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「不動産暴落時代の相続対策」 (実家が持ち家の方は要注意!)

開催日:12月18日(月)18:30-20:00 イベントのカテゴリー:その他

 


不動産、相続に関するセミナー「不動産暴落時代の相続対策~実家が持ち家の方は要注意!」が12月18日、毎日メディアカフェで開かれました。
 講師は相続・不動産コンサルタントの藤戸康雄さん。藤戸さんは慶應義塾大学経済学部卒業後、大手コンピュータメーカー、コンサルティング会社を経て、バブル崩壊後に大手住宅ローン保証会社で不良債権回収ビジネスに6年間従事しました。その後、外資系不動産投資ファンドのアセットマネージャー、不動産投資ベンチャーの役員などを務め、不動産金融・不動産法務の最前線で働きました。アパート2棟と自宅不動産を東京都内に所有する妻の実家で相続が発生したことを契機に、アパートオーナーの不動産相続の大変さに気づき、相続・不動産コンサルタントになりました。1級ファイナンシャルプランニング技能士・公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士の資格を持っています。11月に『「負動産」時代の危ない実家相続』(時事通信社)を出版しました。
 藤戸さんは「今まさに不動産暴落時代の入り口に立っています」と指摘して、その根拠や具体例を説明しました。
 まず、「アベノミクスによる金融緩和の影響」です。2012年の第2次安倍内閣誕生の際に、安倍晋三首相が発表した「アベノミクス」は、「3本の矢」と言われる政策、①大胆な金融緩和②機動的な財政政策③民間投資を喚起する成長戦略――です。
 「アベノミクスの中でも際立って世界から注目されたのが、日銀による大胆な金融緩和です。日銀が市場から日本国債を大量に買い取ることで市場に通貨を大量に流通させました。その結果、市場における貨幣価値が下がり、1ドル80円前後と円高であった為替が、1ドル120円にもなる円安ドル高へと大転換しました。金融市場への影響はとても大きく、日経平均株価は民主党政権末期には9000円前後であったものが、現在では1万9000円台と、2倍以上になりました。金融緩和の影響は日本の不動産市場に大きな影響を与えています。国土交通省の不動産価格指数によると、2013年、1ドル100円を超える円安になった時期からマンションの価格指数が大きく上がっています。ちょうど中国の不動産バブル崩壊による経済危機が盛んに叫ばれていた時期で、中国、台湾、香港等の中華系富裕層が中国からの資金逃避先として、東京オリンピックの開催が決まった日本の都心部への不動産投資を本格化させたのです。湾岸エリアのタワーマンションへの投資は有名な話です。タワーマンションは相続税対策で買われました。1億円のタワーマンションは2000万円ぐらいの評価額になり、節税になります。なぜ円安だと、日本の不動産は買いなのでしょうか。それは、日本における不動産価格が同じでも、為替が円安の時に投資して円高の時に売却すれば為替差益が生じるからです。しかし、一部の投資家の間では、ピークを過ぎたと見られるようになりました。中国の富裕層が買い始めた2013~14年から5年を経過する2018~19年にかけて一斉に売り逃げるのではないという観測があります。それは、取得から5年以内の売却に関する譲渡益課税は40%だが、5年超経過して得る売却益には20%の譲渡益課税となるという日本の税制が理由です。5年を超えてから売却した方が税金は安くなるからです。東京都心でここ数年に分譲されたタワーマンションの売却件数が増えれば、価格は下がります。東京都心の新築に近いマンションの価格が下がり始めれば、中古マンションや中古戸建ての価格はつられて下がります」 
 次に、2015年からの相続税増税の影響です。
 「2015年1月1日以降に発生する相続から、相続税の基礎控除が40%も減額されました。その結果、課税対象者は人口の4%から8%になりました。東京では15.7%です。相続税節税目的で古くなった自宅等をアパートに建て替えたりマンションを新築する人が増えました。現金よりも不動産の方が、同じ不動産でも自宅よりも賃貸建物の方が相続税評価額は下がり、相続税を節税することができるためです。金融機関がアパート建設融資に走ったため、金融庁はアパート融資を引き締める指導をしました。建てられるアパートが増えると、既存のアパートは空き室だらけになります。人口が減っているのに、現在、820万戸の空き家があります。アパートの家賃は下がり続けています。私の妻の実家が東京の郊外にアパートを持っていますが、家賃は5年前の4万5000円から3万円に下がりました。増え続けている相続税対策のアパートの多くは単身用アパートです。私の試算では、2017年に新築された木造アパートについて、5年後に空室率が5%アップし、家賃が10%下落した場合の収益還元価格は約17%も下がります」
 この後、今後の想定されるリスクについて話しました。最初は「2018年問題」です。「2018年問題は、日本の18歳人口が2018年を境に減り続けていくことを指します。18歳といえば高校を卒業して多くは大学または専門学校に進学し、進学しない場合でも新社会人となって働き出す年齢です。大学進学や社会人となって就職するときには、一人暮らしを始める方が非常に多くなります。この一人暮らし人口が減るということは、アパートの空室がさらに増え続ける要因となるということです。教育界ではこの問題は深刻に受け止められていました。地方大学を中心に大幅な定員割れなどが問題視されるようになり、東京や大阪などの大都市にある有名私立大学といえども免れない18歳大学進学者の取り合い合戦になったのです。その結果、郊外にある大学の都心への移転が始まりました。青山学院大学、実践女子大学、拓殖大学、大妻女子大学、東京理科大学が一部学部、学年を都心に移しています。このようなキャンパスの移転は地元のアパート経営をしている大家さんには大打撃となります。多摩モノレール沿線のアパートは家賃が安くなっています。実は2018年問題はもう一つあります。東京都心部での新築ビル大量供給です。新宿、渋谷、東京(丸の内、大手町)などのビッグターミナルの駅前では、新しい大きなビルが立て続けに建設されています。企業のオフィス需要を捉えて、大手不動産会社は、競うように大型ビルを建設しています。しかし、需要よりも供給が大幅に上回り、価格が下がるリスクがあります」
 次は「2019年問題」です。「不動産価格の下落を予感させる最も重大な問題は、2019年をピークに日本の世帯数が減少していくことです。世帯数の減少により、住宅用不動産の売買価格やアパートの賃料も下がり続けることになります。実は、もう一つの隠れ2019年問題があります。消費税増税です。安倍総理は2017年4月に予定していた8%から10%への消費税増税を2019年10月に延期することとしました。2019年には団塊の世代が全員70歳を超えてきます。2025年には全員が後期高齢者となります。医療保険、介護保険にかかる費用も全体では莫大になってくると思われます。ただでさえ社会保障費の財源不足に悩んでいる日本の国ですから、消費税再再延期はないと考えざるをえません。過去に消費税増税された時には間違いなく消費は低迷しました。不動産は下がる可能性が高いといわざるをえないのです」 
 さらに「2020年問題」と続きます。「東日本大震災からの復興で、東北では新しい建物の新築ラッシュがありました。建設資材や建設関連人材の需要が急激に起こったために、建設資材の高騰や人手不足による建設関連人件費の高騰が起こり、結果的に被災地とは関係のない場所での建設費も高騰しました。さらに、東京オリンピックの開催に伴って、国立競技場の建て替えに代表されるような各種の競技施設の建設工事が増えました。いま分譲されるマンションの価格は上がっていますが、上がりすぎた価格は下がります。選手村は高層マンション形式でつくられますが、5650戸がオリンピック終了後は分譲・賃貸マンションになります。これも価格が下がる要因になります」
 そして「2022年問題」です。「1991年に生産緑地法が改正され1992年に施行されました。主に大都市圏の市街化区域にある農地について、原則通りに宅地化を進める農地(宅地化農地)と、農地として保全する生産緑地に分けられました。生産緑地に指定されると固定資産税が極めて低い税率になると同時に、相続税が納税猶予されるという大きなメリットがある反面、指定されてから30年間は農業を営むことが義務とされます。万一、所有者が亡くなって農業を継ぐ者がいなくなると、宅地化農地として扱われ、宅地並みの固定資産税を支払わなければなりませんし、相続税の納税猶予もされなくなります。問題なのが、1992年に指定された3大都市圏の生産緑地は約1万3000haあるとされ、その約8割が2022年に指定から30年を迎えることです。不動産市場に大量の土地が出てくるものと推測され、大都市圏の住宅地の価格が暴落する恐れがあるのです。政府は一定条件の下で「特定生産緑地」の指定を受ければ買取申出期間を10年先送りすることができるという緩和策を出しましたが、具体的な運用は未だ流動的です。大都市圏で実家を相続する人は2022年問題から目を離せません」
 最後に、これから実家を相続する人が考えておくべきこととして、以下をあげました。
①相続でもめている暇はない。誰が、どのようにして相続するのか?予め家族で検討しておくことが大切。
②売るために必要なことを知る。まずは売れるのか売れないのか?売れるとしたらいくらくらいなのかも知る。
③売らない、売れない場合には、まずは貸すことができないかを検討する。ただし、貸すことは簡単ではない。
④売ることも貸すこともできずに万一「空き家」になってしまった時の対策。
⑤相続税がかかる実家の場合、まずは「小規模宅地等の特例」の適用可否を検討しよう。
 「相続の調停・裁判例は10年間で1.4倍になっています。その75%は財産が5000万円以下です。金持ちの家はもめていない。あまりないほうがもめるのです。もめると最低1年、長いと3年かかります。相続して誰も住まない家が増えています。戸建てを相続しても、3大都市圏以外はなかなか売れない。売れない理由の一つは隣との境界が確定していない場合が多いことです。法務局に登記されている。登記簿面積は確かではなく、土地の境界の確定は簡単にはできない。売ろうと思っても売れないのです。売れないなら貸そうかということになりますが、配管や内装をリフォームするにはお金がかかります。2015年の空き家対策特別措置法では、『特定空き家』に指定されると、固定資産税が6倍にもなります。倒れそうな家は取り壊し命令、改善命令が出ることがあります。放っておくこともできません。特定空き家に認定されないためには、最低限の修繕・補修が必要です。親の残してくれる大切な財産であるはずの実家を負の遺産にしないよう、対策を考えましょう」
 この後、参加者と質疑応答をしました。


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