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漫画「いちえふ」作者 竜田一人が語る「福島の今を知る3」

開催日:7月10日(月)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

毎日メディアカフェのイベント「漫画『いちえふ』作者、竜田一人が語る『福島の今を知る3』」が7月10日、毎日ホールで開かれました。


 漫画「いちえふ 福島第一原子力発電所労働記」(1~3巻、講談社)は東京電力福島第一発電所(通称1F)の作業員として働く竜田さんが、廃炉に向けて作業を続ける現場の日常を描いた作品で、国内外で大きな反響を呼びました。センセーショナルに「内情」を暴くのではなく、作業員としての日常を丁寧に描きました。作業現場の外側「オフサイト」のレジャー情報、グルメ情報は、そもそも福島が持っている魅力を伝え、福島を身近に感じさせるものになっていま竜田さんは覆面で登場しました。これは「今後も作業に行くつもりだし、顔を出すと迷惑をかけるところがあるかもしれないので」という理由です。「2012年、2014年に入り、休憩所の職員をして、その体験を『いちえふ』に描きました。12年当時はひどいデマがあり、福島に行くと死ぬというようなデマがありました。そんなことはない、きちんと現場を見て、記録として残したいと思いました」と、現場に入った動機を語りました。


 ここで、プロレスラー、ミル・マスカラスの覆面を脱ぎました。数日前から自身のツイッターで宣言していたことです。覆面を脱いだら、また覆面。その覆面は口の部分が大きく開いていて、「これだと歌を歌えるし、飲食もできます」と笑わせました。


 竜田さんは演歌の弾き語りが趣味で、「歌でも記録したい」と、原発近くを通る国道6号線周辺の情景を「ROUTE6」という歌にしました。作詞・作曲竜田一人の曲です。ギターを手に、この曲を披露しました。「スタート地点Jヴィレッジは日本サッカーの聖地 東京電力完全占拠で今じゃピッチも駐車場 ここで着替えろドライバースーツは白いツナギのタイベック 綿手にゴム手 帽子靴カバー 胸のポケットにゃ線量計 忘れちゃいけねえ全面マスク 今日の現場はチャコールフィルター」。竜田さんの体験や見聞きしたことが歌われています。酒が上る楢葉町の木戸川、富岡町の千本桜などが歌われた後、「この道きっと明日へ繫がる 双葉に浪江 南相馬まで 誰もが走り抜けられるまで みんなで走ろう6号線 いつか必ず6号線 明日へ走ろう6号線 希望の国道6号線」で終わります。


 「歌を作ったのは2012年。その後だいぶ変わったところがありまして、今は1F入り口まで普通の格好で行きます。当時はJヴィレッジからマスクでしたが、1Fまでマスクは要らなくなりました」


 竜田さんは2012年の仕事で、線量限度近くまで達したので、いったん作業をやめました。14年に「またあそこに行きたい」と再び現場に入りました。「面白いという言い方はおかしいかもしれませんが、やりがいがある。多少なりとも何かの役に立つのではないかと思いました。1号機や3号機の中でロボットのお世話をする仕事、バッテリーを交換したり、中継する機械を担当したりしました」


 「現場に行って驚いたことは何ですかとよく聞かれます。会社の人たちは普通に現場で働いているおっちゃんで、車中から冗談ばかり言って笑っています。行く前とのイメージとの違いがありました。意外と線量管理はちゃんとしていると思いました。通常の原発で作業していた人はもっと線量管理が厳しかったと言いますが、十分きちんとしており、健康に影響はないというのが実感でした。作業員は元気に笑ってやっているよ、それだけで十分じゃないかと思います」


 竜田さんが訴えたいことは福島県の産品の復活です。「農産物に関しては、まだまだですが、回復してきています。海産物はまだ完全には漁が再開されていません。魚の放射性物質を測定する『海ラボ』にたまに参加しますが、たくさん釣れます。魚からほぼ放射性セシウムは出ないです。データ的には漁を全面再開してもよい状態です。風評がこわいからということで、再開していない。一般の人は再開していないので、やはり危険なのかと思ってしまいます。いつまでも禁止していても仕方がないと最近思うようになりました。(岩手・宮城両県の)がれきの広域処理で、健康被害が出るという意見、風評被害が出るという意見もありました。福島県以外のものですから、健康影響は出ないのですが、測定結果が出て大きな風評被害はなかった。データを出しながらやっていけば、風評被害が出ないのではないか。風評被害は、予定外のことが起これば出るのであり、計画通りにやれば、恐れることはないのではないかと思います」


 ここで、漁船の気持ちを歌にしたという「第3双洋丸」という歌を歌いました。「黒い影に怯えているんだい。今は水も魚もさすけねえ」。「さすけねえ」は、差し支えない、問題ないという意味の福島の方言です。「風評を恐れて次に踏み出さないのでは、新たな風評を育てるのではないかと思います」。竜田さんはそう締めくくりました。


 この後、1Fを繰り返し見学している冨永浩敬メディアカフェ事務局員と竜田さんが1Fの空中写真、現地の写真などを見ながら、1Fと周辺地域の現状を紹介しました。


 質疑応答は活発でした。


Q 2012年のころ、コンビニはなかった。今はどうでしょう。


A 今は近隣の町に24時間営業のコンビニもできて、数え切れないほどです。原発の大型休憩所の中にもあります。休憩所に食堂ができて、温かいご飯が食べられます。カレーはキーマカレー、野菜カレーなど、毎日違うカレーが出ます。


Q 映画化するとしたら、竜田さん役は誰が希望ですか。自分で出るとしたら何の役?


A 福山雅治さんですね(笑い)。自分は食堂のおばちゃんでしょうか。


Q 福島にとって必要なことは。


A 難しく考えることはない、普通に見てもらうことが一番です。工事の進捗などを、ありのままに見てもらえば。


Q 若者にできることは。


A 一番簡単なことは福島に遊びに行くことです。福島の人と話をすると、見えてくることがある。迷わず行けよ、行けば分かるということです。


Q 続編の予定は。


A 描いてみたい周辺の事情はありますので。


Q 原発について、どうしていくのがよいか。


A 何かを言うと、あいつはどちら側だというように言われるので、ノーコメントにしています。


Q 新聞で今も「今日の放射線量」が出ていることに対する意見は。


A 知りたいと思ったら、データが見られるのであればいい。どうせ何の変化もないのに、いつまでも出ていることで、危険だと思われる。勇気を出してやめればよい。


Q 東電の回し者と言われたりすることがあると思いますが。


A 漫画を描いた時点で、どちらかの批判は受けると思っていました。


Q 漫画化の経過は。


A 何のプランもなく描き始めて、37ページになりました。持ち込みとしては中途半端です。20ページが普通ですから、これを載せてくれるからと不安でした。(掲載された)モーニングは第1候補でしたが、その前に、別の出版社に持っていきました。その出版社は危険をあおる情報を載せていて、その会社にとっても失地挽回のチャンスになるのではないかと思いましたが、断られました。モーニングでめでたく採用になりました。ある程度、載ったら話題になるとは思っていました。フランス、ドイツ、スペイン、台湾などに続き、英語版も出ました。なんと日本円で買えます。


Q 嬉しかったことは。


A 福島の方、実情が伝わっていないことをもどかしく思っている方から、「よく描いてくれた」と言われたことです。


 質疑応答の後、「いちえふ」1~3巻と、竜田さんが著者の一人である「福島第一原発廃炉図鑑」(太田出版)のサイン会が行われました。


 イベントは毎日メディアカフェfacebookで中継されました。下欄をご覧下さい。


 竜田一人さんツイッター @TatsutaKazuto

毎日メディアカフェでちょっと一息

毎日新聞東京本社1階にある「MOTTAINAI STATION」を毎日メディアカフェとして午前11時から午後6時(イベント開催日は午後8時30分)まで開放しています。新聞や雑誌を読んだり、タブレット端末で毎日新聞ニュースサイトや毎日スポニチTAP-Iなどを検索したりできます。イベントは全て無料で参加できます(予約制、申し込み順)。

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