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大人の独身女性「おひとりウーマン」の恋・仕事・幸せとは?

開催日:12月19日(火)18:30-20:00 イベントのカテゴリー:出版記念

マーケティングライターでトレンド評論家の牛窪恵さんのトークイベント「大人の独身女性『おひとりウーマン』の恋・仕事・幸せとは?」が12月19日、毎日メディアカフェで開催されました。
 2004年、初の著書で流行語「おひとりさまマーケット」を世に広めた、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん。牛窪さんが40・50代の独身女性や関連企業約40社を半年以上取材して執筆した最新刊『「おひとりウーマン」消費!巨大市場を支配する40・50代パワー』が12月8日、毎日新聞出版から発売されました。その出版を記念してのイベントです。
 牛窪さんは1968年東京生まれ。日大芸術学部映画学科卒業後、大手出版社に入社。5年間の編集及びPR担当の経験を経て、フリーライターとして独立。2001年、マーケティングを中心に行うインフィニティを設立。現在、同志社大学(ビッグデータ解析研究会メンバー)ほか、複数の大学や大学院で教えながら、立教大学大学院(MBA)に通学中。05年「おひとりさまマーケット」が、09年「草食系男子」が、それぞれ新語・流行語大賞に最終ノミネートされました。インフィニティ代表取締役。財務省財政制度等審議会専門委員、内閣府経済財政諮問会議・政策コメンテーター。
 牛窪さんは初めに、かつて女性1人の外食や旅を応援する「おひとりさま向上委員会」を主宰して「おひとりさま」の言葉を広げた岩下久美子さん(故人)のことを紹介し、「岩下さんからは、おひとりさまのことを企業に対して発信してほしいと言われていました。当初は、岩下さんの遺志を継ぐという気持ちが強くありました」と話しました
 インフィニティが手がけるのは、定量調査と定性調査です。「定量調査は大人数に対し、手配りやインターネット等による同一アンケートで調査し、数で傾向を見ます。今はビッグデータが自動的にデータを蓄積していく時代になりました。AIを使って、潜在的なニーズまで分かると言われています。定性調査は少人数に対し、対面形式で調査して、言葉や表情で内面を探ります。深く聞かれて初めて気づく潜在ニーズを調べます。この二つを照らし合わせ、時代の兆しを読みます」
 おひとりウーマンが生きてきたのはどんな時代でしょうか。牛窪さんは世代の傾向を知るうえで、まず3要素を見るといいます。「まずは景気です。特に17~23歳のころの景気です。次に、社会情勢で、政権交代や男女雇用機会均等法、労働者派遣法といった法律の制定、改正があったかどうかなどです。三つ目がメディアです。今はSNSが当たり前になり、コミュニケーション、情報流通の量が増えました。3要素がどんな影響を与えたかを考えます」
 おひとりウーマンを構成するのは、「新人類」「真性バブル世代」「団塊ジュニア世代」です。新人類は1959~64年生まれ(現53~58歳)、真性バブル世代は1965~70年生まれ(現47~52歳)、団塊ジュニア世代は1971~76年生まれ(現41~46歳)です。
 「私自身の90年代初頭のことを先に話します。91年、第1志望の広告代理店に最終面積で落ち、大手出版社に新卒入社しました。書くことを目指していて、出版社に入れば書くことができるとノー天気に考えていました。ところが、書くのは編集プロダクションがする。担当したのは、先生の原稿を取りに行くとか、あとは私、書くのが早いので、役員会議や支社長会議の書記を担当させられました。そこで学んだのは、月次決算の見方やスケジューリングの考え方、根回しなどです。丸5年間で退職し、フリーになりました。その後、ストーカーに追い回され、本当に怖い思いをしました。岩下さんと出会ったのは、桶川事件(ストーカー殺人事件)のことを取材していた岩下さんにインタビューするためでした。ストーカー問題で助けてくれたことがきっかけで、今の主人と結婚しました」
 さて、「新人類」はどんな世代でしょうか。「川島なお美さん(故人)がこの世代です。 サーフィン、ディスコが流行し、華やかな流行語が並ぶ時代です。ボディコンという女性らしい服装がはやり、海外へのあこがれが強かった。女性の仕事はお茶くみ、コピー取りで、職場の花と言われた。寿退社が7割もありました。恋愛観に影響を与えたのがテレビドラマ『男女7人夏(秋)物語』です。画期的だったのは明石家さんまさんが結婚を前提とせずに性交渉を持つシーンが描かれていること、大竹しのぶさんが結婚か仕事かと迷って、海外で働くという道を選ぶということでした。大学時代に『丸井の赤いカード』で、高級ブランドものや車をローンで買う学生が出現しました。男女雇用機会均等法が1986年に施行されましたが、まだ男女格差が激しく、格差是正が進んだのは90年代後半に入ってからです。女性が財力を身につけると、結婚先送り現象が起こると言われますが、未婚化の原因はそれだけではない。女性の社会進出が進む時期に、ちょうどバブル崩壊で男性も自信を失ったことがあると言われています」
 次は「真性バブル世代」です。「この世代は何でも形から入ります。映画『私をスキーに連れてって』がはやり、クリスマスの関越自動車道は練馬から苗場方面まで車が動かないほど渋滞していたそうです。クリスマスにはティファニーをプレゼントする。皆がそうするので、買えない人も出てきて、ティファニーが列に並んだ人たちに証明書を出したといううわさもあります。男の子が車でエスコートするのが当たり前で、私もアルバイト先への送り迎えはほぼ毎回、彼がしてくれました。当時は携帯電話もない中でしたから、どれほどのことを強いていたのかと反省します(笑)」
 最後に、「団塊ジュニア世代」。「この世代は男女平等教育を受けた世代です。友だちカップルが生まれ、服装はカジュアル、髪はショートカット、男女ともアウトドア志向です。シンプル族という言葉もあり、個性を主張しすぎない。ミエよりも使い勝手を大切にします」
 おひとりウーマンを知るキーワードは何か。牛窪さんはまず、「独身女性は自己責任ゼロ」という社会学者、山田昌弘さんの言葉を紹介しました。山田さんは結婚せずに親と同居する「パラサイトシングル」という言葉の発案者です。男性は300万円以下が未婚率が高い、正社員は非正規よりも婚姻率が高いというように、経済力が結婚を左右します。ところが、女性は非正規のほうが婚姻率が高く、収入と婚姻率には相関がない。山田さんの調査では、身長や顔も婚姻率と関連がない。「では何?」の問いに、山田さんは「運ですね」と答えたそうです。「妥協するかしないかは一つあると思います。もう一つは仕事の状況などのタイミングだと思います」
 次のキーワードは「時短より時コン」。時間をコントロールすることです。「女性は結婚している、していないにかかわらず、仕事が忙しく家事をおろそかにすることに罪悪感があります。40分かかるが、レンジに入れっぱなしでいいとか、空き時間で作りおきできる商品が売れています。スマホで遠隔操作して調理できるAI搭載の家電も出てきています。なまけているのではないぞと自分に言い聞かせたいのです」
 さらに、「なんちゃって母性」から「なんたって母性」。「困っているペットを引き取りたいとか、継続的にボランティアをする。『おばバカ』は、自分が子育てしていない罪悪感から、きょうだいの子どもについついお金を使う、自分でもバカだなと思いながら、ケアをしているのです。本には『福山ロス』(福山雅治さんの結婚による喪失感)でマンションを衝動買いした女性が出てきますが、車を買う女性も多い。決して収入が高くない女性も多く含まれています。不動産や金融関係の方は『女性は未納がない、真面目にローンを返すので、ありがたい消費者です』と言っています。リノベーションの需要も高い。私が合わせるのはいや、家を合わせてほしいということです。譲れないところがある。こだわりが強いから結婚できないのですという女性もいます。スタイルができている。こうした女性の『男前消費』には、メルセデス・ベンツ社も注目しています。ワインやお酒に合うチーズの消費が軒並み伸びているのも男前消費と言えます」
 「まだ女を降りたくない=崖っぷち温活」というキーワードもあります。「妊娠は40代半ばが崖っぷち、更年期の境目は50歳前後、という感覚です。女を降りるか降りないか。プチ湯治をして、妊活に向けて代謝をよくする。マグマスパ、ホットヨガもはやっています。バブル世代は女であることのアドバンテージを感じてきたので、よけいに女を降りたくないのです」
 「リメンバー消費」は仕事が落ち着いた今だから、諦めていたことにトライしたいという消費です。お酒について深く学ぶセミナーは女性の姿が目立ちます。「オトナ思春期の葛藤」もあります。「50代は7割、40代でも4割は老眼・老眼予備群です。老眼鏡は老け込んだ感じになるので、遠近両用のコンタクトレンズにしたい。この市場は大きいと思います」
 キーワードの最後は「ぼっちが怖い、だから終活・墓トモ・友達近居」。「人生の最期に独りぼっちになるのが怖いので、エンディングノートを書いたり、セミナーで情報交換する。友だち近居をする女性も増えています」
 この後、「皆さんと考えてみたい」ことをいくつかあげました。今後十数年で、いまの仕事の半分はAIが代替すると言われるが、おひとりウーマンはAIとうまくやれるのか。おひとりウーマンのパラサイトは減るのか。おひとりウーマンは「親の介護」を乗り切れるのか。おひとりウーマンの「居場所」は増えるのか。そして、2030年の「おひとりさま市場」はどうなるのか。「2030年には配偶者がいない人が約5割になると予測されています。2025年問題もあります。団塊世代が後期高齢者になり、病院のベッド数が現在の1.5~1.6倍必要ですが、政府は在宅介護を強化する方針です。在宅勤務が奨励されると、家で親を看ながら仕事をするということですが、本当にやれるのか。また、おひとりウーマンは収入格差も顕著なので、買い物の途中で無料の図書館に行けるとか、高付加価値化した銭湯とか、お金をかけずにひとり時間を楽しめる場所が求められます。おひとりさまへの社会保障は先進国の中で日本は遅れています。独身ファーストの政策が出てくるのか。おひとりさまの言葉は急に市民権を得ました。ちょっとしたきっかけで急に社会の流れが変わることがあるので、それを期待します」
 トークの後、参加者との活発な質疑、意見交換がありました。この中で、親と同居するおひとりウーマンは家事をしていない人が多そうだが将来、親の面倒を看られるのかという質問に対し、「私の会社(インフィニティ)と積水ハウスの2社で設立した『これからの家族を考える会』が400人の母娘に取材したところ、9割以上の娘は家事をしていなかった。親が喜々としてやっているので、と甘えています。親御さんには、毎週1日だけでも娘に食事の支度をさせてくださいと言っています。いつまでも親子の関係でいるのでなく、大人対大人にならなければなりません。介護については家事と切り離し、一つのスキルとして資格を取るとか、思い切ったことをしないと変わらないかもしれません」と答えました。「草食系は今後どういう消費をするのか、どうなるのか」との問いには、「草食系はシェアリング、所有しない、レンタルでいいという考えです。ものがほしいわけではなく、ネタを楽しむことを好む。大物は買わない。和の文化やエコを大事にします。慎重で所有を面倒くさいと感じる。メンテナンスが大変だということを知っているから、彼女がいると気を使わなければいけないし、メンテナンスが大変だからいらないと思う。TBSテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(逃げ恥)は若い子の恋愛観に合っている。きっかけは大恋愛ではなく合理的な契約、でも共に居続けることで情がわくということですね。大恋愛はバブル期のアメリカナイズされた文化で、日本人に合っているのは逃げ恥的な情愛だと思います。同棲している若者は多い。一定期間同棲していると、結婚しているのと同じ恩恵がある制度を考えないといけないと思います」
 終了後は牛窪さんのサイン会。多くの参加者が『「おひとりウーマン」消費!巨大市場を支配する40・50代パワー』を購入して、サインをもらい、記念撮影していました。

 


 

 

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