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能は楽しい!

開催日:9月23日(金)18:30~20:00 イベントのカテゴリー:一般公募イベント

 「能を見てみたいけれど、ちょっと不安……」という人のために、日本の伝統文化、能を楽しむコツを学ぶセミナー「能は楽しい!」が9月23日、毎日メディアカフェで開かれました。
 講師は、跡見学園女子大学(東京都文京区)文学部准教授で、能楽を中心とする演劇学が専門の、横山太郎さんです。跡見学園中学校高等学校(東京都文京区)国語科教諭で、平安前期の和歌と歌物語が専門の中島輝賢さんが、司会進行役を務めました。
 横山さんは、能に触れるために初心者が抱えるハードルとして、
1, 何を見に行けばいいか分からない。
2, 言葉が分からない。
3, どう楽しむべきか分からない。
の3点をあげ、順番に解説を加えていきました。
1について。まずはインターネットでの情報収集を提案。検索サイトで「能楽・公演情報」と検索し、最寄りの能楽堂で開催されている公演日程を把握します。さまざまな情報がありますが、初めて、という人には国立能楽堂(東京都渋谷区)の主催公演がおすすめだそうです。横山さんは、「能と狂言がそれぞれ1番ずつの開催で、時間も短く、価格も比較的手ごろです。チケットが入手できない場合もありますので、早めに予約される方がいいと思います」と話しました。
能には、観世流、宝生流、金春流、金剛流、喜多流の5つの流派があります。「初心者こそ、梅若玄祥さんや、友枝昭世さんといった名人のすばらしい舞台を見るべきだ、という考え方があります。また、個々の能楽師に興味を持たれるという見方もあるでしょう。一方で平家物語など興味のある題材で選ぶ、薪能など機会で選ぶという選び方もあります」。
ここで質疑がありました。ドレスコードはありますか、との質問に対しては、「多分ないと理解しています。外国人の方も多く、きっちりした格好の方ばかりではないので、安心していらしてください」とのことでした。
続いて、2の言葉が分からない、というハードルについて。「能の言葉は、古文である上に、詩なので聞き取りにくいです。雰囲気を楽しみましょう、という考え方もありますが、事前にあらすじや舞台展開だけでも把握しておかれることをおすすめします。本番前に解説講座が設けられるものもありますし、公演のチラシを公演前に読んでおくだけでも違うと思います」と話しました。
最近では、内容をより理解しやすくするため、さまざまな新しい試みが導入されているそうです。国立能楽堂では、前座席の背面に字幕が流れます。また、タブレット端末を使って字幕を配信する試みや、イヤホンガイドを導入している能楽堂もあるそうです。
さらに、予習の仕方についてアドバイスがありました。
謡いの文句を書き起こした台本(謡い本)を読みながら鑑賞する、というのが最も伝統的な鑑賞スタイルだそうです。また、現代語訳がついた「謡曲集」として出版されている本を、図書館などで事前に入手する、という方法も紹介。上演される際に流派によって多少違いはあるそうですが、「謡曲大観全7巻」「日本古典文学全集~謡曲集①②(小学館)」「能を読む①~④(角川学芸出版)」があるそうです。横山さんは「字幕には現代語訳はついていません。事前に読んでおくぐらいがいいと思います」と話しました。中島さんは「台本は謡いを習う方が使うものなので、崩し字で書かれており、現代語訳もついていませんので、あまりおすすめしません」と話しました。
ここでも質問コーナーが設けられました。鑑賞にあたって予習が必要なことに抵抗感があり、歌舞伎も現代語のものを見るのですが、現代語の能というのはないのでしょうか、という質問が。これに対し横山さんは「深い問題だと思います。歌舞伎と違い、能の現代語版というのは難しいと思います。能は一つの詩であり、旋律になっているので、言葉数を変えることができません。音楽を考えて作詩されているので、理解しやすい現代語に書き換えることは難しいと思います。それでも、現代語で書かれた新作能はありますし、それこそ英語能もあります。ただ、古典というのは、何百年という年月の間にあまたの選別を経て、現代まで残った作品です。それだけいい作品なのです。古典を理解するためには、予習をした方がいいと思います」と話しました。
最後は3のどう楽しめばいいか、でした。
横山さんは、「台本を読み、詩を味わうように味わって、『一般的な演劇+アルファ』として楽しみましょう」と提案しました。「詩的な演劇として楽しめるのは世阿弥作品などごく少数」として、世阿弥作の「井筒」を例に挙げて解説を加えました。別の女の元へ夜ごと通う夫(在原業平)に向けて読んだ妻の歌。「風吹けば沖つ白波竜田(たつた)やま、夜半にや君が独り行くらん」。妻の深い愛情を知った夫は、女通いをやめます。「げに情(なさけ)知るうたかたの、あはれを述べしも理(ことわり)なり」。「うたかた(泡)」と「あはれ」など、「泡(あわ)」や「波」を掛けた言葉遊びが続く一節です。「泡や波などの言葉から連想される水のイメージを重ね合わせ、クライマックスの伏線を作っています。男女のドラマ、様式化された動きの型、謡と囃子に、この詩的イメージを加えた4要素が、クライマックスで1点に集約されるのが『井筒』です」と解説しました。
最後に、井筒のクライマックスシーンの映像を鑑賞。横山さんは「初心者の方にはハードルは高いですが、ただ難しいとは思わないで、是非能楽堂に足を運び、ごらんになってください」と話し、質疑を経て閉会しました。

写真説明 横山太郎さん



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毎日新聞東京本社1階にある「MOTTAINAI STATION」を毎日メディアカフェとして午前11時から午後6時(イベント開催日は午後8時30分)まで開放しています。新聞や雑誌を読んだり、タブレット端末で毎日新聞ニュースサイトなどを検索したりできます。イベントは全て無料で参加できます(予約制、申し込み順)。

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