の仕方、コミュニケーションの仕方を変えることはなかなかできない。年齢や職業の異なる人たちが集まることによって、自分の殻を破る人が現れている、それをベースに地方創生をする、地方創生を人づくりからすべきではないかと考えます」
 堀田さんは「1分で分かる熱中小学校」として、「『他力創発』という概念に、物理的な『人』と『場』と『テクノロジー』を加えた小学校」だと説明しました。先生は幅広い年齢層で、最高齢は83歳の現役プログラマーとして世界に知られる若宮正子さん。最年少は「いまの女子大生の手で安心して母になれる社会をつくる」をコンセプトに活動する団体「manma」を創設した慶應義塾大学大学院生の新居日南恵さんです。
「熱中小学校の流儀」は以下です。
・一番目に大事なことは、楽しいこと
・二番目に大事なことは、多様性のある人がいること
・三番目に大事なことは、刺激と感動があること
・四番目に大事なことは、輪の広がりがあること
・五番目に大事なことは、そこに貴方がいること
 熱中小学校のやり方としては、次の4点を挙げました。
(1)デザインの力を使う
(2)動画の力を使う
(3)SNSを徹底活用する
(4)先生のコミュニティーを育てる
 校章は富山大学芸術文化部名誉教授でデザイン専攻の前田一樹さんがデザインした基本コンセプトをもとに、各地で違う校章を制作しています。動画では、熱中小学校の生徒を対象とした熱中動画大賞コンテストを実施中です。先生同士の交流の場は毎月1回、第3木曜日に開く「熱中さんもく教員室」。「他の分野の人に出会うことができるというのが先生のモチベーションの一つになっています」といいます。先生は無給で、交通費・宿泊代だけが払われます。
 堀田さんが今後の課題として挙げたのは、「自立への挑戦を継続する」ことです。「あと2年で国の補助金がなくなるので、その間に、自立しなければならない。今は『熱中通販』という通販をしています。通販という名前をやめて、コミュニティーサイトでものが売れるようにしたいと思っています。商品を発見し、値段をつける。新しい売り場を作って、地方にお金を回す。仕事を守り、帰りたい町を目指すということです」
 熱中小学校の総生徒数は746人(男性402人、女性344人)。平均年齢は52歳。生徒は半年1万円の授業料を払います。1期(半年)が1年に相当するという計算にしており、最初に誕生した山形県高畠町では、3年が経過し、もうすぐ卒業生が出ます。廃校の2階にある6教室はオフィスで埋まっています。廊下では、東北最大のジオラマを作っています。月に2回の作業で、5年がかりで作るそうです。
 ほかに、教育と情報技術を組み合わせた「十勝EdTechコンソーシアム」に取り組む「十勝さらべつ熱中小学校」、藍染め製品の販売を始めた「とくしま上板熱中小学校」、さらに「日本人コミュニティーの核になる熱中小学校を作りたい」と地元の日系人が開校準備を進める米シアトル市の例などを紹介しました。
 熱中小学校には「熱中パスポート制度」があり、生徒はどこの学校の授業も無料で参加できます。サイトに「全校イベントカレンダー」があり、授業の一覧が分かります。
 「熱中小学校は1県1カ所しかつくらないことを原則にしています(島は除く)。年に4校増やすのが限界です。『地方創生“熱中小学校”の果てしなき挑戦』(滝田誠一郎著、辰巳出版)が出たこともあり、問い合わせが来ます。熱中通販をやりたいからということで入ってくるところもあります」
 堀田さんの講演の後、川野さん、久米さんを交えた議論がありました。各地で先生を務める久米さんは「生徒は一言で言うと、いい人が多い。大学でも教えていますが、あまりやる気がない人が多い。感覚で言うと、中小企業のがけっぷちに立つ経営者の前で話す、あるいはカルチャーセンターで目を輝かせるシニアと女子の人がいるという感じですね。私が話すのはがけっぷちのTシャツ屋がITを使って何とかしたという経験と東京の田舎の墨田区が今は観光で盛り上がっているという経験です。スマホ1本で自分の故郷が有名になる、商品が売れるようになるという話をすると、目を輝かせて聞いているわけです。昔の墨田区と同じで自分たちの良さが分かっていない、ただの田舎で、美味しいものを食べていてもこれが当たり前だと思って価値を感じていない。宝物があるのに、気づいていない。自分たちの町の良さを認識していない。私が熱中小学校で思っているキーワードは遠心力です。ばらばらな人が一緒になることでしか、何かを生み出すことができない。地域を変えるのはよそ者、若者、ばか者だと言いますが、熱中小学校に来た人の何人かが新しいことを始める。 攪拌することによって、新しいものが生まれると思います」と話しました。
 川野さんは「千葉県いすみ市で事業を受託しました。6つの事業があります。例えば、風土・歴史をワークショップで市民にその良さを伝えるというものです。いすみ市は食のまちを目指していて、全て食絡みです。食の学校という名前で郷土料理の授業をして、市民に伝える。地域の人にワークショップを持っていくとき、市民がどこにいるのか分からない。どうやって市民に伝えるか。そこで、キーマンを市役所に聞いて、ご挨拶に行きました。地元の人にしてみると、首都圏からスペシャリストが来て授業を受けられるのはよいと思います。いすみ市には、移住している人が多い。その人たちはネットに強く、発信力がある人が多い。いすみ市の大原漁港で朝市をしています。首都圏にそれを知らせようというときに、地元の人はもう知られていると思っていますが、大原漁港がどこの県にあるのか、漁港に行くにはどこの駅で降りるのかから始めないといけない。私たちは緑の素敵な田んぼにびっくりするのに、地元の人は見飽きた表情で見ています。いすみ市だけでなく、いろいろな地域に、今ある資源を有効に使って、ファンを増やしたり、リピーターを増やしたほうがよいとお話して、活動しています」と報告しました。
 堀田さんが「30代で首都圏から移住している人が増えている」と指摘すると、久米さんも「いい意味で東京から脱出する人が増えてほしい。地方に美味しいパン屋さんが増えています。例えば千葉だと麦や美味しい食材がある。直売所にはだれそれが作った野菜が置いてあります」と応じました。
 この後、会場の参加者からも発言がありました。とくしま上板熱中小学校特任用務員の藪内祥司さんは「世界的に有名な人たちが人口7000人の町に来てくれます。月に探査機を送るプロジェクトのリーダーとか、札幌フィルハーモニーの奏者など。聴いているのは農家のおじさん、おばさんです。IT部、藍部、古民家再生部があります。藍を食べられるようにしたい、熱中通販で売ってほしいというおばあちゃんもいます。起業する人ができてくることが一つの目標かなと思います」と語りました。
 熱中小学校サイト
 https://www.necchu-shogakkou.com/



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