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ベンチャーイノベーション「オトングラス」体験会

開催日:10月4日(水)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

ベンチャーイノベーション「オトングラス」体験会が10月4日、毎日メディアカフェで開催されました。
視覚障害や読字障害(ディスレクシア)、加齢などで活字を読むのが難しい人が簡単な操作で文字を読み上げさせられる眼鏡型端末「オトングラス」が今年、ベンチャー企業「OTON GLASS」から公開され、大きな話題を呼んでいます。その体験会です。
 イベントではまず、オトングラスの生みの親である島影圭祐・OTON GLASS代表取締役がオトングラスの開発物語を話しました。島影さんは1991年生まれ。2012年、首都大学東京在学時、父の失読症をきっかけに、眼鏡型端末「オトングラス」の研究開発を始めました。2014年に情報科学芸術大学院大学[IAMAS]に進学、同年に株式会社 OTON GLASSを設立、代表取締役に就任ました。主な受賞歴に「James Dyson Award 2016 国内3位」「GUGEN 2016 優秀賞」「YouFab 2016 グランプリ」があります。
 島影さんは「開発のきっかけは父の失読症でした。2012年、大学3年のときに父が脳梗塞で倒れ、文字が読めない状態になりました。大学では工業製品のデザインの勉強をしていて、父が文字を読めるようにしたいと考えました。オトングラスのオトンは、お父(おとん)、そして音(おと)にするという、だじゃれですね。父はがんばってリハビリして、オトングラスが必要ないぐらい元気になりました」と開発のきっかけを語りました。
 「事業としてやっているのは、オトングラスをほしいと言ってくれる人に出会ったからです。21世紀美術館で4カ月間展示させてもらって、視覚障害の方が最もオトングラスをほしいと思っていることが分かりました。視覚障害の方に届けて、誰もが使えるようにしたいと思います。読字障害の人もいます。トム・クルーズはそうで、台本をスタッフに読んでもらって映画出演したそうです。障害のない人でも読むのに困るときがあります。韓国に行ったとき、文字が読めませんでした。オトングラスは文字を音に変換するということで、文字が読みにくいという問題を解決します」
 オトングラスは言語の翻訳も可能で、英語を日本語に、逆に日本語を英語にすることもできます。ハングルにも対応できます。仕組みはどうなっているのか。
 「インターネットにつながっていて、ユーザーが見ている文字を撮影します。クラウド上で文字認識をして、言語の翻訳をして、テキストを音声に転換するということをしています。強力なコンピューターではないのですが、インターネット上の強力なコンピューターを利用しています」
 現在は開発途上です。「体験できるプロトタイプを作り、ユーザーから意見をいただいて成長させています。受注生産を始めていて、使ってみての意見をいただいています。例えば、目の見えない方に郵便物が届いても、ヘルパーが来ないと判別できない。どういう郵便物か分かることにより他者への依存度が減り、自立的な行動が可能になります。オトングラスは持ち運びができて、使うときに両手が空きます。白杖やスマホなどを持っていて、両手がふさがっていても使えます。体の一部のように扱えるのを価値に感じてもらっています。ユーザーからの意見で、ハードウエアを小さくする、通信状態が不安定な場所でも使用できる、文字がどこにあるか分からない全盲の方には、文字の位置を知らせる機能、音楽プレーヤーのように、戻って聞くこともできる機能など、課題が見えてきました。社会に広げるため、オトングラスの共同体、コミュニティーを作っています。当事者や支援者のほか、眼科医、訓練士、投資家などが参加しています。純粋に製品を作ることだけではなく、理想的な社会、製品を作ることを目指したい。私たちの強みは、体験できるものを作っていること、協力してくれるコミュニティーがあることの2点です。他の企業が出てきても、私たちに優位性があると思っています。次のモデルの開発にも取り組んでいます。スマホと連動して、コードをなくします。来年春には試作品を完成させたい。来年度中に大量生産して、一般に販売したいと思っています。眼科の先生が応援してくれています。目の見えなくなった方へのサポートができないのが眼科医の心の負担になっています。見えなくなった方にオトングラスを紹介してもらいます。本点字図書館、盲学校にも置いてもらいたい」
 最後に、島影さんは「文字が読みにくくなることは、誰でもいつでも起こりうる。健常者が使うモデルも考えたい。オトングラスを世界に届け、誰もが文字を読むことのできる世界を実現したい」と夢を語りました。
 続いて、毎日新聞ユニバーサロン編集長の岩下恭士記者が登壇しました。岩下編集長は1986年毎日新聞社入社。早稲田大学大学院社会科学研究科博士課程卒(ルーマン社会システム理論)。年齢や性別、障害の有無に関わらずすべての人が等しく参加できる共生社会、ユニバーサルデザインの製品やサービスの実現をテーマに取材、情報発信しています。全盲で、オトングラス初号機ユーザーとして機能検証に協力中です。
 岩下編集長は「先月、島影さんと渋谷区障害福祉課に行って、オトングラスを日常生活用具給付の対象にしてほしいと要望してきました。前向きな姿勢が感じ取れました。前例ができると早いので、まず渋谷区を突破口にして実現させようと思っています。私は、向こうから来た人に、こちらから声をかけることをしてみたい。受け身にならなくてすみます。周りのお店の看板を見ながらの『銀ブラモード』もしてみたい。ライブスキャンができるといいですね。コンビニに一人で行って、商品を自分で探すことができないかを試してみましたが、缶ビールの銘柄を読むとかにけっこう時間がかかり、ストレスでした。店員が『お困りですか』と声をかけてきて、変なお客さんだと思われたでしょう(笑)。郵便物は切実です。100%読めなくても、どこから来たかだけでも分かるといい。今はホームヘルパーが週2回来て読んでくれますが、『出張マッサージ』とか書いているちらしを人に見られるのは抵抗がありますよね(笑)」
岩下編集長は島影さんに「新聞を読めるようにしてほしい」と要望しています。「新聞を読ませたいと思うのですが、段組みなどがあり、難しいですね。見出しは読めますけどね。それと、読んだものをパソコンに取り込み、そのデータを使えるようにしてもらえると、飲食店のメニューを読ませて、家に帰った後、じっくりメニューを眺めるといったことができます」
 島影さんは「次の製品に必要なアイデアは岩下さんが言ってくれて、ありがたい。リアルタイム読み上げはいま取り組んでいます。新聞は簡単なレイアウトならできるので、ある程度はいけると思います。あらゆる文書の中で最も難しいと言えます。タイトルを見て、ウェブの記事を読むということができるかと思っています」と答えました。
 次に、金聖源(キム・ソンウォン)さんが話しました。金さんは1985年ソウル生まれで東京育ち。慶応義塾大学SFCを卒業して、2007年電通に入社しました。現在、電通ダイバーシティラボの活動の一環として「超福祉展」の企画運営をサポート中です。
 金さんは11月7~13日に渋谷区で開かれる「超福祉展」の紹介をしました。オトングラスも出展します。金さんは「義手、義足、電動車いすなどテクノロジーを駆使した製品が集結します。開催4年目で、規模を拡大しようと運営をサポートしています。行けば発見のあるイベントになると思います。超福祉展では、毎日新聞社とヒューマンライブラリーという概念のイベントをしようとしています。人間の図書館、人間を借りる。例えば、岩下さんを30分借りて対話するのです。ヒューマンライブラリーはデンマークが発祥で、アルコール依存症の人と若者が話すことから始まりました。ライブラリーデスクで、人を借ります。LGBT、障害、難病についてなどのテーマで、『本の役』になる人が30分間お話をします」と話しました。
 この後、3人がトークしました。金さんの「ベンチャーはしがらみ抜きにできるが、大量生産をするときには、どうするのか」の問いに、島影さんは「売られているプロダクトはちゃんとした製造ラインで作っており、大メーカーのほうが得意です。社会に実走するときは既存のメーカーと一緒にやることも考えられます」と答えました。岩下さんは「ビジネスモデルが重要。福祉機器は専用機になると消えていってしまいます。大手企業が入ることは長続きという点ではいい」と話しました。
メガネメーカーとタイアップして、メガネとしてのブランド。
島影さんはまた、「いつでも体験できるところがあるといいので、高田馬場の点字図書館に置いてもらうようお願いしようかと思っています。
 参加者との質疑では、「93歳の母は昔は週刊誌を読んでいたが、読めなくなった。読んであげていたが、自分も疲れるので。買う気満々ですが、目標価格は」との質問があり、島影さんは「日常生活用具として認められると、19万8000円まで自治体の9割補助があります。それ以下の価格にして、自己負担2万円ですむようにしたい」と目標を掲げました。
 最後に、参加者がオトングラスを実際に装着して体験しました。
OTON GLASS
http://otonglass.jp/
超福祉展
http://www.peopledesign.or.jp/fukushi/
毎日新聞ユニバーサロン
https://mainichi.jp/universalon/

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毎日新聞東京本社1階にある「MOTTAINAI STATION」を毎日メディアカフェとして午前11時から午後6時(イベント開催日は午後8時30分)まで開放しています。新聞や雑誌を読んだり、タブレット端末で毎日新聞ニュースサイトや毎日スポニチTAP-Iなどを検索したりできます。イベントは全て無料で参加できます(予約制、申し込み順)。

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