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地域を活かす「ご当地エネルギー」〜全国の取組みと「おだやかな革命」紹介〜

開催日:6月22日(金)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

セミナー「地域を活かす『ご当地エネルギー』~全国の取り組みと『おだやかな革命』紹介~」が6月22日、毎日メディアカフェで開催されました。
 「ご当地エネルギー」は地域の自然資源を活かしたエネルギーです。近年、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーが全国に広がっています。現在、全国で公開されているドキュメンタリー映画「おだやかな革命」(渡辺智史監督)は、各地のご当地エネルギーを4年にわたって丹念に取材した作品で、人口減少の危機に直面する地域の持続可能性について問いかけています。
 セミナーの講師はこの映画のアドバイザーを務めた高橋真樹さんと、ご当地エネルギーの実践者で、神奈川県小田原市で農業と太陽光発電を両立する「ソーラーシェアリング」に取り組む小山田大和さんです。ノンフィクションライターの高橋さんは持続可能な社会をテーマに国内外で取材しており、著書に「ご当地電力はじめました!」(岩波ジュニア新書)、「そこが知りたい電力自由化」(大月書店)などがあります。小山田さんは小田原市の「鈴廣かまぼこ」の副社長が呼びかけた「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」の創設に参画し、現在は理事兼事務局長を務めています。「合同会社小田原かなごてファーム」を設立し、2016年に神奈川県下6例目、2018年には21例目のソーラーシェアリングを竣工しました。その実績が評価されて平成29年度「かながわ地球環境賞」を受賞しています。
 「おだやかな革命」は東京電力福島第1原発事故後、福島県喜多方市経営者が設立した会津電力や、計画的避難区域となった福島県飯舘村で畜産農家が起業した飯舘電力、さらに岐阜県郡上市石徹白の農業用水路を用いた小水力発電、秋田県にかほ市の市民風車、そして森林資源を生かしたビジネスを模索する岡山県西粟倉村の挑戦などの現場を描いています。地域と向き合いながらエネルギー自治に取り組む人々を通して、本当の豊かさとは何かを問い直すドキュメンタリーです。
 最初に高橋さんが話しました。「全国ご当地エネルギーレポート(https://ameblo.jp/enekeireport/)で4年以上、100回あまりのレポートを連載してきました。地域、自治体でエネルギーを手がける試みが生まれています。生み出される電力は小さくても意義があることを伝えたい。ドイツでは自然エネルギーが電力の30%、40%を占めていますが、風車を立てたり、バイオマス設備を作ったりという地域の小さな取り組みの積み重ねで、それで法律ができていった。日本では、2011年の原発事故以降、人々が行動を起こし始めた。この数年で花が開いてきました。エネルギー問題を関係ないと思っている人、自分たちが動いても仕方がないと思っている人が多いが、少しずつ変わってきた。地域活性化が言われますが、まちづくりはうまくいっていると言えない。ゆるキャラで知名度があるのは「くまもん」くらいです。費用対効果があるのか。B級グルメも一過性のイベントになっている面があります。ふるさと納税は税金の奪い合いで、勝ち負けが出てしまう危ういシステムです。返礼品合戦が正しい地域おこしなのか。そうではなく、持続可能性を考えながら地域をつくっていく。その鍵が自然エネルギーであると思います。薄く広くあるエネルギー源を使う。地域のポテンシャルを活かして、そこで生まれたお金を別の取り組みに使うことができる。地域活性化のベースになると思います。今までは地域外にお金を払ってエネルギーを買っていた。ご当地エネルギーで発電して、地域の外に売ることにより、お金が入ってきます。ただし、自然エネルギーなら何でもいいわけではありません。沖縄県の風車の例があります。台風で壊れて今は動いていない。撤去する費用もない。負の遺産になっています。沖縄に台風が来るのはよくあることで、その対策ができていなかったことが問題です。設備を設置することが目的になってしまっていた。ビジョンがちゃんとしていないとおかしなことになります。台風が来たら倒せるタイプの風車は生き残っています。何のために設備をつくるのかを突き詰める、地域の人が参加していることが重要です」
 ここで、「おだやかな革命」予告編を上映しました。高橋さんは渡辺監督に取材場所の紹介、取材への同行をするなど、アドバイザーを務めました。「日本で初めて自然エネルギーのまちづくりをテーマにした映画です」と評価しました。続いて、映画に出てくる事例を紹介しました。
 「岐阜県郡上市石徹白地区は縄文時代から集落が存在していました。白山の信仰の拠点になった集落です。現在は人口270人の限界集落です。小学校をなくしてはいけない、存続させたいというのが地域の思いでした。岐阜市出身でコンサルタントをしていた平野さんという方が集落に出入りするようになり、ついには移住しました。水力のポテンシャルが高いということで、久保田さんという電気関係の仕事をしている地元の人と、小さな発電所をつくっていきました。補助金で水車の発電設備をつくると、見学者が来るようになった。水車のそばに農産物加工場ができ、土日に開くカフェができました。イベントも開催しました。移住者が増え、地元の人は喜びました。ここに、県と市が発電所をつくりたいと言ってきました。しかし、それでは売電収益が集落に入らない。石徹白の人たちは議論して、新しい農業組合を設立し、全員が出資する発電所をつくることにしました。2016年に発電所ができました。出力は県の発電所よりも大きい。売電収益を耕作放棄地対策などに活用しています」
 「首都圏の生活クラブ生協が協力した秋田県にかほ市の例は都市部と地方との連携の事例です。市の特産品はいちじく、ハタハタですが、毎日食べるものではありません。そこで、組合員と相談をして、新しいブランドの商品をつくりました。いちじくやハタハタのレシピを開発しました。『夢風ブランド』(風車の名前が『夢風』であることに由来する)と呼んでいます。売電だけで終わるのではなく活動に広がりができています。生活クラブ生協は電気の共同購入を始めました。会津電力、飯舘電力の電力も供給しています」
 高橋さんはご当地エネルギーの事例から分かることとして、「地域の自立に向けて地域の人自身が主役になっている」「地域の人と移住者で地域の宝を再発見する」「地域と都市部、生産者と消費者との新しい関係づくり」の3点を挙げました。「ご当地エネルギーとは、遠い存在になっていたエネルギーというインフラを自分たちに取り戻す挑戦です」と、話をまとめました。
 続いて、小山田さんが小田原市で繰り広げられる取り組みの経過を話しました。
 「東日本大震災、原発事故当時は平塚市の郵便局員で、保険の営業をしていました。大震災で、人生は何が起こるか分からないと考えました。経営者ネットワーク 2013年、鈴廣かまぼこの副社長が呼びかけた『エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議』の事務局をしてくれないかと言われ、事務局をしました。2014年に郵便局を辞めました。箱根は年間2000万人の観光客が来ますが、大震災後、一時は観光客が8割減になりました。鈴廣は会社が危ないというところまでいきました。計画停電がありましたが、かばぼこは熱したり、冷やしたりしてつくるので、エネルギーの塊のようなものです。かまぼこが製造できなくなる危機感を抱きました。エネルギーも地産地消しなければならないということで、38社が資本金5400万円(現在は5800万円)で『ほうとくエネルギー株式会社』を設立し、小田原市の郊外にメガソーラーをつくりました。小田原のご当地エネルギーの特徴は中小企業の経営者がリーダーシップを取って進めたことです。他の地域では、NPO、市民活動の人が設立することが多い。FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)で地産は進みました。今後は地産地消をしなければならないということで、地消の仕組みをつくるため、『湘南電力』が設立されました。代理業者には、サッカーの湘南ベルマーレも含まれています。湘南電力には営業する社員はいません。小田原ガス、プロパンガス業者が代理店になり、売ってくれています。都市ガスとプロパンガスの業者はライバル関係にあるのですが、一緒にやろうということになりました。私は『小田原の薩長同盟』と言っています。鈴廣はいま創業153年目ですが、150年の時、本社を建て替え、ゼロエネルギービルディング(ZEB)にしました。同じ規模の通常のビルに比べて、使用エネルギーは37%ですみます。快適な職場です。小田原では、いろいろな実践が花開いています。ぜひ、見に来てくださるとうれしいです」
 さらに、ソーラーシェアリングの取り組みを報告しました。「いま、農業の問題に取り組んでいます。私は6000坪の農地を管理しています。全国の農家の平均年齢は68歳です。農業人口は180~190万人です。耕作放棄地は40万haで、埼玉県の面積とほぼ同じです。小田原にも耕作放棄地は161haあります。これを何とかしなければならない。日本では農業を基盤に、伝統や風習がつくられてきました。農業を守る必要があります。小田原はミカンの産地です。6次産業ということで、ジュースをつくるなどしましたが、なかなか持続可能な農業にならない。そこで、思いついたのが農業と自然エネルギーを結びつけることです。農をしながら発電する。農家からは『日陰になるので、作物ができない』と言われました。実際につくってしまいましたが、農業じゃないと言われました。感情的に受け入れられなかったのです。しかし、誠意をみせているうちに、折れてくれた。急に変わってくれました。協力してくれるようになる瞬間が一番楽しいと思います。ご当地エネルギーで何をしたいか。それは地域でお金を回すことです。小田原市全体で、毎年エネルギー費を300億円出している。そのお金を1割でも2割でもいいから地元に取り戻す。自給率を上げていく。お金を原資にして医療、福祉、介護などをする。ご当地エネルギーを地域の再生につなげたいと思います」。小山田さんは熱くこう語りました。
 高橋さんは「農業収入だけでは厳しいから、売電でも収入を得る。ソーラーシェアリングは持続可能な農業のために、農業ありきの話です」と補足しました。大和田さんは「15.12kWの設備で、売電価格はkW時24円。売電利益は年間38万円の見積もりでしたが、60万円になりました。コメをつくっていますが、得られる収入は同じ100坪で3万円程度。収入で言うと発電の方が大きい。営農のモチベーションになります。このままでは豊かな田園風景を守れない。太陽光発電設備は景観にそぐわないと言われることがありますが、農地を守るためにいま必要なことです」と具体的数字を挙げて説明しました。
 この後、会場の参加者と質疑応答をしました。
 6月30日~7月9日、東京都杉並区阿佐ヶ谷北の映画館「ユジク阿佐ヶ谷」で、「おだやかな革命」が上映されます。初日の6月30日(土)には、14:15開始の上映の終了後、高橋真樹さんが舞台挨拶をします。
https://www.yujikuasagaya.com/



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