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元村有希子のScience Cafe 番外編「私、科学のミカタです」

開催日:4月12日(木)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:定期イベント

元村有希子のScience Cafe 番外編「私、科学のミカタです」が4月12日、毎日メディアカフェで開催されました。
 元村有希子のScience Caféは、元村有希子・毎日新聞科学環境部長が専門家を招いて科学の話題について話してもらうシリーズ企画。今回は元村さんの新刊「科学のミカタ」(毎日新聞出版)の出版を記念して、元村さん自身が語り手となる番外編です。元村さんは1989年、毎日新聞入社。西部本社報道部、福岡総局などを経て2001年、東京本社科学環境部。日本の科学技術と社会との関係をつづった長期連載「理系白書」により06年の第1回科学ジャーナリスト大賞を受賞しました。17年4月から科学環境部長。取得した教員免許は「国語」で、著書に「科学のミカタ」「気になる科学」「理系思考」(いずれも毎日新聞出版)など。TBS「新情報7daysニュースキャスター」コメンテーターで、科学コミュニケーターとして全国で授業や講演をこなしています。
「科学のミカタ」は、第1章「こころときめきするもの」から第5章の「近うて遠きもの、遠くて近きもの」まで、枕草子ふうの章立てで、幅広い科学の話題を分かりやすく紹介したエッセー61編で構成されています。
カフェでは、潟永秀一郎・毎日新聞出版雑誌本部長が聞き手を務めました。潟永さんは元村さんの西部本社報道部時代の先輩記者です。
 最初に、元村さんは「科学記者を長くしていますが、理科が嫌いで新聞記者になったのに、なぜか科学を取材しているという触れ込みになっています。科学環境部に来たのが35歳のときで、記者としては一人前になってから、科学の取材を恐る恐る始めました。しかし、楽しくて、楽しくて仕事をしているうちに、『気になる科学』『理系思考』という単著を出しました。『理系白書』は科学環境部に来て初めて手がけた大きな連載で、取材班キャップを務めました。記念誌的な本です。共著の『宇宙へ出張してきます』は読書感想文指定図書になりました。『科学のミカタ』は単著としては3冊目で、よく書いてきたなと思います」と語りました。
 次に、「秘蔵写真」の数々を見せながら、生い立ちを述べました。「内気で人見知り、体が小さく、給食を全部食べることができませんでした。小学校1年生の入学時の身長は105cmです。通信簿に先生が『1年生のうちに手を挙げられるようになろうね』と書いていました。3年生のときに、先生が皆に原稿用紙を渡して、何でもいいから毎日書きなさいと言いました。これを書いているうちに、自分が表現していいんだと思えるようになりました。それで、手を挙げ、意見を言えるようになってきました。しかし、書く仕事につくとは考えてもいなかった。社会的正義感があったと、そういうこともなく、いつのまにか新聞記者になっていたというのが実際のところです」
 続いては、記者としての修業時代です。「地方支局でサツ回りをしました。事件事故、裁判、災害などの取材をします。関心を引いたテーマには、医療過誤、薬害、不妊治療などがありました。今思い起こすと、医療関係、人間と科学技術との関わりに関心があったのだと思いますが、科学記者になることは全く思っていませんでした」
 ここで、先輩記者の潟永さんが西部報道部時代の元村さんのエピソードを紹介しました。「当時の報道部長が元村さんをどう評価していたか。第1は宴会の設定がうまいことです(笑い)。店の選び方から2次会まで、きちんと設定します。今も元村さんが作った『宴会の手引き』というノートが報道部に残っています。第2は外から電話がかかってくる数は元村さんがダントツだということ。外にチャンネルを持っているということです。それで、西部から東京本社に送られたのですが、その判断は間違っていなかった」
元村さんは太宰府天満宮で2週間、巫女の体験をして、ルポを書いた思い出や雲仙普賢岳の噴火の取材などを語りました。科学環境部に移った後のノーベル賞授賞式取材では、「ドレスコードは和服かイブニングドレス。7万円のドレスを自腹で買いました」とエピソードを披露しました。科学コミュニケーションに力を入れていて、昨年6月から始めた「サイエンスカフェ」はその一環であることを説明しました。
 潟永さんは本の話を振りました。「元村さんはコラムが上手で、行間がうまい。仕掛けをして人を引きつける文章を書きます。この本では、枕草子から入っています。先ほど、2人で、清少納言が毎日新聞にいたら、どんな人だろうねという話をしていました。枕草子から入ったのはどうして?」
 元村さんは「科学の本だと、つい物理、化学、生物、地学に分けてしまいます。それでは、誰も手に取ってくれない。どんな切り口があるかと考えていました。秋に病気で入院していたとき、清少納言が夢枕に立ちました。声を聞いたような気がしました。翌朝、毎日新聞出版の藤江千恵子さんに連絡を取りました。病院の控え室で目次を作ったりして、それから書き始めました」と答えました。
 潟永さんの「枕草子は皆さんが教科書でご存じなので、これはいけると思いました。清少納言は文学的素養があるが、キャリア志向も強い。出世なんて言いながら部長になったりする感じの女性ですね」という一言に、元村さんは「私のことですか(笑い)」。
 本の中で、元村さんが子どものころ、「世界七不思議」という図鑑を見るのが楽しかった と書いているエッセーがあります。潟永さんは「人が育つ環境は大事だなと思います。世界の七不思議を見ていなければ、違った人生になっていたかもしれない。アンパンマンの作者やなせたかしさん(故人)のインタビューで、どうしたら子どもが本を読むかと聞いたら、男の子だったら、この本だけは読んではいけないと本棚の後に隠しておくと、思春期になったら必ず読みますと答えていました(笑い)。家に本があるということは大事ですね」と話すと、元村さんも「本が友だちでしたね。題名を見て妄想していました。怒りの葡萄、月と6ペンス、赤と黒とか。想像力を膨らませたり、図鑑の果物のところで、兄とじゃんけんして、勝ったほうが(図鑑の)メロンを食べるとか。網目の入っているマスクメロンなんて図鑑でしか見たことがないでしたから」と応じました。
 本について、元村さんは「装丁がかわいい。女子力が高い装丁です。表紙を開いたところのエンボス(紙に文字や絵柄などを浮き彫りにする加工)がきゅんときます」と話しました。潟永さんは「科学を好きになってほしい。そういう入り口をきちんと作るのが新聞社、出版社の責任だと思います」と話しました。
 元村さんは「編集者が売り出したいところと、読んだ人の反応は違うことが多い、『気になる科学』で反響が大きかったのは、もてる男の薬指が長いという研究です。牛が北を向いているという話も反響がありました。潟永さんはどこで響きましたか」と尋ねました。潟永さんは「生物多様性のところです。生き方を反省しました。九州から出てきて、東京の人の歩く速さに驚いたのに、今は変わってしまった。締め切りに追われて、人間として劣化するのが分かる。今のほうが仕事はできるでしょうけれど、人間として豊かかどうか。これを読んだ瞬間、休みたくなりました。アラスカに行って、クジラを見たいなと。」と答えました。これは、写真家の星野道夫さん(故人)のことを書いたエッセーです。東京から編集者が取材に来てクジラを見に行った。ザトウクジラがジャンプした後を、静かな自然が包んでいる。編集者は東京に戻ってからも、そのことをいつも思い出し、豊かな気持ちになる――という内容です
「セレンディピティ」も潟永さんに響いたエッセーです。「ノーベル賞級の研究をしている人にエピソードを聞くと、必ず失敗しています。失敗は怖いものではないというメッセージを出したい」と元村さんは話しました。
 元村さんは「科学のここがおもしろい」とのタイトルのスライドで、「謎が解ける」「謎があることを知る」「謎を解いている人々」「謎が謎を呼ぶ」の四つをあげました。「自分の分かる範囲で記事にしています。科学記者は科学を理解するのではなく、科学を理解している人にアクセスする仕事だと思っています」とまとめました。
 この後、活発な質疑応答がありました。「ミカタ」が「見方」か「味方」かの質問について、編集者の藤江さんは「元村さんに解説してもらうと分かる気になる。ダブルミーニングです」と答え、元村さんも「私の命名ではありませんが、同じ考えです」と同意しました。潟永さんは「元村さんは科学のコンシェルジュだと思っています。そういう人がいないと、いけない」と話しました。
元村さん自身の好きな個所としては、第5章をあげました。「闘病記っぽい章立てです。父親を亡くし、自分もがんになった。それでも、これからも生きていく。こういうことも書きたいと思いました」
 最後に、科学環境部について、「他社に比べて一人当たりの守備範囲が広いのが特徴です。誰でもピッチャーになれる。これはとても良いことで、昨日は生殖補助医療、今日はイルカ、明日は原発と、何でもできる。取材しているうちにいろいろなものがリンクする瞬間があって、何でも取材することは悪いことではないと思います。4月から、『幻の科学技術立国』の連載を始めました。科学を推進してきたが、日本の研究力が下がってきている。その現状、原因を検証する企画です。『山は博物館』という連載も始めました」とアピールしました。

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毎日新聞東京本社1階にある「MOTTAINAI STATION」を毎日メディアカフェとして午前11時から午後6時(イベント開催日は午後8時30分)まで開放しています。新聞や雑誌を読んだり、タブレット端末で毎日新聞ニュースサイトや毎日スポニチTAP-Iなどを検索したりできます。イベントは全て無料で参加できます(予約制、申し込み順)。

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