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富士ゼロックス広報誌 「GRAPHICATION」 Presents   高橋敏夫(文芸・文化批評家)×武内涼(作家) トークショウ 2017

開催日:2月2日(木)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

富士ゼロックス(東京都港区)の広報誌「GRAPHICATION(グラフィケーション)」の創刊50年、電子化1年を記念した毎日メディアカフェのイベント「高橋敏夫(文芸・文化批評家)×武内涼(作家)トークショウ2017」が2月2日、毎日ホールで開催されました。
 1967年4月に創刊されたグラフィケーションは、2015年9月発行の200号(通巻389号)で雑誌形態を終了し、2015年12月号から電子版に移行しました。企業色を廃し、自然や科学、文学など幅広いテーマを取り扱っています。電子化によって、今後は動画や音声を利用した新しい形態での雑誌制作を目指しているそうです。
 文芸・文化批評家で早稲田大文学部・大学院教授の高橋さんは、グラフィケーションで「時代小説の中の現代」など10年間にわたって連載を続けてきました。2011年に「忍びの森」(角川文庫)でデビューし、2016年の「この時代小説がすごい!」で1位を獲得した武内さんは、大学の教え子だそうです。
 歴史小説と時代小説がありますが、どう違うのでしょうか。武内さんは「史実にのっとって書いているのが歴史小説で、歴史的事実を背景に物語を描いているのが時代小説だと思います」。高橋さんは「時代小説はフィクションの度合いが強く、歴史小説はノンフィクションの度合いが強いものという違いがあります」とまとめました。
 藤沢周平(1927―1997年)と司馬遼太郎(1923―1996年)、両作家について。高橋さんは「藤沢さんは生前に全集が出た希有な作家です。全集というのは、作家の生涯を網羅したもので、通常は亡くなった後に出るものです。時代小説の書き手として人気があったということでしょう。その前に生前全集を出したのは、司馬です。1962年に『竜馬が行く』を書き始めた司馬さんによって歴史小説ブームが起こり、1968年の明治100年が司馬さんの頂点だったと思います。1971年のデビューから20年間売れなかった藤沢さんは、その後1990年代に司馬さんを継ぐ作家になりました。その時に歴史小説から時代小説へと、呼び方が変わったと思っています」と説明しました。
 武内さんは、作家になったきっかけについて語りました。「最初から小説家になりたかったわけではなく、映画監督になりたいと思っていました。中学生のころ、黒沢明監督の『七人の侍』を見てものすごく感動し、自分も作りたいと思って、大学時代は自主製作でアマチュア映画を作っていました。その後、劇場映画のスタッフの仕事に就きました。助監督と製作部。撮影と裏方両方の雑用を担当していました。ホテルやチケットを手配したり、ロケ弁当を手配したり。最初に来て、最後に帰るスタッフです。忙しい時は1カ月間休みがなく、夜中の1時、2時に帰って来て、朝は3時、4時に起きるみたいな生活を続けていました。映画監督になりたいと思ってやっていましたが、監督になるころには年を取って、自分の胸の中にたまっている作品のアイデアを1個か2個形にするだけで終わってしまうんではないかと思ったのです。無職になるのは怖かったですが、自分の胸の中の物語を形にしたいと思い、決断して辞めました。
 真夏のある日、広い公園で大好きな植物に囲まれて考えたいと思い、新宿御苑の開園時間からベンチに座り、面白いアイデアがないか考え始めました。食事もせず、飲み物も飲まず。面白いアイデアが浮かぶまで、席を立つまいと心に決めていました。西日が差し始めたころ、戦国時代に忍者と妖怪を闘わせてみたら面白いのでは、と思いつきました。言葉がとめどなく浮かぶというよりも、私の場合は映像で、映画のように流れました。最初から最後まで映像が流れ、克明に映像として見ました。これを書かなきゃ、と思って、一気に書き上げました。映像だったので、映画の脚本か漫画の台本かなと思っていたのですが、書き上がってみれば脚本ではない。小説にしてみようと思いました。1096枚という枚数になりました。新人賞に応募してみようと思いましたが、この枚数にかなう賞は日本ホラー小説大賞しかありませんでした。どの賞も500枚ぐらいが上限だったのに、確かその頃で1200枚が上限でしたから。最終候補に残り、受賞はしなかったのですが、審査員の貴志祐介さんの推薦で特別に出版しようということになり、デビューさせてもらいました。小説の形式になっていなかったようで、編集者の指摘を受けてかなりなおしました。映画に挫折して小説家になった訳ですが、今でも小説が映像として浮かぶことがあって、無駄ではなかったと思っています」。
 高橋さんは「いずれも明治時代を描いていた山田風太郎(1922―2001年)と司馬について、どちらが好みですか」と質問。武内さんは「イメージのとらえ方であれば山田さんに近いです。『幻燈辻馬車』など、司馬さんと違う歴史観を持っているところをリスペクトしています」と答えました。
 武内さんの最新刊「駒姫 三条河原異聞」(新潮社)について。
 「山形出身で豊臣秀次の側室になった実在の人物を描いています。4~5年間温めていた構想です」。これに対し高橋さんから「最近は歴史小説にシフトしてきているように思いますが、新しい試みと、今までの仕事との落差は感じますか」との質問が。「自分としては伝奇小説とかファンタジーの要素が強い小説も好きですし、もっとリアルな歴史小説に近いものも好きです。両方に軸をおいて、両方できるようになりたいと思っています。小説を書くにあたって、自分が得意なもの、描写するのが得意で書いていて心地いいというものはあります。忍者や妖怪だとか、植物だとか。今回はある意味実験だったのですが、そういうものを出さないでやりたい。できるだけ得意なものを封じて、どこまでできるかをやってみました」。
 今後の構想について。
 「歴史を取り扱ったもの、歴史から題材を得たものを書きたいと思っています。歴史を感じさせる時代なら、古代から明治ぐらいまで。歴史上の人物というのは、逸話や生き方、考え方から今の自分が吸収できるものがあります。例えば上杉謙信が敵である武田信玄に塩を送るというエピソードについても、史実ではないにしても、似た話があって出てきたのだと思います。敵でも人間として認めていて、困った時に手をさしのべる度量があるという。人生の先輩として歴史上の人物から学べるところがたくさんあると思います」。
 高橋さんは「武内さんは何かを解釈するのではなく、再解釈する人だ、という印象を持ちました。ある定説があり、自分でとらえなおしたいという。時代物を書きたいという趣旨は、ある解釈、定説や史実があって、それをどう違うふうに読むか、読みかえるタイプの人だと、今日初めて思いました。歴史小説や時代小説を書く人というのは、定説に挑む習性があるように思いました。ドラマチックな日になりました」と締めくくりました。



 写真説明(左から)高橋さんと武内さん


「GRAPHICATION(グラフィケーション)」
http://www.fujixerox.co.jp/company/public/graphication/




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