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雪結晶で読み解く雲の心

開催日:12月14日(木)18:30-20:00 イベントのカテゴリー:出版記念

毎日メディアカフェのセミナー「雪結晶で読み解く雲の心」が12月14日、開催されました。
 雪結晶の姿や種類は実に多様です。雪結晶は日本海側や北日本の雪国で、顕微鏡でしか見えないようなイメージを持たれるかもしれません。しかし、関東でもスマートフォンのカメラなどを使って手軽に観察できます。気象庁気象研究所は首都圏降雪現象の実態解明を目的に、関東甲信地方在住の方々から降雪時に雪結晶画像を募集する「#関東雪結晶プロジェクト」を実施しています。「雪は天から送られた手紙である」といわれるように,雪結晶を読み解くことで,雪を降らせる雲のことが分かってきます。
 このセミナーは日本雪氷学会関東・中部・西日本支部の後援で開催され、気象庁気象研究所予報研究部第三研究室研究官の荒木健太郎さんが講師を務めました。荒木さんは防災・減災を目指して、豪雨・豪雪・竜巻などの激しい大気現象をもたらす雲の仕組み、雲の物理学の研究に取り組んでいる研究者です。ちょうどこの日は新たな著書「雲を愛する技術」(光文社新書)の発刊日で、この新刊と、「雲の中では何が起こっているのか」(ベレ出版)、執筆者として参加した「世界気象カレンダー2018年版」(日宣テクノ・コムズ)が販売されました。
 荒木さんはまず、さまざまな雪の結晶の写真を見せました。美しい樹枝状の結晶、手がたくさん生えているように見える「12花」の結晶、つぶつぶがついている結晶、まるっとした結晶、チクチクしそうな針状結晶、氷のようなクリアな結晶。多彩な形状があります。「雪の結晶をどうやって撮るのでしょうか。使うのはスマホ。黒や青の濃い色の生地のものの上に結晶が舞い降りた瞬間がシャッターチャンスです。あらかじめ外で冷やしておくと溶けにくいです。1円玉など大きさが分かるものを置くと、大きさが分かります」。
 続いて、雲の話です。「雲と仲良くなりたい。人間と同じで、好きな子と仲良くなるには、その子のことを知ることが必要です。見た目や表情、性格、生い立ち、生まれ育った故郷、いつどこで会えるか。それが分かれば、待ち伏せできます。これは人にやってはだめです(笑)」と、ユーモア交じりで話します。
 「雪は天から送られた手紙である」の名言を残した中谷宇吉郎博士は雪を41種類に分類しました。現在の「グローバル分類」では、大分類8種類、中分類39種類、小分類121種類があるそうです。「どうして姿が違うのか。気温と水蒸気量によって形が違います。降ってきた雪を見ると、だいたいの上空の気象状態が分かります。天からの手紙(雪)には、雲の心が書かれているのです。雲の心を読めるようになれば、好きな子に出会えます。雲や雪と仲良くなってほしい」
 続いて、雪結晶観測の仕方を説明しました。荒木さんは参加者にスマホで雪結晶の写真を撮影してもらいました。まずはスマホ用マクロレンズを付けないバージョンです。スマホのズームを最大にします。約10cm離れたところでピントが合います。次に、マクロレンズを取り付けて撮影してもらいました。マクロレンズは100円ショップで売られています。これを付けると数cmのところでピントが合います。「上下に動かしてピントを合わせるクセをつけておきましょう。寒いので手が震えてぶれやすくなります。少しの手ぶれでもぼやけるので、接写で連写します」。撮影した雪結晶の写真はツイッターで「#関東雪結晶」のタグをつけて、撮影時刻と場所を記載して投稿します。
 次に、雲の解説です。雲の定義は「無数の小さな水滴や氷の結晶の集合体が地球上の大気中に浮かんで見えているもの」。「雲粒子は液体か固体の水で、目に見えないほど小さく、毎秒1cmの速度で落下するのですが、上昇気流があるので、落ちずにとどまります。太陽光を散乱して、私たちからは雲として見えます」
 水には気体、液体、固体の三つの顔があります。「異なる相に変化するときは熱をもらったり出したりします。汗をかいたときに扇風機の風を受けて涼しく感じるのは、液体の汗が蒸発するときに周囲から潜熱を奪うからです。雲が成長するとき、雲の中では潜熱が放出されるので、雲の外側の空気に比べて少し温かくなっています。空気の塊は温度が高いと水蒸気をたくさん含めますが、上昇して冷えるとあまり水蒸気を含めなくなります。水蒸気をたくさん含んだ状態で、あふれた水蒸気が雲粒や氷晶になります。0℃より低温でも液体のまま過剰に冷えた状態を過冷却といい、そのときの雲粒は過冷却雲粒と呼ばれます。過冷却雲粒と氷晶が同時に存在すれば、氷晶に向かって水蒸気が移動し、足りなくなった大気中の水蒸気が過冷却雲粒の蒸発で補給されて、穴あき雲ができたりします」
 雲粒子が生まれるときは、エアロゾルと呼ばれる液体や固体の微粒子が芯になります。このプロセスは核形成と呼ばれます。これを実感できる映像として、荒木さんは「アツアツの味噌汁に線香を近づける」動画を映しました。火のついた線香を近づけると、味噌汁の温度が変わったわけではないのに、湯気が激しく立ちます。これは「線香の煙の粒子が核になって湯気ができる」のです。
 雲の種類は「十種雲形」と言われるように、大きく分けて10種類あります。日本海側で雪を降らせる雲は積乱雲です。一方、関東の雪は「南岸低気圧」と呼ばれる本州の南海上を進む温帯低気圧に伴って発生します。2014年2月14~15日にかけて、関東では歴史的豪雪になりました。南岸低気圧による降雪は「正確な予測が難しい現象」として知られています。「低気圧の発達度合い、中心位置、雲の広がり、地表面の状態などが複雑に関係しており、これらすべてを正確に予測しなければならないのですが、実態がよく分かっていない」と荒木さんは指摘しました。「#関東雪結晶プロジェクトで得られた観測データから雪を降らせる雲の特性を明らかにすることにより、降雪予測精度が向上すると期待されます。市民が研究者と一体になって研究する市民科学です。きれいな結晶だけではなく、見慣れないものも含めて全部送ってください。数値モデルの検証、改良ができます。雪が降らないときは霜結晶の写真を#霜活、朝露の写真を#霧活で出してください。露は天然の魚眼レンズなので、『インスタ映え』します。雪は楽しいので、ぜひ好きになってください。結晶を観測しつつ、仲良くなってください」
 #関東雪結晶プロジェクトは昨冬期に初めて実施され、数千人から1万枚以上の画像が集まりました。この冬はより多くの写真が集まりそうです。解析がたいへんですが、荒木さんは「気合いで何とかします。ディープランニングで解析する方法を検討中です。最終的に目指すことは、雪が降ったら雪結晶観測という文化をつくりたいということです」と夢を語りました。
 この後、MTS雪氷研究所(世田谷区)代表取締役の松田益義さんが「草の根降・積雪観測ネットワーク」について説明しました。「積雪の稀な地域特有の雪氷障害を防ぐために、新しい情報ネットワークが必要」との考えから、取り組みが始まったプロジェクトです。松田さんは「雪氷障害の観点から重要なのは、雪の深さではなく重さです」と指摘しました。スノーサンプラー(円筒)を積雪中に差し込んで積雪深を計測し、積雪円柱を採取して積雪水等量(雪荷重)、積雪全層平均密度を測ります。協力者には計測キッドが供与されます。会場にキッドが2セット持ち込まれ、参加者の希望者2人に渡されました。
 終了後は荒木さんがサイン会をするかたわら、福山市立大学教育学部の平松和彦教授と国立極地研究所の矢吹裕伯特任准教授が参加者にダイヤモンドダストを見せるミニ実験をして楽しませました。
気象庁気象研究所「#関東雪結晶 プロジェクト」
http://www.mri-jma.go.jp/Dep/fo/fo3/araki/snowcrystals.html



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